カイロタイムズ097号
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(7)2014年5月1日発行 カイロタイムズ 97号 前回の「クーポンサイトの利用について」は既に利用していて結果が芳しくなかった先生が多かったようで、とても大きな反響を頂いた。今回は2014年をどのように対策していくのか、ということをお伝えしたいと思う。 さて、私はこの経営コラムでインターネットに関することを多く寄稿しているが、もちろんそればかりが必要と思っているわけではない。治療院の中のシステムや導線、スタッフの教育やオペレーションの整備もとても重要だ。またDMやチラシも欠かせない。そんな中でオンラインのことを多く述べるのは、「治療院の先生たちが苦手としている」からだ。もちろんそのリテラシーが低ければ、競合に勝てないばかりか、悪徳業者のカモにされるのは既述の通りだ。私は治療院業界にもIT革命を起こしたいと思っており、それが2014年対策に大きく関係している。 「6277万人」というのは何の数字だと思うだろうか?日本人口の約半分だ。「腰痛の人数?」「肩こりの人数?」「マッサージを希望する人数?」いえいえ、答えは「スマートフォンユーザー数」の2014年予測数である。手元にパソコンを持ち歩いているかのようなスマホの普及により、国民の消費活動が大きく変わってくる。 治療院業界では、これまで新患は、電話帳やチラシ、または自宅でパソコンを開いて近所の治療院を調べて来院していたが、この方法は衰退していき、「スマホで調べてそのまま電話して予約する」という方法が主流になるだろう。こうなってしまっては今までと同じ広告宣伝では対応できない。つまり2014年はスマホ対策が最優先課題になってくる。 具体的にはまずPCのホームページをスマホに対応させよう。またはスマホ専用サイトを用意してもいいだろう。リダイレクトで転送すればいい。もしくはレスポンシブデザインという形式で構築する。もちろん内容も読む人の気持ちになって作られてなければ意味が無いが、まずはスマホに対応しているかどうかが大きな分かれ道になる。現時点でホームページからの集客がある程度あるのであれば、何よりも優先してすべき対策だ。 一方、今後はこういったアプローチをしてくる悪徳業者も増えてくるから注意が必要かもしれない。治療院業界のIT革命 昨年12月に発表した「カイロプラクティックの基礎教育と安全性に関するJCCOガイドライン(ジャパンスタンダード)」の推進活動として、独立行政法人国民生活センターと厚生労働省を訪問した。 国民生活センター商品テスト部を訪問し、ガイドラインを提出。「手技による医業類似行為の危害調査報告」に関する業界対応について協議した。要点は以下の通り。1 あたかもJACが業界の代表窓口のように扱われているが、国民生活センターは、WHOガイドライン基準を謳っている中で「法人格」を有している団体を単純に選択しただけである。2 本来、業界窓口は業界代表組織が担うべきで、通常、業界代表組織は複数団体による連合組織であることが一般的。国民生活センターは調査の結果、カイロプラクティック業界には代表組織が存在していないと判断。3 国民生活センターは、日本カイロプラクティック団体協議会(JCCO)の設立を歓迎し、危害減少の達成に期待する。JCCOの活動報告を継続的に行う。4 国民生活センターは、引続き、カイロプラクティックによる危害発生の状況を観察し、必要に応じてJCCOを業界窓口に指定する。 また、JACによる新たな安全教育が、業界の安全対策として国民生活センターのホームページに掲載されたことにより、これが国民生活センターにより推奨されているかのような誤った印象を消費者に与えている問題を提起した。あくまでこの計画案は、JACが営む無認可教育施設の「営利事業」に過ぎないことを指摘。 厚生労働省の大臣室を訪問。大臣にガイドラインを手渡し、業界の状況を正しく報告した。大臣からは、JCCOの設立によって業界統一へ、あと一歩まで迫った関係者の努力に対して評価を頂き、引続き業界統一を目指すよう激励を受けた。 また、今後の業界整備と臨床安全対策について、厚生労働省の担当窓口を指定して頂いたので、随時指導を仰ぎながら活動を進める。また、教育制度の整備については文部科学省の管轄ではあるが、今般頂いた指導に従い、業界としての整備を進める。『JCCOガイドライン』の報告カイロプラクティック業界自主規制の推進!教育制度と臨床安全が鍵!が行う戦略です。大規模経営によりコスト削減のメリットを享受する方法です。 二つ目は、差別化戦略です。これは、自分の治療院のサービスやブランド面で、差別化を行うことにより、マーケット全体において競争優位を確立します。「このサービスを受けるなら、この治療院で受けたい」と思われる戦略を広範囲で行います。業界チャレンジャーの戦略のひとつです。 三つ目は、集中化戦略。マー 治療院といえども、生き残りのための戦略が必要です。今回は、代表的な競争戦略について考えてみます。 米国のマイケルポーター教授は、以下の3つの競争戦略があると言っています。 一つ目は、コストリーダーシップ戦略です。これは、他社よりも低コストの料金で仕入れて販売することですが、治療院マーケット全体の中でもリーダー的な治療院、もしくは、それに追随する治療院ケット全体を対象とするのではなく、マーケットを地域限定にし、特殊なサービスに絞るなどにより、そこに経営資源を集中させ、競争優位を確立します。その限定地域内で、コストのみを集中的に削減する戦略もあります。ニッチ戦略の重要な方法です。 図で表すと以下のようになります。 多くの治療院には、集中差別化戦略がお勧めです。たとえば、口コミで地域限定の特殊なサービスの評判が伝わる戦略を実行、駅周辺やオフィス街の治療院ではネットで集客する戦略、住宅街などはポスティング戦略、また、健康食品店との協業する戦略などがあります。皆様の周りのスーパーがなぜ継続しているのか考えてみてください。きっとヒントがあるはずです。 治療院周辺の状況を考え、極地戦略を検討してみましょう。治療院経営の勘所vol.4株式会社福田総合研究所 福 田   徹治療院も「競争戦略」を 考えてみませんか? あまり知られることのない、会員の教育や研究活動をご紹介いたします。JACには、全国を5分割した地域ブロックがあり、地域ごとにセミナーや啓蒙活動など、独自の活動をしています。 東日本大震災を機に結成したボランティアグループは、福島の仮設住宅で今なお活動を続けています。 また、昨年より、日本初の米国在住DCによるウェビナー(Webセミナー)を開催し、好評を博しています。会員に海外の最新テクニックを旬の内に届けられるよう、これから順次バリエーションを増やしていく予定です。 さらに、来期より、業務の安全と健全性や研究をテーマに、年1回の無料ウェビナーがはじまります。これは、同時期に開始する認定オフィス単位更新制度の必須単位であり、業務と治療の質向上に役立てたいと考えています。研究は、パーマー大学やRMIT大学で修士・博士課程を修めた会員を中心に、今期はWFCの協力でカイロの有効性と安全性に関する文献を集め、分析しています。 JACは、患者さんにはもちろんのこと、社会に対しても胸を張ってカイロの素晴らしさをアピールする、しっかりとしたバックボーンを整えるよう活動しています。1993年 ウイケアカイロプラクティック院長2007年 RMIT大学カイロプラクティック学科日本校卒業(優等)2008年 JAC常務委員2009年 JAC教育委員長2013年 JAC理事長・教育および研究委員長吉川 祐介(よしかわ ゆうすけ) プロフィールJAC教育・研究委員長 吉 川 祐 介教育・研究分野の      活動報告吉川祐介氏

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