カイロタイムズ119号(高解像度)
2/8

(2)2019年11月18日発行 カイロタイムズ 119号業界動向業界動向業界動向日程:12月8日(日)〜9日(月)料金:有料場所:新大阪丸ビル別館主催:ライフコンパスアカデミー日程:12月21日(土)時間:18:00〜20:00料金:有料場所:池袋アットビジネス   センター主催:PCC治療家塾日程:2020年2月12日(水)〜14日(金)時間:9:30〜17:00料金:事前申し込みで無料  ※通常5,000円場所:東京ビッグサイト主催:ブティックス株式会社その他のセミナーに関しては、カイロタイムズwebサイトでご確認ください。※各種セミナーのお問い合わせは、主催団体へお願いいたします。健康を取り戻したければ、「骨の電気」を整えなさい!      浅井融     1,300円(税抜)現代書林 ☎03‒3205‒8040新刊紹介AMI社公認アクティベータメソッドセミナー大 阪治療院経営勉強会2019東 京第1回 健康施術産業展からだケアEXPO(東京ケアウィーク2020内)東 京イベント・セミナー情報の一部をご紹介させていただきます。イベント・セミナー情報業界情報 世界的に有名なカイロプラクティック歴史研究家で作家のTodd Waters氏が、日本人カイロプラクターとカイロプラクティックの歴史を共有する目的のために、Facebook上で「カイロプラクティックの歴史」というグループを公開することになった。Facebookアカウントをお持ちなら、誰でも見ることが可能となっている。 カイロプラクターの方は、グループへの加入も可能となっており、加入すればコメントや質問も可能。ぜひとも多くの日本人カイロプラクターに「カイロプラクティックの歴史」を知っていただき、カイロプラクティック業界を一緒に盛り上げてほしい。 手技療法に携わる上でレントゲンなど画像読影の基本知識は言うまでもなく有用だ。しかし残念ながら今の日本では、医療従事者以外がレントゲンなど画像写真を目にする機会はほとんどない。そのような環境下で本セミナーの「X線所見と姿勢及び筋肉のバランスの崩れの治療の臨床的関連による脊椎X線の導入」というテーマは非常に貴重。実際の画像写真を豊富に掲載した資料と、静岡県文化芸術大学文化制作学部の川村涼子准教授による軽快な通訳で講義が進められた。限られた時間ではあったが、脊椎X線の基礎、頸椎・腰椎の画像による所見、首・腰の痛みの力学的評価、CTとMRIの仕組みや使用状況の比較などが凝縮して解説された。参加者からは「手技療法家として常々必要と感じていた脊柱のX線画像の基礎知識について学べたことにとても満足している。日本国内では医療と手技療法の連携が海外に比べ遅れている現状だが、日常の臨床活動でもお客様がX線画像を持参されるケースも増えている。今回のセミナーで学んだ脊柱のX線の知識はお客様の脊柱の状態を正しく把握し、施術時のリスク排除に活用できる素晴らしい内容だった(KCSセンター六本木 前田泰伴氏)」との感想が寄せられた。 今回のセミナーで講師を務めたサラ教授に、UWSでの教育の現状とJFCPの活動についてお話をうかがった。①Q:サラ教授のモットーは?A:やはり患者のため、ということ。教育内容などを検討する際、常に患者に対してどんなベネフィット、効果を提供できるかをベースにカリキュラムやサブジェクトを組んでいる。例えば、常に最新情報を生徒たちに教え、それを患者さんまで伝わるようにきちんと教えることがキーポイント。大学で今教えている内容は、卒業した生徒にも同じように提供する。筋肉など個別の勉強だけでなく、その人の精神状態や栄養状態、トータルケアを意識した勉強をするように指導している。 州ごとに異なるがポートランドでは大学卒業後も、1年間で20時間、該当クラスの履修が定められている。カリフォルニアでは州基準を達成しなければ資格更新できないなど、アメリカ全州で常に勉強し続けるスタイルになっている。卒業が終わりではない。最終的には患者に安全なサービスを提供できるように学び続けること。自治体ごとのシステムの確立が、患者が安全な診察を受けている証拠に画像読影における「基礎の基礎」を知る第12回JFCP国際セミナー開催 2019年8月5日(月)〜6日(火)の2日間、岡山県倉敷市の倉敷労働会館にて全国姿勢調整師会・日本カイロプラクティック協同組合連合会(以下、JFCP)主催「第12回JFCP国際セミナー」が開催された。今回は米国オレゴン州ポートランドのウェスタン・ステーツ大学(以下、UWS)より、副学長でエクササイズとスポーツ科学修士プログラム教授のSara Mathov氏(DC・DACBR・ATC、以下、サラ教授)を講師に迎えた。