カイロタイムズ114号
6/8

(6)2018年8月20日発行 カイロタイムズ 114号 日本カイロプラクティック徒手医学会では、第20回の節目となる学術大会を10月6日(土)・7日(日)の両日、東京・大井町駅前の「きゅりあん(品川区立総合区民会館)」の6階フロアで開催いたします。テーマは「脊柱・・・カイロプラクティックの再考」です。カイロプラクティックの基本である脊柱に立ち返っ伊 澤 勝 典て、本来のカイロプラクティックを見直すという意趣があると共に、新世紀にふさわしいカイロプラクティックの構築を目指すという思いも込められている学術大会になります。 プログラム内容を紹介致します。学術大会の肝となる一般講演は、臨床の洞察と示唆に富んだ研究発表の時間であり、参加者の臨床に多くの気づきと様々な視点がもたらされる絶好の機会になります。クリニカル・ポスターセッションでは、演者4名によるご自身の臨床が垣間見えるオリジナリティ溢れる臨床的な発表をしていただきます。 特別講演として、理化学研究所生命機能科学研究センター・形態進化研究チームのリーダー倉谷滋先生に、脊柱に関して進化形態学の立場からお話して頂きます。脊椎動物において特異な脊柱を持つ二つの生物である動かない脊柱であるカメと垂直に直立した脊柱を持つ人間との比較における脊柱の進化についてのご講演になります。基調講演は、JSCCの会長であり、第20回学術大会大会長でもある中川貴雄DCに長年の臨床経験を元に脊柱の治療について講義していただきます。教養講座は、元カイロジャーナル編集長で、厚労省ティックティックククククククククククィッッィテテプラクテプラクテクククククククララプラプカイロプカイロププロロロロロイイイイカイイカカカカ本カ本カ本カ本カ本本本本本本日本日本日日日日日日日ククィッィッティテククララロプロプ本カイ本カイ日本カイ日学学学学学学学学学学医学学医医医手手手徒手徒手手手手手手徒徒徒徒徒徒徒徒徒徒徒徒徒手医学徒手医学会会会会会会会会会会信信信信通信通信通通通通通通通通通信通信日本カイロプラクティック徒手医学会通信vol.10との意見交換会にも参加している櫻井京DCに、禁忌症という言葉にとらわれず臨床家の対応と今後の業界の在り方や進むべき方向性をお話して頂きます。 ワークショップは、4人のDCによる臨床に即した講義が展開されます。「BASEとセロトニン」中原裕幸DC、「アトラス・オーソゴナル」井上裕之DC、「椎骨サブラクセーションとその影響」小倉毅DC、「妊娠前・中、産後のカイロプラクティックトリートメントの考察」佐藤智子DCという顔ぶれにどのワークショップに参加するか迷ってしまいそうですが、臨床の疑問を直接議論できるチャンスを是非楽しんで頂きたいと思います。皆様のご参加お待ちしております。詳細・申込は学会HPよりhttps://jsccnet.org「脊柱・・・カイロプラクティックの再考」伊 澤 勝 典一般社団法人日本カイロプラクティック徒手医学会            理 事第20回学術大会 ドクターファーと脊椎生体力学の研究者達は、脊椎への矯正(アジャストメント)に「スピード」が大切だということから進化して、矯正による振動の周波数特性がさらに大切だということに注目しました。彼らはアクティベータ器の改良の過程で、脊椎の後方から前方への最適な共鳴振動数が30Hzから50Hzの間であることを突き止めました。その発見はとても重要な意味を持ちます。つまり、30Hz〜な力を加えるとき、その振動数が物体の固有振動(数)に近いほど外力によるエネルギーが有効に吸収されて物体の振動が激しくなる現象です。 「共振」の作用を理解するために、音叉やバイオリンの現象が例として説明されます。振動数の等しい音叉を二つ並べておき、一つを鳴らすと他の一つも鳴り始めるのはその一例です。