カイロタイムズ098号
5/8

(5)2014年8月1日発行 カイロタイムズ 98号は3・5倍に達する見込みである。全米で1年間を通して家庭医を受診する患者数を比較すると、MD医師に2億7千万名、DO医師に6千5百万名である。DO医科大の卒業生の半数以上は、家庭医学科、一般内科、産婦人科、小児科などのプライマリケアの分野で活躍している。 最近のDO医科大の増加と、それに伴うDOの進出により、昔に比べればオステオパシーの何たるかを知っている人々も増えた。しかし、まだまだDO医科大のない地方やDOの少ない州では、その知名度は低い。これから21世紀の医療としてますますその使命を試されるオステオパシーの行方を見守っていきたい。 アメリカでは次の2種類の医師が存在する。アロパティック医師メディカル・ドクター(M.D.)オステオパシック医師オステオパシック・ドクター (D.O.) 各々アロパティック医科大、あるいはオステオパシック医科大を卒業して、適法な医事委員会により免許を受け、医療行為の権限を与えられた開業医である。(Dorlandのイラスト医学辞書、第27版) セシルの『Textbook of Medicine』によれば、OMT(オステオパシックマニピュレーション治療)教育を除けば、DOの教育はMDのものと全く区別がつかないと言われている。DOの、病院での研修医の訓練や、全米50州において制限のない医療権限などを見ても、MDのそれと変わらなくなっている。全米にMD医科大は135校、DO医科大は34校(分校等を含む)あり、そのうちミシガン州立大学などは同じ大学内に、MD医学部とDO医学部を併せ持っている。 MDとDOの比較をしてみると、性別、人種による違いはあまり見られない。2010年の統計でDOは約7万3千名おり、全米医師の5・5%を占める。特に軍と密接な関係があり、軍医の10%がDOであるため、沖縄や横須賀基地へ行くと、米本土よりもDOに出会う確率は高くなるということになる。 ここ10年の医療業界で、オステオパシーの伸びは目を見張るものがある。DO医科大数が2倍に増え、年間に輩出するDOの数も2015年にもう一つのタイプの医師 有名なピアノ教師の名言に「1日練習しないと自分が気付き、2日しないと批評家が気付き、3日しないと聴衆が気付く」とあるくらい、ピアニストは日々練習に励んでおられます。 その為、一般的に、腱鞘炎、手根管症候群、内・外側上顆炎、筋膜性疼痛症候群などの疾患がよく見られます。 しかし、私の臨床経験上は、指、手首、前腕などの末端部位がうまく脱力出来ているため、上級者やキャリアの長いピアニストにはこういった疾患は稀であり、体幹部位の筋疲労や疼痛を訴えることが多いです。 問題となる筋はいくつかあるのですが、その中でも、後頭下筋群、三角筋(前部)と大胸筋、左大・中殿筋の硬縮が共通して見られます。 後頭下筋群は眼球運動と深く関係がありますので、音符を目で追う動作が長時間続けば必ず過緊張が起こります。三角筋(前部)と大胸筋は、うまく前腕(肘〜手首)を脱力して、しならせるように打鍵する為の固定筋として収縮します。左大・中殿筋の硬縮は、演奏中の重心を左側に掛けていることが原因として考えられます。ペダルを踏む右足は脱力し、左足で体を支持、安定させているのです。以前、9名のピアニストに片足立ちのバランステストを行った際、全員が左足の方がバランスが良いという結果が出ました。 ただし、演奏者のレベルによって使う筋も違ってきますし、曲調によっても違います。 ピアニストへの施術においては、指、手首、前腕は当然重要ですが、日常的なメンテナンスとしては体幹部位に着目することも大切であると思います。 また、演奏時の姿勢や椅子の高さなども人によって違います。フォームを細かくチェックする意味でも、たまには演奏会に足を運び、実際に演奏されている姿を見ることも必要だと思います。大瀧 康修(おおたき やすのぶ)プロフィールピアニストへの施術ピアニストへの施術大 瀧 康 修豪州公立マードック大学卒 Bachelor of Health Sciences in Chiropracticグラストンテクニック認定クリニシャンMotionカイロプラクティック院長臨床経験21年、延べ10万人を施術1993~2002年JCRA副会長の治療院の副院長を経て、2003年大阪・江坂にて「おおたきカイロプラクティック院」開業(2014年「Motionカイロプラクティック」に院名変更)ティック学科長ハンサク・ジョン教授およびジンオク・チョイ講師が、韓国チームドクターの一員に選出された。