カイロタイムズ097号
2/8

(2)2014年5月1日発行 カイロタイムズ 97号 早いもので、私が米国アイオワ州のパーマー・カイロプラクティック大学を卒業してからほぼ20年の歳月が過ぎました。 まずは、私がなぜカイロプラクティックを志したのかという経緯から紹介させて頂きます。私は今から30年前に明治鍼灸短期大学(現・明治国際医療大学)を卒業して、東京の整骨院で勤務していました。当時は私の周りでは、修行して一人前になるのが当たり前という風潮がありました。私もその風潮に乗って、所属していた短大柔道部の先輩の勧めで、東京都内にある整骨院に住み込み、修行しながら柔道整復師の専門学校での勉強を続けました。 住み込んでしばらく経つと、院長が斯界では一流の先生であることが分かってきました。院長は「ほねつぎ」とよばれていた時代から開業され、私が住み込みをしていた頃には、多い時には一日200人以上の患者さんが来院する評判のいい整骨院でした。院長は治療院経営の傍ら専門学校でも教鞭をとり、多くの柔道整復師が集まる研究会の会長でもありました。私は同期の書生や先輩方と共に整骨院での勤務に加えて、研究会や専門学校での教材作りのお手伝いもさせて頂きました。 当時の整骨院は、本来の業務である外傷による骨折、脱臼、捻挫の患者さんが比較的多く通院され、通院できない外傷の患者さんには往診もしていました。特に日曜や祝日、あるいは時間外に急患で来院された急性外傷の患者さん達の症例は強く印象に残っています。アメフトの選手が試合中に手関節を脱臼し、ユニフォームのまま来院されたこともありました。そのほかにも、上腕骨骨折や肘内障の子供がよく診療時間外に来院されていました。 院長や先輩が鮮やかに治療するのを目のあたりにして、私はその整復術や芸術的な包帯法に魅了されていました。そして、その手技療法を究めてみたいと願うようになりました。ここでの修業時代は私の治療家としての原点となりました。一流の感覚や一流の追究の大切さを肌で学び、私の手技療法探求への第一歩が始まりました。振り返ると厳しい修業時代ではありましたが、治療の技術技能のみなら保井 志之 D.C.保井志之D.C.手技療法探求への第一歩(1)1962年福岡県生まれ。明治鍼灸短期大学(現・明治国際医療大学)卒業。大東医学技術専門学校卒業。米国アイオワ州のパーマ・カイロプラクティック大学卒業。2001年よりAMI社公認アクティベータ・メソッドセミナー開催。AMI社公認日本地区ディレクター。2005年より心身条件反射療法(ニューロパターンセラピー)研究会開催。2009年ICC国際コーチ連盟認定コーチ養成トレーナーとなりICC認定コーチ養成講座開催。著書に『体の不調は脳がつくり、脳が治す』がある。保井 志之(やすい ゆきのぶ)プロフィール業界動向業界動向業界動向パーカーセミナーラスベガス開催開催されるセミナーは、年数回、米国内外で開催されるパーカーセミナーのうち、最大規模を誇り、今回もカイロプラクター、学生、アシスタントなど計2千名余りが参加した。(1面に関連記事) 2014年1月9日(木)〜11日(土)、米国ネバダ州ラスベガスにて、パーカーセミナーが開催された。 パーカーセミナーは世界最大規模のカイロプラクティックの祭典である。 毎年1月にラスベガスにてJCR-IBCE統一試験実施 本年より「外国のCCE認可もしくは同等のカイロ大学卒業生で卒後3年未満の者(2011年2月以降の卒業生)」も新たに受験対象者として追加された。 2014年2月2日(日)、日本カイロプラクティック登録機構(JCR)による第4回JCR‐IBCE(国際カイロプラクティック)統一試験が実施された。受験者は17名。JAC安全教育プログラム開始録に必要なJCR‐IBCE試験の受験資格を得る。 履修期間は3年間。募集は年2回。問い合わせ先は東京カレッジ・オブ・カイロプラクティック(TCC)(1面に関連記事) 日本国内でカイロプラクティックを標榜している施術者の中で、WHO基準を満たしていない施術者を対象として提供する「安全教育プログラム」の第1期募集が締め切られた。 講座修了者は、JCRの登ICCSP第1回セミナー開催師として来日した。参加者は69名。 今回は全7回セミナーの第1回目で、コースの申し込みは既に終了している。 2014年2月9日(日)〜11日(祝)、東京にて、日本スポーツカイロプラクティック連盟(J‐FOCS)主催、国際スポーツカイロプラクティックプロフェッショナル認定(ICCSP)コースセミナーが開催された。 国際スポーツカイロプラクティック連盟(FⅠCS)より、ブライアン・ヌックDCおよびティム・レイDCが講ず人間形成にとっても大切なことを学ばせて頂きました。(次号に続く) 今回より「小児カイロ講座」と題する連載を開始することになりました。皆様に理解を深めて頂けるよう、さまざまな角度から小児カイロについてお話していきたいと思っています。 第1回目は、カイロプラクターの皆様にこそお伝えしたい、「小児カイロの3つの役割」についてご紹介します。 一つ目は、生まれてすぐの赤ちゃんにも、小さな子どもたちにも、ベストなタイミングで、サブラクセーションに対するアジャストメントを届け、子どもたちみんなが持っている「無限の可能性」を引き出すためのお手伝いをする役割です。 小児カイロプラクターの仕事はとてもシンプルです。サブラクセーションの有無を判断し、必要であればできるだけ早くアジャストメントを届け、子どもたちが持っている「ちから」をいかんなく発揮できるよう、ほんのちょっと手を添えるだけです。 二つ目は、体にも心にも負担となり得る、さまざまな「介入」を遠ざけるための役割です。 今の世の中、医療でも教育でも、子どもたちが窮屈になり可能性の芽が摘まれてしまい、伸び伸びと育ちにくい、そう感じることも少なくありません。大切な芽を摘んでしまうかも知れない介入を排除できれば子どもたちの能力を最大限に伸ばすことができます。 また、一つ目の役割によって子どもたちの可能性を引き出すことに成功すると、結果的に介入が遠ざかるケースもたくさんあります。 三つ目は、ありのままのサブラクセーションを目の当たりにし、それがどのようなものなのかを知り、アジャストメントの本当の威力を経験することを通じて、カイロプラクター自身に、カイロプラクティックの醍醐味を味わうチャンスをもたらす役割です。 赤ちゃんや子どもたちの体にも、妊娠中やお産の時、またはその後の生活が影響して、とても小さな形ではありますが、純粋なサブラクセーションが見つかることがあります。 子どもたちの変化の早さによってアジャストメントの威力を実感されたカイロプラクターも多いと思います。カイロプラクティックの存在意義を知り、醍醐味を味わうきっかけとしての役割、これも小児カイロの一面であることを強調しておきたいと思います。小児カイロの3つの役割2003年 米国パーマー・カレッジ・オブ・カイロプラクティック卒業    同年、米国カイロプラクティック国家資格(NBCE)取得2004年 米国テキサス州ラレド、ギブソンカイロプラクティックにて臨床2007年 小児カイロプラクティック認定CACCPをICPAより取得(日本人初)    同年、「財団法人ひょうご子どもと家庭福祉財団」「子ども発達支援センターこうべ」にて、特別な支援を必要とする子どもたちへのカイロプラクティックケアを開始2013年 小児と周産期のカイロプラクティックを専門とする「カイロキッズこうべ」(神戸市)を開院小畑 良明(おばた よしあき)DC プロフィール「繁盛治療院のしくみ」 花谷博幸著 アニモ出版新刊紹介

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です