サラ教授は米国カイロプラクティック放射線委員会認定のカイロプラクティック放射線科ドクターで、スポーツ医学と画像読影の専門家である。日本では医療従事者以外がこのような専門分野に触れる機会は極めて稀。スポーツ科学先進国の現役大学教授から直接学べる貴重な時間となった。なっている。②Q:貴校はNBCEナショナルテストの合格率が連続ナンバー1と聞いている。何か特別な取り組みをしているのか?A:教育が一番大切。生徒にきちんと準備させているからだと思う。③Q:UWSおよびアメリカ全体でカイロプラクティックを学ぶ学生は増えているか?A:急増はないがアメリカ全体でも一定割合で増加していると思う。当校でも順調に増えている。④Q:UWSの卒業生はどんな就職をしているか?A:一般的に他のカイロプラクティックの先生の下で働くことが多いが、2つの理由がある。1つはカイロプラクティックの技術を学び練習するため。もう1つはビジネス。どういう風にクリニックが運営されているかを学べるから。最終的にはパートナーを作るか、自分だけでクリニックを開業したいという目的で、そのための準備と考えている人が多いと思う。⑤Q:日本のカイロプラクターには国家資格はなく、レントゲン撮影や診断行為は行えない状況だが、レントゲンの知識は必要だと思うか?A:資格がないので学ぶシステムもないと思うが、本セミナーのような放射線の知識を学ぶことで患者の安全性を高める1ステップになると思う。知識があればあるほど安全に近づくはず。アメリカでも他で撮ったレントゲン写真を見せに来る生徒がいる。写真の読み方というよりも、それを分かりやすく患者に説明ができる知識を持っていれば対応の幅も広がる。自分がそのスペシャリストではなくてもこのような勉強はどんどんしてほしい。⑥Q:日本にはこのような教育を受けていない人が多いがどう思うか?A:学校などがあることは大切だが、それ以上にその教育を「きちんとやっている」と見極めるシステムや機関があることが大切。学校があるなしの問題ではない。⑦Q:JFCPの活動についてどう思うか?A:よいと思う。常に時間をかけて勉強するベースになる。毎年いろいろな新しいことが起こるから、それに応じたものを提供して行ければ勉強の一貫になるのではないか。患者のことを思えば思うほどしっかり勉強して、知識を得ていかなければならない。もっと患者を見ていくと、もっともっと大きな、自分ではできないことが出てくる。そのとき必要になるのは新しい知識ではなく、チームでのコミュニケーションやチームワークだと思う。 今回は2日間にわたり、画像読影による姿勢の評価、治療における選択肢の考え方、硬い筋肉のストレッチ法・弱い筋肉を強化するエクササイズ、テーピング等について、サラ教授の実演を踏まえ受講生同士がペアで行う実習時間も多く設けられた。スポーツ科学先進国の現役大学教授からの学びは、短時間ながら受講者に多大な影響をもたらしたことは間違いない。前出の受講者は「毎年開催される国際セミナーで世界の現状を学び続け、日常の臨床活動に役立てたい。医療と手技療法の連携の実現のために、そしてお客様の健康増進の選択肢として手技療法が広く認知されるよう引き続き活動していきたい」と思いを語った。 本セミナーに10回以上参加している受講者は8名、うち3名は全12回を皆勤受講。JFCPでは次年度以降も継続受講を呼びかけるとともに、新たな参加者を増やしていきたい考えだ。数少ない国際セミナーというスタイルの学びの場で、いかに魅力あるテーマを取り上げるかが鍵になる。受講しやすさの工夫も欠かせない。 サラ教授はインタビューで、継続して勉強し、「部分」ではなくトータルな視野を持ちコミュニケーション力で患者に満足を提供することが重要だと語った。これらのキーワードは、カイロプラクティックの技術面にとどまらず、日本のカイロプラクティック業界の在り方に痛いほど重なる。 事業者のニーズに応えながらお客様に安全に対応できるプロを増やしていくこと、お客様のニーズに応えながら行政・業界内部の溝を埋めて行くことが求められている。課題は山積みだが、事業者の組合であるJFCPが、業界のために勉強し続け、自分たちだけではなく多くの同業者や協力者と連携できるコミュニケーション能力を発揮する存在になれるかどうか。今後の活動に注目だ。レントゲン画像を使用したセミナーSara Mathov氏インタビューキーワードは「継続」「トータルケア」「コミュニケーション」受講生から注目が集まるサラ教授真剣に聞く受講生

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る