カイロタイムズ099号
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(8)2014年11月1日発行 カイロタイムズ 99号弊紙では、先日、ホームページを一新し、編集部のブログも開始しました。おかげさまで多くの方にアクセス頂いています。紙版では掲載しきれない情報や、よりタイムリーな話題をお伝えしていきたいと思っています。また、2014年2月発行96号より開始した、弊紙創刊以来の大幅リニューアルは、次号2015年2月発行100号の完全無料化をもっていったん終了いたします。紙版、ホームページともに今後ともご愛顧頂けますよう、どうぞよろしくお願いいたします。編集後記カイロタイムズでは、皆様からの寄稿や情報提供を募集しております。〒160-0023東京都新宿区西新宿3-1-5新宿嘉泉ビル8FTEL0120-223-505 FAX0120-223-509E-mail:info@chiro-times.co.jpURL:http://www.chiro-times.co.jp/日本医科学出販株式会社 カイロタイムズ編集部 カイロと人との様々な関わり合い、そこにカイロ教育のあり方を考えるヒントがある。 まず、カイロを学んだ主人公として「私」を設定する。すると、カイロとの関わり方が異なる3つのタイプの「私」がいることに気付く。 一人目はカイロを「私」の範囲で収め、臨床にも教育にも携わらないような「私」。このように「私」で自己完結されているカイロをここでは「一人称のカイロ」と呼ぼう。 二人目は、「あなた」との間にカイロが介在している「私」。そこでの「私」は患者の「あなた」に対してカイロを説明して施術し、学生の「あなた」に教育することで「あなた」をカイロに巻き込む。そんなカイロは「二人称のカイロ」。わが国のカイロの歴史を遡ると、かつてカイロは「二人称」だった。師の「私」は弟子の「あなた」にカイロを教え、施術院では患者の「あなた」さえ納得すればカイロの臨床は成立した。 ところが今やカイロは、「私」と「あなた」だけの関係性にとどまらなくなった。自らのオフィスのホームページは「私」の知らない不特定多数の「彼」や「彼女」の目に晒され、誰に学んだかよりも、どこでどのような教育を受けたのかが重視され、「あなた」だけでなく「社会」からもカイロについて注意・関心を持たれるようになった。 カイロが、「あなた」を含む社会との間に介在する「三人称のカイロ」になった以上、カイロについてよく知らない「社会」を相手にカイロ教育の正当性を主張できなければならない。カイロは「こういうもの」だから「こういう教育」が必要、というように。 では、カイロとは「どういうもの」だろうか。この場合、カイロの本質を問う「カイロとは何か」そのものだろうか。 それは否であろう。この場合、すなわちカイロ教育のあり方の議論に必要なのは「カイロとは何か」のどの部分がカイロ教育のあり方を決める要素かを考えることである。そしてその要素に還元された「カイロはこういうもの」から教育を考えるのだ。 カイロは「そういうもの」なのに「そんな程度の教育」しかしてないのか!などとはもう言わせまい。カイロ教育を考えるヒント 現代人の生活習慣病のほとんどが、初期段階での発見と改善により症状の悪化を未然に防ぐことができる慢性化症状です。その背景には様々な原因が存在しますが、栄養素の過不足も大きな原因の一つです。 日本ではあまり話題にならない栄養素の中に亜鉛があります。細胞臓器の働き、300種類以上の酵素の働きなど、人間の営みには重要不可欠なミネラルである亜鉛ですが、カルシウムや鉄に比べると注目度は低いミネラルです。アメリカでは国民の15%ほどに亜鉛不足があると言われています。欧米に比べて亜鉛が豊富な食材があるにも関わらず、日本でも国民の亜鉛不足は深刻化してきています。 亜鉛は胃酸の生産にも深くかかわっています。胃酸の元は塩酸ですが、塩酸を作る過程で亜鉛(イオン)が不可欠となります。生活習慣病の原因と消化分解機能の低下は密接な関係にありますが、低胃酸の原因として現代人の亜鉛摂取不足が内在していると考えられています。胃酸の生産能力が低下する中高年以降ではなく、充分生産できる若い人たちにも低胃酸が見られることもその根拠です。 日本でも、低胃酸症状の可能性がある人に、亜鉛のサプリメントを勧めるカイロプラクターがいると聞きます。亜鉛の充足状態を、日常的に確認する指標(ものさし)として私がお勧めする方法は、足の臭いのチェックです。 亜鉛不足と足の臭いの関係は日本ではあまり紹介されていませんが、亜鉛は、ドライスキンに関わるビタミンAの代謝に欠かせないミネラルであるという背景があります。動物性たんぱく質を食べないベジタリアンでは、亜鉛不足の土壌から収穫された野菜(意外に多い)を日常的に食べていることで、足の臭いがきつくなり、爪の表面に白い斑点と線が出やすくなります。 白癬菌による水虫と亜鉛不足による足の臭いの違いは、皮膚の乾燥状態だと言えるかも知れません。水虫ではなく、足の臭いがきつい人で、味覚障害、傷の治りが遅い、感染症にかかりやすい、消化不良、アレルギー症状、ドライスキンなどの症状を合わせて持っている場合には、亜鉛不足を疑ってみるべきだと思います。 亜鉛をサプリメントで摂る際の注意点は、必ず銅と一緒に摂ることです。亜鉛の摂取が増加することで、行動をともにするミネラルの銅の吸収量が減り、その影響で鉄の吸収量にも影響が出ることがあるからです。「胃の慢性症状の背景に   亜鉛不足を考える」

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