カイロタイムズ097号
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(8)2014年5月1日発行 カイロタイムズ 97号4月より消費税率がアップし、施術料を値上げされた院も多いのではないでしょうか。一時的に客足が落ちる院もあるかもしれません。弊紙では皆様がそれを乗り切るヒントを得られるような記事や情報を提供していきたいと思っております。今号より新たに3本の連載をスタートしました。また、人気連載であるカイロプラクター列伝・海外カイロプラクター列伝とも新シリーズ開始です。どうぞお楽しみください。編集後記カイロタイムズでは、皆様からの寄稿や情報提供を募集しております。カイロタイムズ送付のお申込み、ご住所の変更などは、ご住所・お名前・お電話番号明記の上、FAXもしくはメールにてお知らせください。〒160-0023東京都新宿区西新宿3-1-5新宿嘉泉ビル8FTEL0120-223-505 FAX0120-223-509E-mail:info@chiro-times.co.jp日本医科学出販株式会社 カイロタイムズ編集部 多発性硬化症は日本では特定疾患に認定されています。あまり聞かない病名だと思いますが、ここアメリカでは約35万人の患者がおり、なぜか緯度の高い地域で多発し、日本でも九州より北海道の方が罹患率が高いようです。今の医学では完治しないと言われている自己免疫疾患で、脳、脊髄、視神経などに病変が起こり、多様な神経症状が再発と寛解を繰り返します。MD達の現在の治療法は免疫サプレッサやステロイド、疼痛緩Pasadena Chiropractic CenterK. NAKAJIMA D.C.和のための化学療法等です。しかしこれらは多大な副作用を引き起こします。 アメリカではDC達はカイロプラクティックテクニックだけでなく、神経学、栄養学の知識、そしてX線、MRI、CT、血液検査、尿検査等の分析と診断も許されているため、病気の原因を限定する助けとなっています。サブラクゼーション治療を基本とした脊椎や神経学的検査によって症状の進行や後退を調べることもできるので、個々の治療プランを明確にすることもできます。ある文献によると、上部頚椎アジャストメントを受けた多発性硬化症患者の91%に症状改善が見られ、そればかりか治療期間中は症状悪化が見られなかったとのことです。 栄養学的な方面から神経の健康と神経障害に繋がりのある食物、ビタミン摂取の助言をし、水銀やヒ素など毒物や重金属の影響を患者が受けていないかなどの評価もします。 患者にとって多発性硬化症と診断されることはこの上ないストレスです。包括的なカイロプラクティック治療や検査で病気の原因を調べ、進行を遅らせたり、症状が改善されたりすることは患者達にとっては夢のような出来事です。しかも化学薬品を使わないため、副作用はありません。 不治の病を持つ患者の生活レベル向上を助けることもできるカイロプラクティックの無限の力や計り知れない未来を私は信じています。私達はこの無限のカイロプラクティックの入り口に立ったに過ぎません。不治の病に対するカイロプラクティックアジャストは施術の一部でしかない 今回は、韓国ソウルでも外国人で賑わう地域、イテウォンにあるクリニックを訪問した。院長であるWilliam Choi(フワンタク・チェ)DCは、ハンソ大学の講師でもある。 ワンフロアのクリニックは、全面が鏡とガラス張りになっており、開放感がある。 待合スペースに置かれたTVからは患者達の推薦コメントの映像が流され、デジタルフォトフレームでは患者とチェDCの写真が再生されている。患者は外国人が目立つ。ハリウッド俳優も含まれている。また、韓国人も、大ヒットドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」に出演していた女優、モデル、歌手、日本で活躍する女子プロゴルファーなど有名人ばかりである。 どうやってこんなに多くのセレブリティを集めることができたのか聞くと、広告宣伝は特にしていないが、口コミで来てくれるのだとチェDCは答えた。その代わり、患者のコメントをインターネットの動画サイトで公開したり、ブログを書いたりしている。 チェDCは、2003年、米国ローガン・カレッジ・オブ・カイロプラクティックを「最優秀インターン賞」を授与され卒業した。同校開校以来、この栄誉を受けた初の韓国人だという。 ガンステッド、CBP、アクティベーター、AK、SOT、CCSP…、コンサルティングルームの壁一面に修了証や資格証書が飾られている。日本でもお馴染のものから、あまり聞き慣れないものまである。これまであらゆるテクニックやセオリーのセミナーを受講し、学習したという。 その経験から導いた結論は、カイロプラクターは患者にとって最適な施術を提供するために、幅広く勉強し、広く深い知識を持たなければならないということ。 アジャストメントが全てではなく、それはむしろ施術の一部でしかないのだとチェDCは語った。アジャストは施術の一部でしかないIdeal Wellness Chiropractic Center(韓国)チェDCとコンサルティングルーム 「その昔、人はシカよりも遠く走ることで獲物を素手で捕まえた」(『走るために生まれた』クリストファー・マクドゥーガル) そのカギは、腱筋膜複合体の「弾性伸長-弾性反跳サイクル」です。それは、腱・筋膜を構成する弾力性のないタイプⅠコラーゲン線維の集合束である三重螺構造(トゥイズラー効果)と、その束の縮れとそれら線維が織りなす格子状の構造による伸縮に秘められた爆発的パワーとエネルギー効率です。 グラストンテクニックを行う上でも、腱筋膜複合体の力学的特性を知ることは重要であり、まず線維間にグライドという相互可動性がなければなりません。グラストンテクニックは、そのグライドを回復するインストルメントを使ったテクニックです。 図左の健全なものに比べ、図右の不健全な状態のものは線維束の縮れが無く、全体の構造も無秩序で弾性伸縮を失った状態です。  腱筋膜複合体の伸縮機能を反復稼働することが筋腱複合体を鍛えるということになりますが、そのパワーとエネルギー効率はスポーツ界に革新をもたらすものがあり、超一流アスリートはこの機能を最大限に実践しています。 シンスプリント等グラストンテクニックで比較的容易に回復する障害も、間違ったランニングフォームによる再発は防ぐことができません。フォームの修正を提案しても指導できる人がいないため、繰り返すランニング障害に苦しむ多くのランナーに、仕方なく「エヴォルーションランニング」ビデオとその翻訳スクリプトによる受け売り指導でしのいできました。しかし、ようやく日本でも本物の指導が受けられそうです。 腱筋膜複合体の弾性反撥特性を活用したランニングテクニックの有効性は、バージニア州のランニングテクニックコーチ、ケン・マーキー氏が、全米チャンピオン27名輩出という快挙で実証しています。驚異の「腱筋膜複合体の実力…」(左)健全な筋膜構成:ひだのある線維が明瞭な二方向性の格子状に構成されている(右)ひだが失われた線維が無秩序に構成されている引用:Training principles for fascial connective tissues: R. Schleip, DG. Muller

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