カイロタイムズ120号
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(4)2020年2月17日発行 カイロタイムズ 120号 私は、かつて顎関節症に悩んだ経験から「整顎」という新たなジャンルを生み出しました。アゴに着目したもう一つの理由は「差異化」です。「頭痛専門院」「女性専門院」など、クリニックでも専門院化が進んでいますが、顎関節専門院はほとんど存在しません。一方で、顎関節症はスマホ普及とともに増加中。「口が開かず、食べることが楽しくない」「顔がこわばって上手に笑えない」など、現在アゴの悩みを持つ人は厚労省の事態調査によると全国1,900万人もいます。「深刻な悩みじゃなさそう…」と思うかもしれませんが、悪化ループに陥ると「死にたい」ほど心を病む方も多いのが顎関節症の特徴です。腰痛などに比べ悩みが根深いのに、どこに相談したらよいか分かりません。脳神経支配のため思わぬ本能的な反応をしますから歯科医師はもちろん、素人が容易に手を出せない疾患です。(「知らぬが仏」の腕自慢セラピストもいますが…)巷に爆発的に増えている素人ほ唯一生き残ることができるのは、変化できる者である。整顎コラムVol.16藤原邦康 DCDrDr藤原藤原ののDr 藤原のぐし業と競合しづらい分野で参入障壁も高いといえます。また、歯科マウスピース保険診療では効果が限定的です。単価も低いし歯科医師にとって顎関節症はやっかいごとなのです。整形外科医と異なりカイロプラクターと競合しないことを意味します。よって、歯科とは連携できる可能性も高いといえます。 さて、「整顎」といっても、私は毎日、朝から晩までひたすらアゴだけを診ているわけではありません。必ず、背骨や骨盤を含む、全身のバランスを調整する施術します。上肢や下肢から施術する場合もあります。アゴだけ診てもかみ合わせがよくなるとは限らないからです。 また、小顔矯正のように顏周りへの押圧を加えることはしません。なぜなら、表情筋や咀嚼筋の緊張を招き、症状を悪化させるリスクが高いからです。 残念ながら現在、即席培養の整体師による頭部や顔面への施術によって健康被害を受けるケースが増えています。バイオメカニクスや神経学に対する知識の欠如によって生まれてしまう「アゴ難民」を私は救いたいと日々考え続けています。施術や考え方はアメリカで学んだことだけです。ダーウィンの「生き残るのは変化できる者」の至言のごとく、少しずつ形態を変化させながら新しい環境に適応していくのがカイロプラクターの進む道です。 一般社団法人日本整顎協会 学会とは、学問や研究の従事者らが、自己の研究成果を公開発表し、その科学的妥当性をオープンな場で検討論議する場です。学会と標榜するからには、査読・発表会・講演会・学会誌などの活動が存在する事が必要であり、団体がその名前に学会とつけているからといって、学術活動の学会というわけではありません。学術誌を発行し、研究成果の発表の場を提供し、研究者同士の交流などの役目を担うのが学会の意義でもあります。 日本において国が公的な学会に指定しているのは、政府の諮問機関である日本学術会議の日本学術会議協力学術研究団体に認定される必要があります。日本のカイロプラクティック業界で公的に認定されている学会は残念ながらありません。カイロプラクティック業が国家認定されていない日本では、教育機関もまちまちで、研究者という存在が育たないのが現状であります。アカデミックな機関の研究者が主体となって学会活動がされていることがほとんどなのですが、日本においては、その主体は臨床家がその活動を担っていることが多く、ボランティア主体の学会活動を続けることは、非常に多くの労力を要します。 日本学術会議の認定を得るには、次の要件を満たす必要があります。①学術研究の向上発達を主たる目的として、その達成のための学術研究活動を行っていること。②活動が研究者自身の運営により行われていること。③会員が100人以上であり、かつ研究者の割合が半数以上であること。④学術研究(論文等)を掲載する機関誌を年1回継続してティックティックククククククククククィッッィテテプラクテプラクテクククククククララプラプカイロプカイロププロロロロロイイイイカイイカカカカ本カ本カ本カ本カ本本本本本本日本日本日日日日日日日ククィッィッティテククララロプロプ本カイ本カイ日本カイ日学学学学学学学学学学医学学医医医手手手徒手徒手手手手手手徒徒徒徒徒徒徒徒徒徒徒徒徒手医学徒手医学会会会会会会会会会会信信信信通信通信通通通通通通通通通信通信日本カイロプラクティック徒手医学会通信vol.16発行していること。 この中で、②と③が日本のカイロプラクティック業界には高い壁になります。 ②の活動が研究者自身の運営により行っているという項目は、既存の大学等の研究者等でカイロプラクティック療法に対して理解と協力が得られれば、可能なケースもあるでしょう。問題は、③の会員割合に研究者が半数以上求められることです。カイロプラクティック未承認国の日本では、とても高い壁になります。日本学術会議協力学術研究団体では、当制度における「研究者」は、日本学術会議との協力・連携を前提としていることから、「○○士(師)」の方々や、会社や団体の役員、フリーで研究もしている方々ではなく、学術研究を行っている大学教授、非常勤講師、民間研究所の研究員の方々などを対象としています。