カイロタイムズ115号(高解像度)
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(7)2018年11月19日発行 カイロタイムズ 115号 日本カイロプラクティック徒手医学会は発足20年目を迎え、本年10月6日、7日に第20回学術大会が東京で開催されました。大会では20周年記念大会として、「脊柱・・・カイロプラクティックの再考」をテーマに会員DCらによる講演をはじめ、様々な臨床発表や小 倉 毅研究発表が行われました。また、特別講演では、国立研究開発法人理化学研究所生命機能科学研究センター、倉谷滋先生による貴重な研究データの発表も行われました。 10月6日に行われた本学会総会では、中川貴雄先生の名誉会長就任にともない、私、小倉が新会長に就任いたしました。学会理事には、木村功先生(再任)荒木寛志先生(再任)、伊藤勝典先生(再任)、中原裕幸先生(新任)、原浩之先生(新任)が就任し、監事には櫻井京先生(再任)、大谷素明先生(新任)が就任いたしました。 本学会は日本国内では数少ない手技療法に携わる先生方の研究発表の場であり、学会の目的は、学術講演会や研究発表などを通して、会員の知識、技術の向上と共に国民の健康と福祉に寄与することであります。1991年、旧厚生省による「三浦レポート」では、日本国内におけるカイロプラクティックに関する科学的データの不足が指摘されており、本学会会員による研究データの蓄積は今後必要不可欠なものティックティックククククククククククィッッィテテプラクテプラクテクククククククララプラプカイロプカイロププロロロロロイイイイカイイカカカカ本カ本カ本カ本カ本本本本本本日本日本日日日日日日日ククィッィッティテククララロプロプ本カイ本カイ日本カイ日学学学学学学学学学学医学学医医医手手手徒手徒手手手手手手徒徒徒徒徒徒徒徒徒徒徒徒徒手医学徒手医学会会会会会会会会会会信信信信通信通信通通通通通通通通通信通信日本カイロプラクティック徒手医学会通信vol.11になるであろうと考えます。実際、近年アメリカでは「エビデンス・ベース・プラクティス」(科学的根拠に基づく施術)が推奨されております。 私は今年度より本学会会長に就任しましたが、今後も学会の目的を基本概念に、中川前会長の意向を引き継ぎ、会員のため、国民のための学会を目指し、日本におけるカイロプラクティックの発展に努めてまいります。また、本学会会員にはカイロプラクターのみならず、理学療法士や柔道整復師、鍼灸師の先生方も多く、今後は研究発表などを通し、各徒手医療の素晴らしさをお互いが学び合えるような学会活動が出来たらとも考えておりますので、各種徒手医学に携わる先生方の入会を心から願っております。会長就任のご挨拶一般社団法人日本カイロプラクティック徒手医学会小 倉  毅一般社団法人日本カイロプラクティック徒手医学会             会 長1998年 Life Chiropractic College West卒業(DC取得)2010年 東北大学大学院医学系研究科博士課程修了(医学博士取得)現 在 日本カイロプラクティックドクター専門学院学長    ハンズオングループ代表    東北大学サイクロトロンRIセンターリサーチフェロー    一般社団法人日本カイロプラクティック徒手医学会会長小倉 毅(おぐら たけし)プロフィール「自分で治す! 顎関節症」出版の舞台裏 拙著「自分で治す!顎関節症」(洋泉社)が出版され、おかげさまで約1ヶ月間amazonで部門別ベストセラー1位を達成しました。アゴのお悩みを抱える方から早速問い合わせも届き、顎関節症への関心や需要の高さを改めて知ることになりました。裏を返すと、口腔外科や歯大附属病院などを巡っているけれどなかなか改善しない「アゴ難民」がまだ大勢いることを示しています。嘆かわしい状況ですが、彼らの相談先である歯医者さんからは書籍内容について「目からウロコ」「歯科治療に取り入れたい」と評価をいただき、ドクターショッピングの悪状況に風穴を開ける一助になればと期待しています。amazonレビューでは、1日1分で簡単にできる自宅ケアが好評で、執筆した甲斐がありましたね。あなたも患者さんにもこれらのセルフケアを実践していただくと、アゴが整い背すじが緩んだ状態でアジャストメントできるので貴院の施術の効果をより実感していただけるはずです。 さて、貴重な機会ですので、出版に至る舞台裏についてお話ししていきます。もともとこの書籍企画は今から4年以上前に知人を通して、ある出版社から打診を受けたところから始まります。 文京区の日本人なら誰でも知っている大手出版社。周囲を見渡せる高層ビルの会議室で女性編集者と話をしたところ、すぐに興味を持ってもらえました。1週間後には彼女に体験施術を受けに来院いただきました。整顎を施すと「アゴの自覚症状はないけど、体が非常に楽になった!」と喜んでいただけました。ここまでは順調な滑り出しで安心していたのですが、実はここからが長い長い道のりでした。 企画のアプローチを少しずつ変えながら編集打ち合わせは進むものの、なぜかゴーサインが出ずに保留状態が続きます。3ヵ月経っても半年経っても進展はありません。私も日々の施術に没頭するかたわら、時おり企画書を提出。雑誌取材を受けた際には記事をサンプルとして送ったり、メールのやり取りをしたり…。ときどき出版社にも出向いて対面で打ち合わせもしましたが計画が進みません。