カイロタイムズ117号(高解像度)
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(5)2019年5月20日発行 カイロタイムズ 117号 カイロプラクティック界には創成期の頃から獅子身中の虫とも言える者たちとの戦いの歴史があります。 その根底にあるのは、やはりカイロプラクティックの哲学を理解しているか否かという所にあるように思えます。 最近では、米国カイロプラクティック協会(ACA)というナショナル系・ミキサー系のDC達が創始した団体が「Choosing Wisely」と銘打ったガイドラインを発表し、その中でX線撮影に関して「急性の腰痛患者では6週間はX線検査をするべきではない」と記しています。 それは西洋医学の医師(MD)なら当てはまるでしょうが、カイロプラクティックには全く当てはまりません。 こういった的外れで反カイロプラクティック的なガイドラインを平気で発表するあたりが、サブラクセーション理論を理解していない、カイロプラクティック哲学を理解していない、そして西洋医学偏向思考の結果ではないでしょうか。 それゆえに、国際カイロプラクターズ協会(ICA)を筆頭に、イリノイ平原州カイロプラクティック協会(IPSCA)やフロリダ、ジョージア、ユタ、アイダホ、ニューヨーク、ミシガンといった州の団体、シャーマン大学、ガンステッド・メソドロジー研究所など29以上の業界団体・組織がACAのこのガイドラインのX線検査の部分に対して拒否を表明しています。 また、豪州カイロプラクティック協会が、「乳幼児に対する脊柱マニピュレーションを禁止」とする規則を制定したと報じられています。カイロプラクターはアジャストメントをしますが、マニピュレーションはしないのです。とにかく、乳幼児にカイロプラクティックは禁忌という主張です。 米国カイロプラクティック協会も豪州カイロプラクティック協会も、「エビデンスが無く、有効性も安全性も証明されていない」というのが理由の主たるものということだそうです。 しかし、この「エビデンス」と呼ばれるもの、つまり「科学誌・医学誌にピアレビューを経て論文が掲載される」というものの信頼性が根底から破綻していることは以前に紹介しました。 西洋医学が支配する、そして製薬企業の巨額の資本力の影響下に置かれている科学誌・医学誌に掲載された「約半分は嘘」とまで編集長に言われている「所謂エビデンス」を妄信せず、業界として、専門職として基礎研究を行うべきでしょう。カイロの存在意義④松下 順彦DC また、利益とリスクを十分に考慮し、明らかにリスクが便益より高いことが証明されていない現状での禁止の決定は、それこそがエビデンスの欠如ではないでしょうか。 そして、カイロプラクティックのX線検査・分析の臨床上の有効性とリスクにせよ、サブラクセーション理論にせよ、エビデンスがないと否定する前に自ら調査研究して事実を解明しようとするべきです。 研究は開業し臨床しているDCでは限界があるので、ACAなどの業界団体が大学と協力して行うべきことですが、それもしないでエビデンスがないというのは無責任にもほどがあるのではないでしょうか。 彼らの大好きなエビデンスによると、西洋医学の医療行為の15%しか根拠がない、西洋医学は米国民の死亡原因第3位、医療過誤が米国民の死因の第3位、医薬品の宣伝の6%しか根拠がない、薬の副作用で毎年1600万人が入院し内16万人が死亡、など西洋医学の医療行為の問題点が多数報告されていますが、米国とオーストラリアの協会さん達は「医療行為を禁止」と医師や医師会には言っていません。 エビデンスがリスクを証明しているにも関わらず医師には何も言わないのに、身内にだけ余計なことを言うのは何故でしょうね、立ち位置が不明です。 カイロプラクティックの哲学を理解していないがゆえに、カイロプラクティックの可能性も知らず、西洋医学側の理論や主張を受け入れる行為は、カイロプラクティックの未来、いや人類の未来に対する罪といえるのではないでしょうか。Vol.上村 高史DC 私が整形外科医に再検査のためにご紹介をした患者はこれまで多くいます。 今回はACL(前十字靭帯)断裂についての症例です。 私がアメリカのクリニック勤務時に患者と知り合い、治療や体のトレーニングサポートをして、かれこれ十数年来の親交があるバレリーナから突然電話が来ました。