韓国KAC設立 2014年6月、韓国カイロプラクターズ協会(KAC)の設立が発表された。 同協会は、世界カイロプラクティック連合(WFC)、NBCE、カイロプラクティック教育審議会(CCE)などカイロプラクティック主要団体に設立の通知を行うとともに、WFC韓国代表に立候補した。現在、韓国カイロプラクティック協会(KCA)が同代表を務めている。 KACの入会要件は、CCEのアクレディテーションを取得したプログラムの卒業生であることなど。韓国ハンソ大学論文募集 韓国ハンソ大学は、第5回となるカイロプラクティック国際会議(ICоC)の開催と、論文の募集要項を発表した。 会議は、2014年11月14日(金)〜15日(土)、韓国ソサン市に所在する同大学国際会議場にて開催される。 会議は、招聘予定の海外講師による講義およびワークショップ、ディスカッションフォーラム、論文発表の3部構成。 それにあたり、下記の要領で論文を募集している。提出期限 2014年9月26日(金)テーマ カイロプラクティックに関するものであれば、テーマは問わないページ数 8〜15ページ・A4・ダブルスペース・英語 その他 審査通過者は、会議にて口頭発表を行う論文提出先および会議に関する問い合わせ先 ハンソ大学ジンオク・チョイ講師(hschiro@naver.com)(英語のみ)小倉DC・Ph.D論文NBCE賞 受賞 2014年3月、米国フロリダ州オーランドにて米国カイロプラクティック大学協会学術大会(ACC‐RAC)が開催され、小倉毅DC・Ph.Dの論文が、全米カイロプラクティック試験委員会(NBCE)賞を受賞した。 論文タイトルは、「頚部痛患者におけるカイロプラクティック施術後の脳及び頚部筋代謝変化に関する検討﹇18F﹈ FDG PET解析」2014アジア競技大会 2014年9月〜10月に韓国インチョンで開催される第17回アジア競技大会において、ハンソ大学カイロプラク 4月30日から5月5日までプエルトリコの首都サンフアンで開催された世界カイロプラクティック連合(WFC)役員会に、WFCアジア代表役員のテレンス・ヤップ先生の代理として出席しました。 プエルトリコはアメリカ合衆国自治領で、スペイン統治後、19世紀後半にアメリカ領になりました。そのためカイロプラクティックは法制化されています。役員会と並行して、WFC、プエルトリコカイロプラクティック協会(AQPR)、南米カイロプラクティック連合(FLAQ)共同開催によるセミナーが行われました。 役員会では、①世界保健機関(WHO)が世界中でカイロプラクティックを含めた伝統医学の役割を高めていくため、「WHO伝統医学計画2014年〜2023年」を発表した。②WHO職員を業界から育成するため、毎年、研修生をWHO本部へ送り出す。③世界保健総会(WHA)へWFC代表団がオブザーバーとして参加する。④台湾と韓国で医師法違反の罪でカイロプラクターが引き続き逮捕されている。⑤2015年アテネ、2017年開催地未定のWFC世界大会について話し合われ、2019年の世界大会は日本開催で決定。 日本からの報告としては、独立行政法人国民生活センターの要請による、安全性と広告に関する業界ガイドラインの発表と安全教育プログラムについて説明しました。 WFC政策宣言の「カイロプラクターによる非カイロプラクターへの関節アジャストメントのコース」について討論会が開かれました。不特定多数へのテクニックセミナーに関して、WFCは各国代表団体から苦情の申し出があれば個別に対応すると回答しました。 WFC新会長にはカナダのグレゴリー・スチュワート先生が選出されました。今回の役員会への出席はとても貴重な体験であり、今後の業界活動に役立てていきたいと思います。WFCプエルトリコ役員会報告JAC会長 竹谷内 啓 介WFC役員会メンバー

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です