カイロタイムズ117号(高解像度)
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(1)2019年5月20日発行 カイロタイムズ 117号 これまでの協議結果をまとめた原案をもとに、「業界統一定義」についてさらなる検討協議を行った。各団体から寄せられた修正・削除提案を踏まえWHOガイドラインを軸に用語整理を進めた結果、検討作業は完了。今回までに取り纏めた内容を「業界統一定義」とすることが決議された。 「業界安全基準」については、「スラストの定義と技法の統一」および「一部危険な手技」の検討を進め最終的に業界ルールを設定する方針。その準備として基本的なスラストの知識・認識を統一する必要がある。そこで既存書籍を統一教本に指定し、適宜翻訳して活用する方法が提案され、満場一致で可決された。「一部の危険な手技」と指摘される「頸椎に対する伸展・回旋を伴うスラスト」については、中垣DCから提案された「業界ルール素案」を元に、行政からのアドバイスである「専門分野の医師の見解を含めた形」での検討を進めていく予定だ。 また当会議が中心となり業界安全対策を講じた結果、消費者庁の事故情報データベースにおけるカイロプラクティック関連の事故件数が減少傾向にあることは既報の通り。この効果を維持するため、当会議では引き続き行政機関に対し「業界安全対策講習会」への講師派遣を含めた支援を要請。あわせて、少しでも多くの業界関係者が業界安全講習会のみならず法制化準備や業界整備に携わり、当会議の活動にも参加しやすくなるように工夫していく。当会議の会費見直しなども検討中だ。 本誌はこの度カイロプラクティック業界史の編纂を計画、当会議に対し協力を依頼した。事実を整理し、幅広く集めた情報を業界全体で共有することで業界整備を後押ししたい考え。業界内外の誰が見ても公平で業界の輪郭が分かる客観的な資料の作成を目指す。これを受け、新たに当会議内に中垣DCを委員長とする業界史分科会の設置が決議された。 業界整備は地味で時間も労力もかかる。社会のルールに準ずるにはさらなる変化と準備、積み重ねが必要で業界関係者には辛い時期になるだろう。しかし業界のアウトラインは自分たちの手で描くものだ。ルールは守るべきだが誰業界のアウトラインは自分たちの手でカイロプラクティック法制化推進(準備)会議開催報 告第8回 2月6日(水)、東京都千代田区日比谷にて第8回カイロプラクティック法制化推進(準備)会議が開催された。今回は担当官の出張日程と重なったため厚生労働省医政局医事課からの出席はなかったが、事前相談にて議案書についてアドバイスをいただいた上での開催となった。会議結果は後日報告予定。協議検討中の業界統一定義について表現方法等を含めじっくりと議論を進めるとともに、業界安全基準の検討、各分科会の活動報告および意見交換が行われた。かに引いてもらうものではない。日本人初のDCが誕生してから110余年、日本のカイロプラクティック業界は明治・大正・昭和・平成という4つの時代を駆け抜けてきた。これだけ長い間叶わなかった業界統一という大仕事を成し遂げるには、さらに多くの人の理解と協力が必要不可欠だ。5月には新しい時代が始まり、東京オリンピック・パラリンピックまではあと1年。カイロプラクティック業界だけが取り残されないことを願うばかりだ。類する他業界は法制化され、あるいは必要な業界整備と手続きを経て職業として社会に認知され、2歩も3歩も先にいる。複雑な事情が絡み合う過去は承知の上で、今度こそカイロプラクティック業界に関わる全ての人の手による業界史上最大の変革を期待したい。「業界統一定義」「業界安全基準」の検討進む業界史上最大の変革を会議風景NO. 117 号発行日/2019年5月20日発 行/日本医科学出販株式会社〒160-0023東京都新宿区西新宿3-1-5新宿嘉泉ビル8F TEL:0120-223-505 FAX:0120-223-509Eメール:info@chiro-times.co.jp2月・5月・8月・11月発行◆年に1回のビッグイベント 2月21日(木)〜23日(土)、ラスベガス大通りの中心に位置するパリスホテル(米国ネバダ州ラスベガス)を3年連続の会場として、パーカーセミナーラスベガスが開催された。同会場にはカイロプラクター(DC)、カイロプラクティック大学の学生、カイロプラクティックアシスタント(CA)など、数千にも及ぶ業界関係者が集結。その継続参加に対する特別セレモニーが開催され、日本からも大勢の方が参加された。また、展示エリアには約150社が出展し、セミナー参加者はセッションの合間を使って、各ブースが提案する最新の業界トレンドを体感した。◆パーカーセミナーって? パーカーセミナーとは、テキサス州で18ものカイロプラクティック院を経営し成功を収めた、Dr.ジム・パーカーが、1951年に『クリニック構築勉強会』として創設。いまや世界中から自己の意識と顧客の満足度を上げるべく、向上心溢れる熱心な業界関係者が数千名規模で集まる、世界最大規模のイベントへと成長した。1988年のパーカーセミナーラスベガスでは、参加者7,777名を達成。現在では、1982年に設立された米国パーカー大学の卒後教育部門が運営し、継続教育(CE)単位取得クラスなど、様々な目的や用途に合わせたセッションが提供されている。◆今年のメインテーマは、 「AreyouPAKER FIT?」 直訳すれば、「あなたはパーカーにフィットしていますか?」となる。これはすなわち、パーカーセミナーが提案している「物理的にも、感情的にも、哲学的にも、ビジネスで成功しているという意味でも、素晴らしいCAという意味合いでも、全てにおいて、参加者自身が実践できているのか」を問うたものである。実はこのテーマは昨年と全く同じであり、毎年異なるテーマを掲げてきたパーカーセミナーとしては、異例のことといえる。すなわちそれは、運営サイドの強い意思表示であり、それに応えるかのように、初日の午前中という時間設定にも関わらず、パーカー大学代表のWilliam E Morgan DCによるオープニングセッションには、早くも4000名近くの参加者が集まり、カイロプラクティックの歴史を振り返りつつ、最新のリサーチ研究を臨床にいかに落とし込むかという講義内容に、熱心に耳を傾けていた。 また、大小様々な会場において、「哲学」、「技術」、「運動」、「顧客対応」、「店舗経営」など多岐にわたるテーマで開催パーカーセミナーラスベガス2019世界最大規模のカイロプラクティックの祭典が         今年も開催される各セッションでも、例年以上の盛り上がりを見せ、この数年、業界と同様に停滞傾向にあるように感じられたパーカーセミナーも、明らかに勢いを取り戻しつつある様子であった。 今年で15年連続の参加となる日本カイロプラクティックエビデンス研究会・委員長の小野寺靖Ph.D.は、「ここ数年で、一番の熱気を感じたセミナーでした。日本の業界も、ある種の閉塞感に覆われたかのような状況ですが、このようなセミナーを現地で直に体験することで、非常に励まされるものがありました。私が参加している『カイロプラクティック制度化推進(準備)会議』などを通して、健全で拡大的な業界の形成のため、更に貢献していこうと気持ちを新たにできました」と述べた。 次回パーカーセミナーラスベガスは、2020年2月6日(木)〜8日(土)、今年と同じくパリスホテルにて開催を予定している。満員の会場John Minardi DC

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