しびれを切らして勝手に執筆を始めようかとも思いましたが、見切り発車しても編集方針と合わなければ書き直しになることは(前職の映像プロデューサーの経験から)分かっていました。まったく八方ふさがりです。書籍化のハードルの高さを実感しました。(つづく)藤原 邦康DC整顎コラムVol.11藤原邦康 DCDrDr藤原藤原ののDr 藤原の 前回の保険についての記事は賛否両論の意見を頂いた。どうやら整体師で保険に入るのを断られるということがあったようだ。 加入の受け入れは保険会社が決めるので、正規のカイロプラクティック教育と違って整体だと事故のリスクが高いとみられた可能性が高い。 大学教育となっている姿勢調整分野(姿勢科学など)では保険加入は認められているので、「安全性が担保される=教育をしっかり受けている」というのが社会的な見解である可能性が高い。 私が登録されている専門家プロファイル(旧オールアバウト)でもカイロプラクターとしての掲載はWHO国際基準の教育をクリアしている先生のみであり、基準クリアしていない先生は掲載できないように規定で決まっているとのことだったので、正規の教育を受けていることは安全な施術の条件だったり安心の材料であることは間違いないだろう。 さて、今日は「商圏調査」についてお話ししようと思う。治療院・施術院を開業するときに、あなたは商圏調査をしただろうか。 私が経営コンサルタントをしていたときには、どの業種でも開業時には商圏調査を重視していた。ところが施術院の業界では不思議と商圏調査をせずに開業している場合が多いのだ。雰囲気で何となく良さそうなエリアで良い物件が見つかったらすぐに開業を決めてしまうのだろう。 そこで「商圏人口はどれくらいですか?」「平均年収はいくらですか?」「人口増加はどれくらいですか?」と質問をすると沈黙が返ってくる。 ちゃんと調べてないな…と直感が言っている。そこでしっかり調べてみると、思っていたより人口が少ない、とか、高齢化が進みすぎている、逆に10歳未満人口が極端に多いなど思い込みで、想像していた予想と実際の数字のギャップがあることがほとんどだ。 そうはいっても商圏調査を外部会社に依頼すると高額な請求が待っている。もちろん調査に加えてそれなりの分析や施策の提案はしてもらえるだろう。 でも知らない人が多いが実はこれらの数字は割とカンタンにウェブサービスで調べることができるのだ。 有料のサービスだけでなく、無料で調べることができるサービスもある。 例えば、商圏2kmには「人口が145,565人」住ん繁盛する開業場所は〜商圏調査〜vol.20vol.20井元 雄一PhDでいて「世帯数が81,615戸」あるというような、開業場所の判断をするための数字を簡単に得ることができる。 先ほどの「人が多そう」「収入が高そう」「人気の地域」というみんなが気にするポイントは、専門的に言えば「商圏人口」「年収別世帯データ」「未来人口」という分析の上では非常に重要なものだ。これらのことをまず調べてみて欲しい。どれくらいの範囲を調べたらいいかを聞かれることがあるが、商圏のイメージは、ターゲットが徒歩であれば500m、自転車であれば2km、自動車であれば2km以上、という位を目安にするといい。ぜひこれらを使って今の自分の治療院を調べてみたり、開業地の選定をしていく参考にしてみてはいかがだろうか。 アメリカでは非ステロイド性抗炎症薬が、街中のドラッグストアであまりにも手軽に安く手に入るため、その使用量は驚くほど大量です。しかし薬の使い方を間違えると心血管、胃腸そして腎臓などに重い疾患を患う危険が高まります。毎年十万人もの患者達が非ステロイド性抗炎症薬関連での胃腸合併症で入院し、そのうち16,500人が亡くなっています。心筋梗塞や心不全、または急性腎不全の危険性も上がり最終的には高価な透析が必要になることもあるそうです。この薬の長期使用はこれ以外にも様々な危険を伴うため米食品医薬品局は10日以上使う人は医師の診察を仰ぐように推奨しています。 ここで私達カイロプラクターの必要性を感じます。非ステロイド性抗炎症薬を服用する理由の1つは、背中や関節の痛み、または軽い怪我の時の痛み止めとしてです。痛みや怪我の治療にはカイロプラクティックマニピュレーションを施しますが、炎症を引かせるためにサプリメントの服用を勧めるのも患者のためになると信じます。オメガ3脂肪酸であるEPA/DHAは身体の中でレゾルビンという非常に強力な抗炎症化合物に変えられます。また一部のオメガ3脂肪酸の中には、鮭の身をピンクにするアスタキサンチンという色素があり、これも抗炎症剤の役目をします。別のサプリメントではターメリック(ウコン)、生姜、インドに自生するボスウェリアセラータ樹脂なども抗炎症効果があります。 炎症部位では炎症自体がさらに痛みをつくり出してしまうので、炎症を取り除くことは非常に重要です。危険な副作用をともなう化学物質を摂取するよりももっと自然な形で炎症を取り除けられれば患者の満足度は高まります。サブラクセーションを探してマニピュレーションを施すのが、私達カイロプラクターの特化した医療でもありますが、サプリメントのアドバイスも大事な治療内容だと信じます。 1年で16,500人もの人が亡くなっているとは驚くべき数値です。声を上げて化学薬品の怖さを伝えていくとともに、サプリメント等もっと身近な自然界に存在する物で、同じ効果が得られる道があることも伝えていきたいと強く思います。炎症を抑えるサプリメント中島 一光DC

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