カイロタイムズ116号(高解像度)
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(5)2019年2月18日発行 カイロタイムズ 116号 アイオワ州では1886年に医療条例が可決されていたが、施行されることは稀だった。その理由は、恐らく長期に渡って大衆が、医療分野のどの一部門からも排他的な権威を受け入れることを嫌がり続けていたからだ。正統医学は、やっと科学的な権威を樹立し始めたばかりで、医薬品の無作為比較試験が臨床的に初めて行われるのが、まだ40年近くも先のことなのだったから、多くの点で医療に関するD.D.の痛烈な論評は大衆の意識を忠実に映し出していた。 D.D.は「医薬と医師は必要であり、彼等なしではやっていけない(Palmer, 1896)。」と述べて医師達に多少の手加減をしたが、投薬はいつ適当と考えるか明示することを怠った一方で、D.D.は、原始的で危険な方法と彼が考えたことを強く非難するのに遠慮なく言葉細かくはっきりと言った。医学界の競争相手を激怒させたに違いない表現とは、つぎの通り。 ①医学は科学か? 「医学は科学でないばかりか、最も実験的な当てずっぽうであろうかとの疑いが、市民の心の中で長年に渡って大きくなっている。病人を毒殺するこの古代のシステムは、合法的権利を持ち、我々の社会の救貧院、キーリー研究所(Keeley Institutes)、そして保護施設を彼等の毒の被害者で満たしている。被害者達は興奮剤、鎮静剤、更には麻薬を、使用継続せねばならなくなるか、更には自己壊滅するまで服用させられる。誤り導かれたこれらの不幸にも半分生きている具合の、医学の不適任さの証人達は何処にでも見られる。消耗性の病いと早死にが、医学の技能(とやら)を公然と侮り、より頻繁に起きている。最も単純な形態の発熱が家庭内に広まると、医学の科学(とやら)が幼少期であった二千年前と同様に、死と悲しみを残す。病人が楽になる為に普通の医学の同業者仲間のもとを去り、『偽医者』と貶される者のところへ行くのは全く不思議でない(Palmer, 1896)。」 そして「有害薬物を使う医者達は、明瞭明白な言葉の代わりにラテン語で書かれた処方を出して人々を無知のままに保とうと願っている。その処方が何を招くのか、貴方が知っていたら、貴方はそれほど頻繁に快く進んで両目を閉じて、口を開け、何であれ医者が処方したものを飲み込んで、酷く恐ろしい結果を甘受することはなかろう。そのように命取りの毒を摂取することを止めて、自然な手段に助けを求めないのは何故だろうか? 誰かが病気なら、その人に毒を与える理由が何かしら有るのだろうか? 世間の人達は薬物の影響を受けることに辟易している。 人々は全ての医療法が『公衆を偽医者から守る』為に作られたと信じ込まされてきた。しかし、これら医療法は、本職の偽医者によって自分達自身の保護のために枠組みされているのが事実なのだ。これらの法によってどの学校の卒業生を医師として従事させるかを決め、これら好まれる学校からの卒業証書一枚で、害されてもいない者に毒を与えて虐殺することを専門とする、如何なる阿片中毒や酒浸りの偽医者でも保護される…。 ②法を活用せよ 「もしも医療審査委員会がその名の意味するものであるなら、この危険な医学の流行を我々に押し付けようと努力する代わりに、委員会の法律趣味を少しでも使って抗毒素の製造業者に対して禁止令を発するだろう…我々は、薬物の専売権と多寡が危険な当てずっぽうに過ぎぬ医学による支配統治がとことん嫌になっている…外科医達はヒトの構造を学習し、内科の連中はヒト以外の全てを学び…医師達、特に内科医の連中は自分達がろくに知らない薬物を更に知らない人体に注ぎ込む…特別な階級の学校でなく、人民を守る為に法律たるものは制定されるべきだ(Palmer,1897)。」 D.D.の強い言葉は、地域の異種療法医ハインリッヒ・マッセイ(Heinrich Matthey, MD)から同様に過度の論議にあった。地域社会から無資格療法家達を一掃することに傾倒していたマッセイは1899年9月17日付けダヴェンポート・リパブリカン誌に意見を述べた。 「我々の偉大な共和国でこの壮麗な新世紀が始まるときに、哀れを催すあさましい光景が出現した。一方では全科学分野における素晴らしい光明と人類への恩恵が見られ、他方では詐欺なんかを疑うこともない場所である病人の枕元においてですら詐欺行為の小細工をし続ける破廉恥なペテン師達が騒々しく勢揃い。我々は皆この悪事に気付いているが、今は実際にどうすることも出来ない…。」 この続きは次号に。カイロプラクティックの歴史(第11回)カイロプラクティックの歴史(第11回)中 垣 光 市 DC衝突の火種疫力の低下している患者では気管支炎・肺炎を伴うなど、重症になることもあるので注意が肝要です。基礎疾患の有無やリスクに関わらず重症度の観点からもインフルエンザ治療薬の適応と使い分けを行う必要があります。 