カイロタイムズ116号(高解像度)
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(1)2019年2月18日発行 カイロタイムズ 116号 当会議では業界安全対策として、平成28年より安全施術講習会の協賛・後援、同年の業界自主規制発行といった取り組みを行ってきた。現時点での効果を検証したが、消費者庁への事前報告にて事故情報データバンクのデータ集計に誤りを指摘されており、本会議の後に消費者庁と協議の上、訂正した検証結果を議事録に記すことを報告し了承を得た。(後日の事務局からの報告によると、会議翌日に消費者庁と協議してデータの集計方法を訂正、後日、再集計結果による検証結果を提出し確認を得て医事課に報告。消費者庁の事故情報データバンクでは、平成29年度になってカイロプラクティックに関する登録数が減少。同時期に当会議以外には業界安全対策の新たな動きは認められておらず、減少は当会議の活動成果と推測される。その効果は、講習会への医事課の講師派遣と、講習会案内で消費者庁の課長通知を広く業界内に周知したことが要因と推測されるため、引続き行政機関へ支援・指導を要請した。) 週刊文春2018年8月30日号に違法施術や無資格マッサージへの注意を促す記事が掲載された。マッサージの危険性の列挙とともに「頭を持って首を左右にポキポキ旋回させる手技を『頸椎スラスト』といい…(以下略)」との記述がある。テレビ番組を見て執筆したとされるこの記事には「スラスト法」およびカイロプラクティックそのものに対する誤解が感じられるが、残念ながらそれが一般的に認識されている状態に近いと言わざるを得ない。そこで当会議ではいわゆる「一部の危険な手技」とあわせて「スラストの定義と技法の統一」の検討を開始する。数々の誤解を払拭するためにも、何が危険で何が安全なのか、統一定義と同様に業界内で共通の認識に至るよう取り纏める必要があるとの判断だ。 各検討を進めるにあたっては、前回会議でオブザーバーからのアドバイスを受けた各団体間で事務局連絡体制の構築を開始。今までにはなかった「フランクに意見を聞けるルート」が見えてきた。予てより懸案となっている業界統一 般社会に受け入れられる業界をカイロプラクティック法制化推進(準備)会議開催報 告第7回 2018年10月31日(水)、東京都千代田区日比谷にて、第7回カイロプラクティック法制化推進(準備)会議が開催された。今回も厚生労働省医政局医事課の和田課長補佐にご出席いただき、業界安全対策を含めた活動報告および意見交換を行った。予てより検討中の業界統一定義について表現方法等のアドバイスもいただくなど貴重な時間となった。一定義(原案)の検討依頼についても、複数の団体から回答が寄せられ次回会議での決議を目指して検討が続けられている。エビデンス分科会では、後述する学術会議の結果や有識者からの助言・支援等を仰ぎながら、継続的に検討を進める予定だ。 平成30年10月、本誌前号でも既報の通り当会議の関連団体において2つの学術会議が開催された。10月6日(土)〜7日(日)に「日本カイロプラクティック徒手医学会の第20回学術大会」、10月20日(土)〜21日(日)に「第8回世界手技療法会議」である。臨床研究のほか、カイロプラクティックの安全性に関わる講演も行われ、非常に有意義な会議となったことが報告された。このような他団体が進めている活動や臨床研究に触れる機会を積極的に利用して、他団体を知り、業界内でさらに広く交流していくべきである。各団体のカラーを尊重し、互いに礼を弁えれば同業者・他団体は決して敵ではない。情報や知識の共有、相互のレベル向上や共同研究の可能性などメリットは決して少なくないはずだ。始まったばかりの事務局連絡体制の構築も、引き続き広く関係各所に働きかけていく予定だ。一般社会に受け入れられる業界になるために、染みついた誤解を解くために協力すべき味方は誰か。答えは言わずもがなである。週刊紙記事の報告と「一部の危険な手技」の検討業界安全対策と効果報告協力すべき味方は会議風景NO. 