カイロタイムズ098号
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(2)2014年8月1日発行 カイロタイムズ 98号業界動向業界動向業界動向WFC新事務局長・会長選出欧州カイロプラクター組合(ECU)事務局長を務める一方、世界各国に招聘され、講演活動を行っている。 また、2012年ロンドンオリンピックにおける英国チームドクター、英国プロフットボールチームでの治療など、臨床家として24年間の輝かしい経験を持つとともに、カイロプラクティックに関する訴訟などカイロプラクティックと法律両分野の資格を生かした活動を行っている。 英国在住の同氏は、任期開始までに、WFC本部のあるカナダ・トロントへ家族とともに移り住む予定。 世界カイロプラクティック連合(WFC)設立以来、事務局長の職にあるデイヴィッド・チャップマン‐スミス氏の引退に伴い、その後任が公募されていたが、過日、英国人リチャード・ブラウン氏の2015年1月からの新事務局長就任が発表された。 ブラウン氏は、アングロ・ヨーロピアン・カレッジ・オブ・カイロプラクティック(AECC)1990年卒業のカイロプラクターであると同時に、カーディフ大学からの法学修士号も有する。英国カイロプラクティック協会(BCA)会長職を経て、現在は、 なお、2016年6月までの1年間は、移行期として、チャップマン‐スミス氏もWFCに留まるという。 事務局長決定に先立ち、会長も改選され、カナダのグレゴリー・スチュワート氏が新会長に就任した。前任者は豪州デニス・リチャーズ氏。任期は2年間。 スチュワート氏は地元の大学で体育学の学士取得後、1986年、カナディアン・メモリアル・カイロプラクティック・カレッジ(CMCC)を卒業。以来、地元で臨床を行いながら、カナダカイロプラクティック協会会長職を含む政治的活動にも従事、直近では、WFC主席副会長を務めていた。 同時に他の役員も選出され、ノルウェイ、ペルーなどから役員が就任した。厚生労働省「統合医療」情報発信サイト開始国立相補(補完)・代替医療センター(NCCAM)掲載情報の翻訳が紹介されている。 URL http://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/index.html 厚生労働省は、相補(補完)・代替医療に関して、一般、医療関係者両者向けの情報を提供するウエブサイト公開を開始した。 カイロプラクティックについても言及されており、米国WHO「伝統医学計画」発表法制化、WHOガイドラインの発行などにより、2000年以降、北米などの限定された地域から全世界に拡大。国際的団体との連携により、広い地域において教育面、立法面で国際的水準を維持。・カイロプラクティック大学卒業生の増加と資金の投入により、リサーチが増加し、エビデンスが充実。・他の医療との連携や融合。 世界保健機関(WHO)は、「伝統医学計画2014-2023年」を発表した。「同2002-2005年」の更新版である本文書は、加盟国の伝統医学の強化を支援するために作成された。 カイロプラクティックについても付録Bにて言及されており、進展したことおよび今後の課題が挙げられている。進展したこと・教育プログラムの新設、今後の課題・未法制化国において、他の医療従事者がカイロプラクティックサービスを提供しようとしていること。・資金は概して教育とリサーチに限定されているが、政策投入の増加が望まれる。・北米以外の地域では、患者がカイロプラクティックサービスを受ける機会が限定されている。「ヘルシー・エイジングに役立つカイロプラクティック」竹谷内克彰著 株式会社医学と看護社発行 5184円(税込)新刊紹介 また、あの竹谷内か。そう思われても仕方がないかもしれない。祖父から3代にわたって7人の男がカイロプラクティックに深入りし、そのうち私を含めて3人が整形外科医という奇特な家系である。その中で、業界的には新顔に属する私に、連載執筆の白羽の矢が立った。 連載モノの執筆は人生初めてである。何事も人生経験、そう思って依頼を喜んで引き受けさせて頂いた。「書いてくれるかどうか」が先で「何を書くか」が後から決まった、という経緯は決して珍しい話ではないのだろう。さて何を書こうか。最初に浮かんだキーワードが「教育」だった。それに即決した。 「わが国のカイロプラクティック百年の計は教育にある」ことは明らかだ。これまでも有志によって、それぞれに大義を持って教育が行われてきたが、おかげでカイロプラクターの教育背景がずいぶんと多様化してしまった。