カイロタイムズ096号
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(1)2014年2月1日発行 カイロタイムズ 96号 現WFC会長デニス・リチャーズ氏および米国ライフ大学ジョン・ダウンズ氏を講師に招いた今回のシンポジウムのテーマは「国際化時代のカイロプラクターに向けて」。6月のJAC総会において会長に就任した竹谷内啓介氏はNO. 96 号発行日/2014年 2 月 1 日発 行/日本医科学出販㈱〒160-0023東京都新宿区西新宿3-1-5新宿嘉泉ビル8F TEL.0120-223-505 FAX.0120-223-5092月・5月・8月・11月各月1日発行年会費5,250円(購読料、送料、税込)海外に幅広いネットワークを持ち、そのカラーを鮮明に打ち出した形となった。 副会長岡氏によると、シンポジウムのテーマはその時の会の方向性を色濃く反映するものとなっており、今回は、法制化を見据え、さらに高い基準を目指すという意図も含むという。 リチャーズ氏の講演テーマは「哲学 誰が必要か」。パーカーセミナーといったモチベーションを上げるためのセミナーと、カイロプラクティック大学の「哲学」講義の中間を目指したという氏の講義は、豊富な知識に裏打ちされたユーモアに溢れ、通訳を介して「哲学」を学ぶ難しさを和らげた。(3面に関連記事) もう1名の講師は、スポーツカイロプラクティック分野■JACシンポジウム■カイロプラクティック国際会議■WFC会長インタビュー■各国海外便■カイロプラクティック経営セミナー■ドクターオブオステオパシックメディスン・・・・・・・・ P1・・P1,2・・・ P3・・・・・・・・・・・・・・ P6・・ P7・・ P8 2013年11月2日(土)〜4日(月祝)、東京にてJACシンポジウムが開催された。会員への卒後教育および会員同士の交流の場の提供を目的として隔年開催されているもので、今回で第13回目となる。参加者は学生会員を含め80名だった。 2013年6月の総会においてJACは役員を一新し、世代交代を印象づけた。一同に会した新役員に今後の方向性や、安全教育プログラムについて聞いた。 2020年までの法制化を目標に据えた。それに向け、2019年のWFC世界大会開催地への立候補を行った。実現すれば1997年東京大会以来となり、そこに参加するカイロプラクターを輩出すべく、3年間の新プログラムの開始も2014年と定めた。 新プログラムの修了者は、JCRの統一試験受験資格を取得し、試験合格により、WHO基準を満たしたカイロプラクターとしてJCRに登録されるという。 高い目標に基づくこれらの計画と行動は魅力的だが、新プログラムについての疑問を2点指摘したい。 まず1点目は、新プログラムは、WHO基準を完全に満たしているようには見えないことである。それをWHO基準の教育と呼び、かつ、修了者のうち、JCR試験合格者を安易に、WHO基準のカイロプラクターと呼んでよいのだろうか。WHO基準を満たしていないとする理由を以下に述べる。 まず、新プログラムの学習時間は、WHO基準より絶対的に少ない。WHOガイドラインのカテゴリーⅡ(B)「限定的カイロプラクティック教育」は、全日制もしくはパートタイムで2500時間以上(うち1000時間以上の臨床実習)の教育が必要とされている。 一方、新プログラムは、計約1800時間(うち臨床実習1500時間)。つまり、基礎医学などの学習時間は約300時間である。 次に、受講資格の曖昧さがある。ガイドラインでは、カテゴリーⅡ(B)の受講資格は、「適正なローカルプログラム(国際基準に満たないカイロプラクティック教育)の修了および、2〜3年間の臨床経験」とされているが、新プログラムの受講資格は、カイロプラクティック学習経験は必要としているものの、学習年数等詳細を規定していない。ローカル教育の質と量が教育機関により千差万別であることは周知の事実である。 ガイドラインには、カテゴリーⅡ(B)の教育について、「学士レベル」であるべきであり、「アクレディテーションを取得したカイロプラクティックプログラムとの提携を考慮すべきである」と記載されている。後者はTCCと提携しているため問題ないだろう。しかし、前者については、学習経験が不足しても受講を許可され、コース自体も約300時間の学習であるとすれば、果たして、「学士レベル」と言えるのだろうか。 JACにこの件を問い合わせたところ、カテゴリーⅡ(B)に準じた内容であり、WHO基準を満たす教育プログラムであるとの回答であった。また、WFC会長リチャーズ氏からも、プログラム内容については日本国内の状況に合わせてJACが決定すべきであり、WFCは介入すべきではないとのコメントを得ているとのことである。 2点目は、JCR試験の受験資格拡大の是非である。JCR試験受験資格はこれまで、TCCなど全日制正規カ 2013年11月14日(木)〜15日(金)、韓国ハンソ大学にて、カイロプラクティック国際会議(ICoC)が開催された。 第4回となる今回のテーマは「アジアのカイロプラクティックの現状」。日韓より約60名が参加した。 