116 号発行日/2019年2月18日発 行/日本医科学出販株式会社〒160-0023東京都新宿区西新宿3-1-5新宿嘉泉ビル8F TEL:0120-223-505 FAX:0120-223-509Eメール:info@chiro-times.co.jp2月・5月・8月・11月発行 「セラピストの部」は、セラピストに必要な接客力、コミュニケーション能力、提案力、想像力、想い・志、知識の6つの能力を評価・審査するものだ。2018年は7月27日(金)東京ビッグサイトで開催された日本最大級のスポーツ・健康産業総合展示会SPORTEC内でセミファイナルが行われ、8名がファイナルに駒を進めた。審査テーマは『愛されるセラピスト〜心を動かす接客〜』。ファイナルでは4分間の接遇ロールプレイングと、2分間の想いのスピーチにより審査が行われ、株式会社ボディワーク/プチラフィネミュープラット金山店の伊奈佳恵さんがグランプリを受賞した。安心感を与える明るい笑顔と落ち着いた口調、お客様の要望と時間的・物理的な制約を考慮した的確な提案が評価された。伊奈さんが日ごろ目指している「お客様の心に寄り添う接客」がコンテストの舞台でも遺憾なく発揮された。準グランプリは株式会社メディロム/Re.Ra.Kuモラージュ柏店の遠藤ひとみさん、リジョブ賞は株式会社ジョイハンズ/ファ・ブーア山王店の角谷郁さんが受賞した。 「スペースの部」は、各スペース(店舗)で実施している取り組み内容を、PDCAサイクルをもとに計画、実行、評価・改善、結果について評価するもの。予選では従来のエントリーシートによる審査に加え指定課題が導入され、セミファイナルを経て8スペースがファイナルに駒を進めた。審査テーマは『愛されるスペース〜お客様にとって居心地の良いスペースづくり〜』。スペースごとに6分間のプレゼンテーションが行われ、株式会社ボディワーク/ラフィネ八重洲地下街店がグランプリに輝いた。東京駅地下街という場所柄、混雑でいつもバタバタしている問題点を、チーム制によるフォローし合う仕組みを導入、インスタグラム等でスペースの雰囲気や居心地の良さを積極的に 2018年10月30日(火)、東京都渋谷区代々木の山野ホールにて「リラクゼーションコンテストJAPAN2018」が開催された。本コンテストは、リラクゼーション産業の振興、社会的認知度向上、技術者の地位・サービス向上を目的に「リラクゼーションの日」10月30日にちなんで毎年10月後半に行われている。第5回を迎えた2018年は経済産業省の後援を受けての開催となった。協会加盟の2,321スペース、23,842人の中から予選を勝ち抜いたファイナリストたち、「セラピストの部」8名、「スペースの部」8スペース(店舗)が集結。それぞれのナンバー1を決定する会場には多くのセラピスト・関係者が来場し、大声援が飛び交う活気あふれるイベントとなった。発信する取り組みで見事に克服した点が評価された。準グランプリは株式会社メディロム/Re.Ra.Kuプララ杉田店が受賞した。 日本リラクゼーション業協会では、フィリピンのNPO法人アクションが貧困層の子ども・女性の社会進出を支援する「チカラプロジェクト」のひとつである「イヤシノチカラ」の趣旨に賛同し、株式会社リジョブの協力のもと支援を行っている。その一環で2018年のフィリピンステージとして、前年度「セラピストの部」グランプリの石川麻世さん・「セラピストの部」リジョブ賞の蓮沼千尋さんがフィリピンへ渡り、イヤシノチカラプロジェクトに通う現地セラピストたちとの交流会が行われた。 本イベントのような接遇スキルを競う賞金つきコンテストをはじめ、セラピストのモチベーションを高める工夫が次々と進められている。2019年からはセラピストが現場で目のあたりにした感動のストーリーを募集し、感動ストーリーコンテストの開催も計画されているという。コンテスト形式のイベントはともすれば内輪の盛り上がりで終わりがちだが、接遇など点数化しにくい部分に基準を設け評価することで、協会が求める理想像が各セラピストに明確に伝わるメリットは大きいだろう。今後も持続的に業界を発展させる新たな取り組みに注目したい。日本最高峰のセラピストの祭典「リラクゼーションコンテストJAPAN2018」開催2018年の    開催結果海外交流と 新たな取り組みセラピストの部グランプリ 伊奈佳恵さん

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