カイロタイムズ115号(高解像度)
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(4)2018年11月19日発行 カイロタイムズ 115号 プロ向け美容・健康総合展示会である本展は、最先端の美容機器から話題の健康商材、地域発アイテムが集まる秋の一大イベントだ。374社687小間が出展、多様なラインアップが出揃った。2018年度のフォーカステーマは「糖化対策と糖質摂取」「骨と筋肉」「ビューティテック・ヘルステック」「睡眠」「スパ用化粧品」の5つ。それぞれのテーマごとに基調講演や最新の関連商品プレゼンテーション、展示コーナーが設置された。また「第8回ビューティ&ウェルネスサミット」、地域の魅力的な美容商材を発掘する「第4回ジャパンメイド・ビューティアワード」、日本のトップスパを表彰する「スパクリスタルアワード2018」、現場で役立つエイジングケア知識を向上させる「アンチエイジングゼミ」、次世代のビューティライフスタイルを提案する「美・ボディメイキングライブステージ」など、専門セミナーやイベントも連日開催された。 「第4回ジャパンメイド・ビューティアワード」では21都道府県から36の魅力ある商品がエントリーされ、小売りや美容専門流通の第一線バイヤー、キーパーソンによる厳正な審査と一般投票が行われた。最優秀賞は沖縄県(株)石川酒造場の「美らBio(チュラビオ)」が受賞。本製品は産学連携による共同研究開発で誕生した新しい乳酸菌飲料だ。「もろみ酢」の元祖蔵元である石川酒造、泡盛蒸留粕の乳酸発酵技術を有する琉球大学、長崎国際大学の健康機能性評価、3者の力を結集した結果、黒麹菌・乳酸菌・酵母菌の発酵の相乗効果を用いて腸内からアンチエイジングを目指せる製品に仕上がった。産官学連携で生まれたプロジェクト・製品は、これまでにも増して注目が集まっている。 最新トレンドがズラリと並ぶ本展だが、すでに普及している素材に別の切り口からアプローチした製品も見逃せない。例えばハワイ発の「Patch MD」は、皮膚に貼るタイプの小さなパッチ型サプリメント。「毎食後に飲むためには携行が面倒」「粒が飲み込みにくい」などよくある悩みを一気に解決してくれる。特に目新しい成分ではないが、従来の服用タイプのサプリメントに比べ吸収率は約4倍。1日1回、上半身のどこかに貼るだけで即効性も期待できるという手軽さだ。マルチビタミン、アンチエイジング、ダイエットなど、日本人の食生活や生活習慣に合わせた6種類が2018年9月10日にリリースされ、本展でいち早く展示された。もともとハワイで人気に火が付き、情報誌「日経TRENDY」の2018ヒット予測100でもベスト20に入った注目商品である。 アメリカはサプリメント先進国で、その市場規模は日本の約10倍といわれている。日本のように保険制度がなく、保険未加入の場合の医療費が全額自己負担になるアメリカでは、病気は積極的に予防するという考え方が主流だ。成人の約6割がサプリメントを愛用し、大いに活用している。健康長寿社会を目指す日本でも「治療」から「予防」に意識を向けなくてはならない時期に差し掛かり、その手段の一つとしてサプリメントや健康食品の摂取が人気だ。安全性や機能性の高さは当然として、今後は別の切り口での考慮も必要になる。保存や携行のしやすさ、使用方法が簡単で誤りなく摂取できるか、飲みやすさ、消化しやすさ。いかにも人工的な栄養素ではなく、食べ慣れた食材であることもポイントになる。日本古来の納豆や味噌をふりかけにした製品、国産オクラをパウダー状に加工した製品なども前述のジャパンメイド・ビューティアワードで優秀賞を受賞した。高齢消費者の増加が予想される今後は「細かな悩み」を解決する製品に注目が集まりそうだ。最新の美容・健康商材が集結新たな切り口で「悩み」を解決する第17回「ダイエット&ビューティーフェア2018」開催第17回「ダイエット&ビューティーフェア2018」開催秋の国内最大規模展示会「ビューティ&ウェルネス」「ビューティ&ウェルネス」 コスメから食品まで話題の最新美容・健康が一堂に集まる総合展示会「第17回ダイエット&ビューティーフェア2018」、「第4回アンチエイジング ジャパン」、そして国内唯一のスパ専門展示会「第9回スパ&ウェルネス ジャパン」が今秋も開催された。会期は2018年9月10日(月)からの3日間で、会場は東京ビッグサイト西1〜2ホールとアトリウム。あいにくの雨模様をものともせず合計26,966人もの美容・健康業界の関係者が来場した。 今号から連載を担当する山﨑美佳(はるか)と申します。2016年1月に東京都港区三田に「きっず&ふぁみりーカイロプラクティック三田」を開院し、あっというまに3年目となりました。 唐突ですが、手近にあるスマホやパソコンで「カルシウムイメージング」と検索してみてください。光る細胞の写真や動画を見ることができましたか? 私は2011年6月までカルシウムイメージング研究の一翼を担っていました。