カイロタイムズ097号
5/8

(5)2014年5月1日発行 カイロタイムズ 97号タイヤがパンクしてしまい、雪で通る車も無く、長時間震えながら助けを待って、やっとこさ着いたのが今日の昼だった…と。 気の毒そうに話を聞いていた教授は、明くる日の同じ時間に再試験を実施する旨を二人に告げた。人間味あふれる処置に深く頭を下げて、二人は家に帰り試験勉強に励んだ。 翌日、B教授は試験を持って現れた。二人に別々の部屋で試験を受けるように指示し、試験を手渡した。1ページ目は易しい化学式の問題で、二人は「もらった」とばかりにほくそ笑んだ。だが、2ページ目を開いて二人の顔が引きつった。 そこには、こう書かれてあった。配点85点 「パンクしたのは、どのタイヤでしたか?」 今回は、結構、現地大学生の生活を表しているので、このアメリカンジョークを紹介しよう。 シカゴにあるC大学のジョンとマイクは医学部志望の学生。二人は、B教授の化学を履修していた。B教授はC大学にB教授ありといわれるほど著名で、彼に化学を教わってその道に進んだという学生も数多くいるほどの人気教授である。 アメリカの医科大学は、大学院のレベルに位置し、一般大学を卒業してから進学するが、クラスで上位10%にいなければならない。二人は、翌年に受けるMCATという医学部進学共通一次試験で失敗さえしなければ、志望するオステオパシー医科大へ行けそうな手ごたえを持っていた。医学部受験には必須科目の科学(無機化学、有機化学、物理、生物)はAを取得したいところだった。 期末試験を控えたその頃、二人はパーティーに誘われた。パーティーは土曜日にニュージャージー州であり、化学の試験は月曜日である。しかし、車を飛ばせば丸一日で着く距離だ。二人はパーティー終了後直ぐに出発すれば、月曜日の試験に間に合うだろうという甘い目論見を立てた。 さて、土曜日、二人は時間を忘れて楽しんだ。疲れて寝込んで目を覚ましたのは日曜日の昼過ぎ。慌てて飛び起き、車を飛ばし、シカゴへ急いで帰った。それでも大学へ着いたのは月曜日の昼。もうとっくに化学の試験は終わっていた。 B教授に試験を受けられなかった弁解をした。土曜日にニュージャージー州まで行って、土曜日中には現地を発ったが、途中山中で雪が降ってきた。そこへ運の悪いことに言い訳〜アメリカン・ジョーク 日本カイロプラクティックカレッジ在学中よりダイナミックなアジャストに魅了され、スラストの練習に夢中になっていました。ところが臨床を経験していくうちに、後方変位のサブラクセーションを起こした固い関節をアジャストするだけでは解決できない、関節の離解による不安定さにとまどうようになりました。特に骨盤の仙腸関節の緩いクライアントが多いのに気づかされました。 「骨盤輪不安定症」は何らかの原因で骨盤輪が緩み、様々な症状が出る状態で、外傷の他、出産前後の女性によく見られるといわれますが、多くの方は長時間のデスクワークおよび電車や自動車での通勤による歩行時間の少なさに由来しているものと思われます。いわゆるぎっくり腰の多くも原因は同じであると感じています。 しかし、坐骨結節コンタクトのASのアジャストも関節を余計緩めてしまう気がしますし、仙腸関節に直接影響を与える筋肉がないために起始停止のゴーディングも即効性のある治療ではありませんでした。 そんな時、前述の学校の講師に教えてもらったのが「構造医学」でした。構造医学は吉田勧持先生の提唱する学問で、エンタープライズ社から三冊の本が出版されており、セミナーもあります。しかし文系頭の私には難しく、結局、その講師のレクチャーを何度も受けて習得することができました。 原理は仙腸関節面に面圧をかけるだけですので、カイロプラクターには比較的簡単に活用できると思います。構造医学では仙腸関節の非荷重性離解のことをASといいます。カイロプラクティックのASとはちょっと意味合いが違います。診断方法は、①被検者を前屈させ、下腿後面の張りが強い方がAS②被検者仰臥位で母趾を背屈させ、反応が鈍い方がAS③膝上げ検査でPSISがうまく下がらない方がAS④スタティックパルペーションで柔らかい方がAS。 個人的にはとても効果的と思っています。よかったらお試しください。