舞台稽古中に片足でジャンプ後、膝からグニュって音がしてから力が入らなくなった。2日目の今は腫れていて膝が曲がらないのでどうしようっていう内容でした。 いつもと明らかに違う感覚なので慌てて電話相談したそうです。 まずはすぐに幾つかXP、MRIを撮ってくれるクリニックを紹介しました。 翌日、クリニックから電話があり、いつも元気な彼女が暗い声でしたので悪い予感が的中でした。MRIの結果はACL(前十字靭帯)断裂でオペをすぐにでもした方が良いと言われたそうです。 ここからが大変でした。普通ならすぐに手術をすれば良いのですが、彼女は当時日本を代表するバレリーナで所属先、芸能事務所、マネジメント会社等へのスケジュール調整ですぐに時間が作れないでいました。もちろん膝が腫れているので公演、舞台もキャンセルしていましたが、それ以外のインタビュー、雑誌の撮影、ラジオの仕事等、すぐにキャンセルが出来なかったようです。 それよりも手術をする整形外科医を決めるのに時間がかかりました。いつもご紹介している医師はサッカー、ラグビー、アメフト、バレーボール、野球等の選手の膝を専門にしていた先生方が多く、ダンサーやバレリーナの執刀経験が少なかったので、もちろん診察に行きましたがいろいろ意見が分かれました。というのはACLを再建するのにどの脚の腱を使用して再建に持って来るかで、競技によっては予後や選手生命をも左右します。医師が一般的な人を手術する場合と少し考え方が違うのです。 私の友人からバレエダンサー熊川哲也さんの執刀医を紹介していただき、その先生に診てもらい意見も交換しました。 最終的に執刀する先生は、総合的に考えてバレリーナを多く手術していて、尚且つリハビリが十分出来る病院施設を持っていて、そこに良いPTやATスタッフがいる所に決定しました。それが決まるACL断裂での病院選択DrDrムウエムムウエムララののリアリリア床ダイアリー臨床ダイアリDr ウエムラの臨床ダイアリーVol.13上村高史 DCまで2カ月半かかりました。まあいろいろなイベントスケジュールもありしょうがない部分もあったのですが、何よりやはり本人が納得して手術をしないとあとからいろいろ問題が出てくるので、条件にあった手術先が決まり、本人も周りもホッとしていて、とても良かったです。 内視鏡手術後の入院中にお見舞いにもいきましたが、思っていた以上に元気で表情が明るかったので、それが一番何よりでした。リハビリも見学させていただきました。とても広い施設で、都内の大学病院ではこの広さとスタッフを揃えるのは難しいのに、民間の総合クリニックでここまでとは当時驚きました。 現在は、少しずつ都内の大学病院でもリハビリ、スポーツ施設を併用したリハ施設が増えつつありますが、患者さんはまだまだどこがベストかを検索するのは大変だと思います。 手術後から少しずつリハビリが始まり、アジャストの許可もすぐいただきました。少しずつ筋力トレーニングも出来るようになりました。バランス、体幹トレーニングもこなして疲労が溜まらないように自宅では、筋肉や腱にEMSや棒状の筒がバイブレーションするストレッチロールも使用してかなり回復も順調でした。やはり目標を持って臨むと回復が早いです。 今後もどんな相談が来てもコンシェルジュのように対応出来るようアンテナを張りたいと思います。 そして、執刀経験が少ない競技の患者から相談を受けても即座に対応が出来るように、もっと多くの経験を積んでいきたいです。一  般社団法人日本姿勢検定協会お問い合わせ☎075-253-2404 info@sisei.or.jp  詳 細・お申し込みは、を検索!※マイページ登録が必要となります。姿勢検定5級受験無料!!合格者には、有料にて認定証・認定カード発行※姿勢検定HP内のみでの受験となります。姿勢検定5級テキスト1,800円(税別)姿勢検定4級テキスト1,800円(税別)姿勢検定4級試験受験料(直前勉強会を含む):4,500円(税別)●大阪会場:6月8日(土)10:00~15:00 エル・おおさか(大阪府立労働センター)●東京会場:6月29日(土)11:00~16:30 あすか会議室 神田小川町姿勢検定認定講師講習会受講料:50,000円(税別)⇒早期割引(20,000円(税別)o)も実施中!●7月14日(日)11:00~19:30 あすか会議室 神田小川町

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