大学院で農学博士号を取得して研究職に就き、細胞が神経伝達や受精・細胞死・外分泌などの細胞機能を発揮するために、いかに細胞内カルシウムイオン濃度を制御しているか、その仕組みを日々解析していました。 重箱の隅をつつくような研究が続き、研究者としての将来に疑問が膨らんでいた最中、私はマラソン大会に向けた練習で脚の強い痛みを感じて歩けなくなり、ネット検索して整体に駆け込みました。 これまで大きな病気をすることもなく、病院も薬も整体などの治療院も疎遠だった私にとって、初めて手技療法で痛みが消える体験をして、人間の身体って面白い!もっと人間のことを知りたい、としばらく忘れていた好奇心が再び沸き上がってくるのを感じました。 研究は1番になることを求められる世界ですが、私は自分の「好奇心」をただ探求したい。人の身体の不思議を探求できて、さらに目の前の人に喜んでもらえるなんて素敵な職業だな、と手技療法の道を調べるうち、「イネイトインテリジェンス(生きものが生まれながらに持っている叡智)」というカイロプラクティックの考え方(哲学)に出逢いました。 私は「カルシウムイメージング」の世界で、細胞が巧妙な仕組みで互いにコミュニケーションをとりながら環境に適応して生き抜くさまに、人智を越えた美しさを感じていました。人間の頭で思いつく以上の強さや適応力があることを痛感していたのです。そんな私にとって「イネイトインテリジェンス」はまさにその通り!と感じる科学的な概念で、生まれ持った力を信じる「カイロプラクティック」という手技療法に強い好奇心を感じました。 第2の職を選ぶなら後悔しないような環境で学ぼう、と調べを進めるうち、学術研究がしっかり行われ、教育体系が整い、医療資格として地位が確立している米国でカイロプラクティックを学ぶ決心をしました。 分子生物学の研究者からカイロプラクターの道に進んだと自己紹介すると、よく思い切りましたね、とびっくりされるのですが、私の中では探求する対象が細胞から人間まるごとになっただけであり、好奇心のおもむくまま進んできたら、こんな不思議な道のりになっていました。 35歳で研究職を辞して渡米し、4年間のドクターオブカイロプラクティック(DC)課程で学びながら、週末には学校の試験勉強の合間をぬって国際小児カイロプラクティック協会(ICPA)による「妊産婦と小児のカイロプラクティック」について専門教育を受けました。 試験に追われ徹夜ばかりの学業にプラスして、土日にセミナーを受け、計14回、200時間のプログラムを受講したその動機は、やはり女性であるからには、女性の一生に不可欠な妊娠出産や生まれてきた子どもの健康について、積極的にサポートできる施術家でありたい、という想いです。 現在の院名が「きっず」で始まるのは、小児カイロプラクティックがまだ浸透していない日本で「子どもを診ます」と宣言するためです。とはいえ、当院は小児中心ではなく、赤ちゃんも大人も、女性も男性も来院されます。特に、私は女性を応援したい!という想いがあります。女性が生き生きとしていれば、子ども達をはじめとして家族も地域も元気になります。 様々な悩みを持った女性達がふらっと立ち寄れるオフィス、子どもやパートナーやご両親を連れて一緒にカイロプラクティックを受けて、みんなで笑顔になって帰ることができるオフィス、そんな場を目指して日々学びを重ねています。 この連載では、私がオフィスで体験したことや感じたこと、カイロプラクティックへの想いなどを発信していきます。山﨑 美佳 PhD、DC山﨑 美佳 PhD、DC細胞の世界から    人間探求の道へ 2003年 東京大学大学院農学生命科学研究科卒 農学博士。 科学技術振興機構研究員および理化学研究所基礎科学特別研究員を経て、2011年渡米。 2015年 米国ジョージア州ライフ大学卒。ジョージア州開業免許取得。2016年1月に東京都港区にて「きっず&ふぁみりーカイロプラクティック三田」開院。 国際小児カイロプラクティック協会(ICPA)所属。 詳細はhttp://kiami.com/山﨑 美佳(やまざき はるか)PhD、DC プロフィール岡井DCのテクニック・ブック ~基本編~ 実践カイロプラクティック アジャストメント テクニック 岡井健D.C.著/B5判 ¥4,428(税込、別途送料)注文はカイロタイムズホームページより http://www.chiro-times.co.jp/商品/Chapter 1 「新カイロプラクティック・アジャストメント理論」Chapter 2 「Lower Cervical Spine 頸椎下部、C2-C7」Chapter 3 「Atlas アトラス、C1」Chapter 4 「Occiput 後頭骨」Chapter 5 「Thoracic Spine 胸椎」Chapter 6 「Lumber Spine 腰椎」Chapter 7 「Pelvis、Ilium&Sacrum 骨盤、腸骨と仙骨」目と心を開いてこの一冊を吸収しよう!

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