これではいけない。そろそろカイロ教育のあり方を本気で考えてみる必要があるのではないだろうか。 実はそれは決して難しい課題ではないと私は思っている。なぜなら、カイロ教育のあり方に「かくあるべし」という制約を設けさえすれば教育の自由度は低くなり、自ずとカイロ教育の内容と形式は決まるからである。そこで私は2つの制約を提案したい。 1つは、わが国のカイロプラクティックのあるべき未来像を内包する現実的な「かくあるべし」であること。 もう1つは、説得力のある根拠によって約束事として皆で共有できる「かくあるべし」であること。ただしそこで重要なのが、説得の矛先をカイロプラクターに直接向けるのではなく、社会一般に向けることである。もちろん、社会一般には医学界あるいは医師も含まれている。納得するのがカイロプラクティックの身内の社会だけ、というような「かくあるべし」はもう終わりにしよう。 この2つの制約によって姿を現すカイロ教育のあり方とはどのようなものか、これから少しずつ著していきたい。カイロプラクティック 百年の計は教育にあり平成9年、東京医科歯科大学医学部医学科卒業、福島県立医科大学整形外科入局、医学博士。日本整形外科学会認定整形外科専門医、脊椎脊髄病医、日本統合医療学会認定医。薬を用いない「手当て」によるカイロプラクティック・ケアに興味を持ち、RMIT大学カイロプラクティック学科日本校に入学、平成21年卒業。現在、社会医療法人至仁会よしかわクリニックで整形外科常勤医、東京カレッジ・オブ・カイロプラクティック講師、付属新橋外来センター長を兼務。竹谷内 克彰(たけやち よしあき) プロフィール 人がそれぞれの職業に就くに至った話を聞くのはいつでも興味深いものだ。私自身は、大学の学費を工面するために色んなアルバイトをしていた若い頃、家の壁のペンキ塗りのバイト中、梯子から落ち、2階の高さから背中を地面に打ち付けた。それから1年程、腰痛治療のために医者に通っていたが、ある日、友人からカイロプラクティックを勧められた。 これがカイロプラクターを志すきっかけとなった。世界中で何百万人もの人がカイロプラクティック治療の効果を享受していることは疑問の余地がなかった。米国カイロプラクティック協会(ACA)と米国医師会は反目し合っているものの、個人単位では、互いを受け入れようとする雰囲気があるように感じる。カイロプラクターは米国内で代替医療プライマリヘルスケア専門職としての地位を確立すべく努力してきた。 ACAは次のような報道発表を行った。「ACAは議員支援者と協力し、その結果、カイロプラクティック支持の法律が制定されることとなった。(中略)これによりカイロプラクティックサービスを受けることのできる患者が増えるだろう」(ChiroACCESSより)残念ながら、世界のどこでもこれは実現していない。 アジア諸国でのカイロプラクティック法制化の状況はどうだろう。韓国ではカイロプラクティックは違法だが、治療活動をしているカイロプラクターは多数いる。そして、正式な免許なしで施術をしているところを万が一見つかれば投獄される可能性もある。私が韓国に暮らすようになって8年間、カイロプラクティックという職業に対する政府による合法的認知が進んでいる様子はないが、最近少し進展があった。 ハンソ大学はカイロプラクティック教育審議会(CCE)によりアクレディテーション認証されたカイロプラクティックプログラムを提供している。また、ごく最近、韓国カイロプラクターズ協会(KAC)が設立された。これにより新たな動きや議論が起こることを期待している。 私は、韓国に限らず、日本を始めとする近隣諸国においても、カイロプラクティック韓国カイロプラクティックの変化の始まりベンディックDCアメリカ人(ニューヨーク出身)ナショナルヘルスサイエンス大学卒業シカゴで10年間カイロプラクティック臨床韓国ハンソ大学カイロプラクティック学科講師前Family Pain Relief Centerディレクター前Fullerton Avenue商工会議所会頭『Medical Terminology Decoded』筆者アンソニー・ベンディックDC プロフィールにとってよい方向に法が変わるのを見たいと思っている。組織がロビー活動に重点的に取り組み、成功を強く望んで初めて、変化は訪れる。KACの設立はその変化の始まりかもしれない。

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