臨床家のボランティアで運営されており、研究発表も臨床家がほとんどの日本の現状では、真摯に研究研鑽し、学会誌を発行している学術の集まりでさえ、正式な学術活動の会としては認められないのが実情なのです。 だからこそ、海外の大学から学んだDCの先生方をはじめ、大学等の研究機関や他業種の研究者等に興味をもっていただき、学術活動に参加していただくことがとても必要になります。真摯に学術活動を灯し続けてきた日本のカイロプラクティックに従事している方々の情熱を無駄にしたくはないのです。学術活動をする学会とは?伊 澤 勝 典一般社団法人日本カイロプラクティック徒手医学会 理事  カイロプラクティック制度化推進(準備)会議がずいぶんと進展してきているようだ。この会議は数年前から国家資格化に向けて動いており、実際に私も2度会議に参加させてもらった。厚生労働省医政局が積極的に参加して毎回有難いアドバイスをしてくれている。消費者庁や医師のアドバイザーも参加している。 私がこの紙面で担当しているのは経営セミナーであるのだが、この国家資格化に向けた一大変革は先生方の経営において大きな転換をもたらす。 まずあなたがこの国家資格化の流れに入っていけるのか、それとも除外されてしまうのか、によっては天と地ほどの大きな違いだ。 現在は整体も含めてカイロプラクティック事業者は玉石混交の中で、国民がどの先生を選んでよいのか全く不透明だ。その結果、未熟だったり、不勉強や知識不足な先生にあたってしまい、健康を害する事故も多発しているのは周知のとおりだ。国としてもこの部分を放置し続けるわけにはいかず、そのためこの取り組みにはとても協力的だ。そのことを考えると、国として「この資格を持っている先生を選んでください」とアピールすることで事故を減らすことができる。 厚生労働省による2019年11月14日の第8回検討会資料で新しく「非医業類似行為」という文言が登場したことも今回の制度化推進会議は、日本で資格化ができるとしたら最後のチャンスになるだろうと言われている。そのせいか業界のごく一部を除いて、ほとんどすべての団体が参加や協力を表明している。すでにカイロプラクティックの学校を卒業している先生たちを中心に、それまでの取得単位を認めて、近いうちに2,000人の資格者を認定する計画だ。もうすでに12月1日から資格受験の団体登録が始まっている。 団体の運営者になっている人は、所属員で資格取得を希望する人のリストを制度化推進会議に提出をする。団体に所属している先生は、団体として申し込みを行ってほしい。団体に属さない個人の申し込みはまだ少し先になるという。 詳細については推進会議事務局もしくはカイロタイムズ編集部まで連絡をすれば対応してくれるようだ。 業界や国や制度が変わると国家資格に向けた新制度とビジネスチャンスきは、とても大きなビジネスチャンスだ。これらの機会を逃さずに時流に乗り事業展開をしていってほしい。ちなみに会議に参加したい人もオブザーバー参加は事前に申し込みをすればできるので、興味のある先生は連絡してみてほしい。 カイロプラクティック制度化推進(準備)会議 カイロプラクティック制度化推進サポーター募集vol.25vol.25井元 雄一Ph.D 2020年の東京オリンピックとても待ち遠しいですが、実はそのオリンピック期間中にカイロプラクティックプログレス財団と米国カイロプラクティック資格試験機構の財政的サポートにより、カイロプラクティックのコマーシャル(以下、CM)を放映するという素晴らしい企画が進んでいます。これはカイロプラクティック誕生125周年を祝う行事の一環として行われる予定で、期間中に30秒のCMを5回流すという事です。CMはアスリートや他の人々がドクターオブカイロプラクティックを職業として選択したいと感じられるような、そして自身や家族がカイロプラクティック治療を受けてみたいと思えるような内容となっており、前オリンピックアスリートで今現在はカイロプラターとして活躍しているドクターも出演する予定だそうです。 米国カイロプラクティック資格試験機構の最高経営責任者ノーマンオウツDCは、「カイロプラクティックの職業価値や患者として受けられる治療の価値を世界に知らしめるにはこれ以上のチャンスはない。この歴史的なCMイベントは2千3百万以上の世帯に届く予定でありそれらの人々にこの素晴らしい専門職がどんなにやりがいのあるものかそして各々が最善な健康を維持するためにどれほどカイロプラクティックケアの利用価値があるかを知ってもらえるものだ」と発言しました。この後、他の団体や個人でのサポートを約束する声が多く上がりました。 これまでもさまざまなメディアがカイロプラクティックの事を取り上げてくれる機会はありましたが、このように膨大な視聴者数のテレビCMとなればまた話は別です。しかもカイロプラクティック団体が自分たちの伝えたいことを自分たちで製作し何千万人かに向けてCMをそれも世界で最も見られるスポーツイベントであるオリンピック番組の放映時に流せるのです。もう一つのアメリカ最大のスポーツイベントであるスーパーボウル(フットボール決勝戦)でも、どのCMが面白かったかが翌日話題になるほどCMのインパクトは大きいです。カイロプラクティックのCMが人々に与えることができる影響力を心待ちにしています。カイロプラクティックのCM中島 一光DC

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