余談ですが、現在使用されているインフルエンザ治療薬にはウイルスの阻害方法に違いがあって、薬剤がウイルスの表面に接合して宿主となる我々の細胞に吸着を阻害するものと、宿主細胞からのウイルスの放出を防ぐものとがあります。 『風邪は万病のもと』 次号ではオステオパシー的な風邪の解釈、ウイルスの侵襲に伴って起こる身体の反応とそれに対するオステオパシーのアプローチについてお話をしたいと思います。 執筆の今、インフルエンザの予防接種の季節になってきました。この季節性の疾患は、毎年11月頃から患者が増え始め、1〜2月頃をピークにして、3月頃に終焉を迎えます。一方、一般的な風邪は平均的には年に3〜6回罹患するといわれていて、ほとんどの場合自然緩解をします。このことはインフルエンザウイルスが、湿度と温度の低い冬ほど活動性が高くなるという研究の報告と一致します。 一般に我々が風邪といっているのは風邪症候群の中の普通感冒を指すものです。風邪症候群はその臨床症状や病変部位、原因となるウイルスから6つの病型があり、普通感冒もインフルエンザもその病型の1つに含まれています。インフルエンザウイルスはA型、B型、C型の3種類がありますが、ヒトに感染・流行するのはA型とB型です。A型は遺伝子変異が起こりやすく、ウイルスが少しずつ変異を繰り返しながら鳥獣を介し、人間に感染するようになります。 一方、普通感冒もライノウイルスやコロナウイルスといったウイルスが原因で感染・発症し、よく似た症状〜典型的に咳、鼻水、咽頭痛〜といった多症状を呈します。安静にして、水分補給を行っていれば、通常は3〜5日で自然緩解して、重篤な病気になることは少ないはずです。インフルエンザも免疫機能が正常に働いていれば1週間程度で治まります。 風邪症候群の中で上気道感染を呈するインフルエンザと普通感冒は同じような症状と緩解をたどるということです。 しかしながら、インフルエンザと診断をされた場合、小児では中耳炎、熱性けいれん、さらに急性脳症を引き起こす場合もあります。高齢者や免風邪・インフルエンザONPO法人アトラス・オステオパシー学院「自分で治す! 顎関節症」出版の舞台裏 ② 出版舞台裏の続編です。大手出版社には決裁までにいくつもの関門があります。それらを通過できなければ執筆を始める段階にすら行きません。 編集者にはウケが良いもののなかなかスタートしない整顎の書籍企画。1年経つと編集者が他部署に異動となり、後任の編集者へバトンタッチされました。後任の女性編集者も前任者と同様に企画に乗り気でしたが、このあたりで進展しない理由と状況が判明してきました。それは、編集部レベルでは反応が良くても売上の数字を管理する部署が渋っているという構図。顎関節関連の書籍は発行部数を稼げないと判断していることを編集者を通して私も知ることとなりました。 1年、2年と経つごとに出版不況はより深刻化し出版社の社内体制も一新がはかられました。最初の顔合わせからついに3年目。後任の編集者が健康書籍以外の部署に異動が決まり、ついにギブアップ宣言が出ました。(二人の女性編集者とは未だにお付き合いがあり良好な関係を保っていますが)大手出版社ならではのハードルの高さを実感しました。私も頭を切り替えて、書籍に関しては「またしかるべきタイミングがあるだろう」と保留することにしました。日々の施術にあたりながら、執筆すべきネタをストックしていきました。 この間、整顎の活動が停滞していたかというと決してそうではありません。2016年に一般社団法人を設立し帝国ホテルで創立式典を執り行うと、雑誌記者や新聞記者などが出席してくれました。世の中の顎関節症への関心が深まっていることを実感しました。フジテレビ「とくダネ」の取材を受け、「Tarzan」(マガジンハウス)をはじめとする健康雑誌などでも連載。TBSラジオにゲストとして出演も果たしました。 これらのメディアから整顎が取り上げた反響は大きく、患者さんからはもちろん歯科業界からの問い合わせも増えました。 2018年に入ると、別の大手出版社に所属する旧知の雑誌編集者が書籍部門に異動。書籍企画持ち込みのお声がかかりました。温めていた書籍内容について提案をしたところ、編集部内での評判は非常に良好だとのこと。企画会議の中で女性編集者からは「今まで手掛けてこなかったジャンルで新しいテーマの書籍になりそうだ」という期待感から好意的なリアクションを得られたということです。編集責任者も「顎関節症に悩んでいる」ということで 興味を持ってもらうことができました。結論からいうと、やはり営業部からゴーサインが出ず却下されましたが、良い手ごたえを感じました。(つづく)整顎コラムVol.12藤原邦康 DCDrDr藤原藤原ののDr 藤原の受講・受験資格不問!!一  般社団法人日本姿勢検定協会お問い合わせ☎075-253-2404 info@sisei.or.jp姿勢検定HP内で無料受験が可能です。姿勢検定5級無料  詳 細・お申し込みは、を検索!※マイページ登録が必要となります。

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