開会の挨拶の後、井内隆詞MSが、日本におけるカイロプラクティックの現状」と題して、日本の状況を紹介した。 続いて、ハンソ大学カイロプラクティック学科講師ジンオク・チョイDCが、論文「聴力におけるカイロプラクティックマニピュレーションとモビリゼーションの効果」を発表した。 その後、日韓学生の論文発ハンソ大学ICoC2013参加者カイロプラクティック国際会議(ICoC)開催JACシンポジウムJACシンポジウムWFC現会長らを講師に迎え、開催ていると岡氏は述べた。 そのような状況となるのを避けるためには、業界が高い安全基準を持ち、それを満たす施術者が一定数いることを行政に示すことが必要である。そこで、日本カイロプラクティック登録機構(JCR)による国際カイロプラクティック試験委員会(IBCE)試験合格者、つまりJCR登録カイロプラクターを増やすことが急務だと考えているという。 しかし、受験資格が一部のWHO基準の教育機関卒業生に限定されている現状では受験者の増大は見込めない。現在も平均受験者数は約25名と伸び悩んでいる。 そこで、受験資格を満たすカイロプラクターを育成するための「安全教育プログラム」を提供する。東京カレッジ・オブ・カイロプラクティック(TCC)にプログラム開発を委託、現在、準備を進めている。 受講資格は、過去にカイロプラクティックを学んだ経験があり、2年以上のカイロプラクティック臨床経験を有する人。 修業期間は3年間6学期。学習形態は、対面授業(スクーリング)と自宅学習(インターネットなど)の併用。3年間で、スクーリングは約90時間(1学期あたり約15時間)、自宅学習は約210時間(1学期あたり約35時間)で、計約300時間を予定している。 内容は基礎医学、診断のための検査などに重点を置いたものとなる。 また、その他、臨床実習(ケーススタディーやケースレポート提出など)が約1500時間、入学時の審査において、過去のカイロプラクティック教育が本プログラム受講に十分でないと判断された受講生には、カイロプラクティック専門教育の補講が用意される予定。 一方、これまでの政治家や関係省庁との接触から、何より業界の統一が急務であると実感。「大同団結」をキーワードに、乱立する業界団体と対話を行い、業界統一を目指すという。JACシンポジウムの様子イロプラクティック教育修了者、およびJACが承認した一部CSCプログラム修了者に限定されていた。それを新プログラム修了者に拡大することに対しては、WHO基準の教育を受けた個人や団体を中心に反発が予想される。長年、WHO基準の教育の推進を掲げてきたJACの変節に対する批判もあるかもしれない。 業界代表団体として、業界の現状や将来、新プログラムの意義などを業界全体に説明し、理解を求める必要があるように思われる。同会が同時に進めるという、他団体との対話が鍵となるだろう。 とはいえ、業界の存続・繁栄のためには、新プログラムの目的でもある「消費者の安全」を保証することが重要であり、急がれる。そのためには、立場や意見の違いを乗り越え、業界が団結することが不可欠だ。若返った新生JACの行動力とリーダーシップに期待したい。 また、本記事内の新プログラムに関する内容は現時点での発表に基づくものであり、今後、開講までに解決されることを願う。日韓の学生が業界の 現状とリサーチを発表表に続き、米国フットレベラーズ社講師であるマニュアル・デュアルトDCによるワークショップが実施された。タイトルは、「腰部リハビリテーションと安定化」。 デュアルトDCは、ナショナル・ユニバーシティ・オブ・ヘルスサイエンスのチーフクリニシャンであるとともに、代替医療にも深い興味を持っており、自身も最近、鍼灸コースを修了したという。 参加者は、デュアルトDCの深い知識と豊かな講師経験に基づく分かり易い講義および実技指導を堪能した。(2面に関連記事) JACは、2014年4月に「安全教育プログラム」の開講を予定している。JACシンポジウムのため一同に会した、会長竹谷内氏、副会長岡氏、理事長(教育担当)吉川氏にその詳細を聞いた。 国民生活センターによる「手技による医業類似行為の危害」の発表などにより、世論および政治からのカイロプラクティックを含む手技療法への風当たりは強い。職業選択の自由が優先された1960年の最高裁の判決が覆され、カイロプラクターという職業が違法とされかねない状況だという強い危機感を感じ2020年法制化に向けて20144月に「安全教育プログラム」の開講を予定している。JACシンポジウムのポジウムのため一同に会した、会会した、会長竹谷内氏、副会長岡氏、理事長(教育担当)吉川氏にその詳細安全教育プログラム 4月開講で名高い、ライフ大学スポーツ科学研究所所長ダウンズ氏。国際スポーツカイロプラクティック連盟(FICS)の理事でもある。 ダウンズ氏は、「四肢のアジャストメントとリハビリテーション」について講義を行った。 実行委員長明田氏は、次回以降はさらに多くの会員に参加してもらえるようなシンポジウムにしていきたいと語った。

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