カイロタイムズ099号
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(4)2014年11月1日発行 カイロタイムズ 99号 アクティベータ・メソッド(以下AM)の創始者の一人であるドクター・ファーとの最初の出会いから、二十数年の歳月が経ちました。私はこのテクニックとの出会いをきっかけに、カイロプラク 1962年福岡県生まれ。明治鍼灸短期大学(現・明治国際医療大学)卒業。大東医学技術専門学校卒業。米国アイオワ州のパーマ・カイロプラクティック大学卒業。2001年よりAMI社公認アクティベータ・メソッドセミナー開催。AMI社公認日本地区ディレクター。2005年より心身条件反射療法(ニューロパターンセラピー)研究会開催。2009年ICC国際コーチ連盟認定コーチ養成トレーナーとなりICC認定コーチ養成講座開催。著書に『体の不調は脳がつくり、脳が治す』がある。保井 志之(やすい ゆきのぶ)DC プロフィールの方が多いのではと思いますが、このコラムを通じて私なりに解釈したAMの魅力をさらに幅広く、そして、奥深くお伝えすることができればと願っております。まずはAMの創始者である二人のDC、故・ドクター・リーとドクター・ファーをご紹介します。故・ドクター・リー(1914年生まれ)はノース・ウエスタン・カイロ大学を卒業し、ローガン・ベイシック・テクニックやタフネス・テクニックを学んでミネソタ州で開業していました。ドクター・ファー(1939年生まれ)は、13歳の時に慢性的な喉の痛みでドクター・リーのクリニックを訪れ、タフネス・テクニックの施術を数回受けて、喉の障害を克服しました。それ以来、ドクター・ファーはカイロプラクティックの道に進む決心をしました。 ドクター・ファーはローガン・カイロ大学を卒業し、合衆国海軍の兵役を終えた後、ドクター・リーのクリニックで、アソシエイト・ドクターとして働くことになります。二人のドクターは、ローガン・ベイシックとタフネスの両方のメソッドを統合したものを実践して、患者の矯正前と矯正後の脊柱の状態をより適切に判断する実践的な方法を模索していました。ここで大切なことは、矯正前と矯正後の明確な判断基準を模索していたということです。その判断基準が現在使われているAMの下肢長検査法なのですが、そこに至るまでの過程はとても興味深いところではあります。そのあたりのことを次回のコラムで触れてみたいと思います。ティックの本質や自然治癒力を基本にした治療法の本質に深く迫ることができ、代替医療の治療家としての誇りと確信を持ち続けることができました。私の治療家人生の中ではとても大きな出会いの一つになっています。今回、カイロタイムズさんからのご提案で、AMの連載記事を担当させて頂けることを光栄に思っております。 AMのことはすでにご存じ保井 志之DCアクティベータ・メソッドとは保 井 志 之 DCVol.1新連載  今年2014年は、パーマーカイロプラクティック大学のホームカミング100周年記念の年です。8月7〜9日に催されたホームカミングには、日本からも若城弘治DCが卒業40周年ということで参加されました。また、日本人留学生達とも懇親会を催しました。 卒業生ランチョンでは、創始者DDパーマー先生のひ孫であるビッキー・パーマー女史、パーマー大学総長のマキオリDC・PhD、パーマー大学ダベンポート校の前校長カーンDC・PhC、理事会の理事や、パーマーカイロプラクティックアカデミーのフェロー達と歓談する機会があり、若城DCも戦後2人目の日本人卒業生として往事を述懐し、話に華が咲いていました。 私、松下は、2008年から7年間、パーマーカイロプラクティック大学の卒業生顧問評議会の顧問として、パーマー大学と業界の発展に尽力して参りましたが、ホームカミング100周年のキリがよい2014年度をもって、卒業生顧問評議会も当初の目的を達成したとして閉会することとなり、それに伴い、顧問の任を解かれることとなりました。 本場アメリカにあってもカイロプラクティックの哲学を理解・修得していない有象無象のDC達が、オステオパシーが辿った轍を踏む方向にカイロ業界を牽引する動きがあるなど、問題が山積です。 100周年を祝いながらも、業界の未来を鑑みると楽観視もできないという、ビター・スイートなホームカミングの報告となりました。パーマー大学ホームカミング100周年寄 稿寄 稿松下順彦DC・LCP・DPHCSパーマーホームカミング2014 業界を代表するカイロプラクターにとっておきの書籍を紹介して頂く本連載、初回である今回は、それにふさわしい先生にご登場頂けることとなった。 RMIT大学およびマードック大学(ともに豪州)日本校という、国際基準カイロプラクティック教育機関で教鞭を取った経歴をお持ちの五十嵐由樹DCである。 今回紹介する「臨床足装具学 生体工学的アプローチ」との出会いは思いもよらぬものだった。 講義やセミナーで使用するために足関節・足部に関する興味深いイラストや説明を集めていて、それらは同一の書籍から引用されていることに気付いた。1997年にWilliams&Wilkins社から発刊された「FootOrthoses and Other Forms ofConservative Foot Care」だった。 インターネットでこの書籍を探し、入手しようとしたのだが、すでに絶版しており中古しかなく、加えて価格が200米ドルを上回っていたため、諦めていた。しかし、ある足底板セミナー受講時、講師であった日本人の足病医から紹介された一冊の本が、この書籍を日本語に翻訳した本書だった。思いもよらぬ出会いだったのだが、さらに著者であるThomas C.MichaudはWesternStates Chiropractic Collegeを卒業したカイロプラクターだったことに驚かされた。 この書籍の最大の特徴は生体工学的知識に基づいた数々のイラストと説明である。タイトルが示すように本書の目的は、科学的な足のバイオメカニクスに基づく装具のデザインと役割を明確にすることである。その目的から日本の義肢装具専門学校ではバイブル的教本としてこの書籍が推奨されているようだ。タイトルだけを見るとカイロプラクティックとは無関係に思えるが、本書の約80%は足と足関節の解剖学、歩行周期における正常運動と異常、そして検査法で占められている。その中では、足関節・足部のバイオメカニクスだけではなく、足部から始まる運動連鎖が、膝、股関節、骨盤さらには全身にどのような生体力学的影響を及ぼすか、カイロプラクティック的見地から、独自のイラストを用いて分かりやすく詳細に説明されている。その説明は足部について深い知識がないカイロプラクターも十分に納得できる説得力を持っている。今まで抱えていた足に関する多くの疑問に対して、明確な解答をくれる一冊に違いない。五十嵐 由樹DCNational College of Chiropractic(現NUHS)卒業Doctor of Chiropractic取得柔道整復師・柔道整復専科教員免許取得学校法人山野学苑山野医療専門学校講師KYSカイロプラクティックオフィス院長元RMIT大学日本校(現TCC)講師・外来部長元Murdoch大学インターナショナルスタディージャパン上級講師五十嵐 由樹(いがらし よしき)DC プロフィール書籍情報「臨床足装具学 生体工学的アプローチ」 Thomas C.Michaud著 加倉井周一訳 医歯薬出版株式会社五十嵐由樹DC

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