綿引正信(わたひきまさのぶ) プロフィール「骨盤輪不安定症」「骨盤輪不安定症」綿 引 正 信日本カイロプラクティックカレッジ卒業豪州公立マードック大学卒 Bachelor of Health Sciences in ChiropracticCertied Graston Technique Provider(グラストン認定クリニシャン取得)日本カイロプラクティックセンター目黒 院長 パソコンやスマホなど電子機器の影響もあり、慢性的な頭痛で悩む患者さんは多く、今や頭痛は、隠れた流行病であると言えると思います。しかし、原因を特定することが難しい疾患の一つでもあります。今回は頭痛に対するアプローチについてまとめました。 頭痛の治療においてカイロプラクターは頭痛原因の分析を重視し、以下のプロトコル食生活要因を探す。6 無呼吸症候群がないか評価判定する。7 呼吸の評価判定する。*適応症以外は、すみやかに専門医に紹介する。 これらを通して原因を探し、頚椎のコンポーネント・側頭顎関節などの治療や、背骨・骨盤のアライメント、筋肉や関節などの問題を改善し頭痛を軽減することが可能です。 カイロプラクティック治療は一次性頭痛(特に緊張性頭痛や頚性頭痛)に有効と言われていますが、最近、臨床を通して、原因が複合的な場合が多いことが分かってきました。例えば、ストレートネック状態や上部交差症候群は、頚椎コンポーネント異常や筋緊張を作り、頭痛を発生させます。そしてその筋緊張は、精神的なストレスや自己免疫機能の低下が原因である可能性もあります。その他、日常習慣で作られた「その人独特の悪い姿勢と身体の使い方」も大きく影響します。 最近、呼吸が浅く、胸郭を正しく使えず、肺に吸い込むことができない患者に多く遭遇しますが、無呼吸症候群も浅呼吸も、ストレートネック状態や上部交差症候群になっている場合が多いのです。 また、いつ、どこで、どんな風に痛むのか「頭痛日記」を付けてもらい、患者さん自身に理解してもらうことも解決に繋がるはずです。を実施します。1 病歴と検査結果に危険信号がないかチェックする。器質的頭痛を排除する。2 頚椎を評価し、頭痛を起こす頚椎コンポーネントがあるか判定する。3 側頭下顎関節(TMJ)を評価し、頭痛を起こす要因があるか判定する。4 頭部外傷か血管原因の場合は排除する。5 頭痛原因の可能性のある上部交差頭痛へのカイロプラクティック的アプローチ 2013年11月17日(日)、東京の全電通労働会館でNPO法人日本ホリスティック医学協会主催の「ホリスティック医学シンポジウム2013」が開催された。テーマは「いのちに向き合う ライフ・レッスン 病いが教えてくれた自分らしい生き方」。 帯津良一会長は「生命力を高める医療」と題して講演した。「生命と自然治癒力を合わせたものが生命力。代替医療は命に働きかけるものであり、その命が科学的に証明されていない現状では、エビデンスを求められてもそれは無理な話なんです。ホリスティックは医療と養生にはじまり、生と死の統合で終わる。ホリスティック医学を目指して32年になりますけど、医師と患者は治す人と治される人という関係ではなく、戦友のような関係になっていくということを実感しています」と語った。 女優でありヒプノセラピストでもある宮崎ますみ氏は、みずからの乳がんの闘病体験を通して内なる声を聞くことの重要性を「乳がんが教えてくれたこと」と題して講演した。「病気になる臓器は決して弱いからそうなったわけじゃありません。大事なことを私たちに教えるためにガンになってくれた勇気のある臓器なんです。その教えてくれたこととは、本当の自分を見つけて、本当の自分を生きることなんです」と宮崎氏は言った。 「自分らしく輝いて生きる」と題して登壇した元アナウンサーの曽我千春氏は「病の体験はこれだ! と信じられる大切なことに気づくチャンスでもあるのです」と述べた。33歳で乳がんの宣告を受け、その後、がん患者生活支援サービスを提供する「VOL-NEXT」を設立した曽我氏の言葉には味わいと重みがあった。 最後に講演者3名がパネラーとなって行われたパネルディスカッション「いのちに向き合うライフ・レッスン」で貴重な意見が交わされた。病いが教えてくれた     自分らしい生き方ホリスティック医学シンポジウム2013宮崎ますみ氏

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です