バイオリンなどの弦楽器では胴が弦の振動に共振することによって音のひびきを良くしています。また地震のとき、地震波の振動数が建物などの固有振動数と一致すると共振して激しく振動し、大きな損害を生ずることがあるので、耐震用に地震波の振動数に一致しない建物の研究もなされているといいます。 人体の脊椎、関節への矯正においては、アクティベータ器の振動域を最適な周波数に改良することで、より小さな力で骨の動きを大きく生じさせることができるわけです。また、機械的受容器は振動数に依存するといわれており、振動域の改善は関節周辺に散在するより多くの機械的受容器を集合的に刺激することができ、その結果、脊椎関節の可動性が増加することにつながります。分厚い筋肉や脂肪で覆われた部位の関節へのアジャストメントの際、アクティベータ器から繰り出される振動刺激が伝わらないのではないかと思われがちですが、しっかりと関節の固有受容器に振動刺激が行き届き治療効果が引き出されます。これは、この「共振現象」による作用だと臨床的にも感じることができます。(次号に続く)50Hzの共鳴振動数で振動刺激を加えることで、多くの機械的受容器が活性化され、脊椎の可動性が増加するということが分かりました。この発見によって、アクティベータ器Ⅱが開発され、アクティベータ器Ⅲと続き、手動の器具としては理想形となるアクティベータ器Ⅳが完成しました。 「共鳴」あるいは「共振」という用語は聞きなれないかもしれませんが、振子などの振動する物体に外から周期的器具によるアジャストメント ④保 井 志 之 DCVol.16能低下症・視床下部〜下垂体で造精機能を司るホルモンの分泌低下停留精巣の手術後・おたふく風邪による耳下腺炎症精巣炎3、無精子症:射出された精液中に、全く精子が見られない・閉塞性無精子症〜精巣では精子が作られているのに精子が出てこない・先天性両側精管欠損症・精巣上体炎後の炎症性閉塞・鼠径ヘルニアなど・精巣内では閉塞がないのに精子が全く造られていない(原因不明)・染色体の異常など今回は、男性不妊症の主な原因を挙げた。不妊に苦しむ夫婦にとって非常に繊細な問題である。(次回その④最終) 不妊は、女性不妊に多い卵管性不妊と、排卵性障害。男性不妊を合わせて、3大原因としている。今回は男性不妊について話を進める。 男性不妊症の原因1、性機能障害:射精がうまくいかない場合 勃起不全ED(Erectile Dysfunction):ストレス等、交感神経が亢進することにより、有効な勃起が起こらず性行為そのものが出来ない。本来第2〜第4仙髄から起始する副交感神経である仙骨内臓神経が活性化され勃起を呈する。オステオパシーの見地から仙骨や骨盤の体性機能障害(Somatic Dysfunction:SD)がEDを作ることも考えられる。 膣内射精障害:性行為は可能だが膣内射精ができない。治療としてはタイミング指導が挙げられるが心理的な問題があり、固執してはならない。 その他性機能障害が出やすい病気:糖尿病、動脈硬化などは軽症でも勃起障害を呈しやすい。重症では射精障害や逆行性射精(一部の精液が膀胱内に射出)がある。2、精液性状低下:射精される精液中の精子の数や運動性が悪くなっているもの 軽度〜中程度・本来、精子は精巣(睾丸)で作られ、精巣上体という細い管を通る間に運動能力を獲得し、受精可能な精子となるが、その過程に異常がある。その他、精子の数が減少、精子の運動率低下、精子の奇形率が高くなるなど、受精率低下を招くとされる。・造精機能障害は精索静脈瘤によるものだが、外科的介入により緩解の可能性あり。 高度・精液中の精子の数が通常の1/100と極端に少ない・精子の運動率が20〜30%と極端に低下・低ゴナドトロピン性性腺機妊娠と不妊③ONPO法人アトラス・オステオパシー学院 一見すると産後のカイロケアの一例ですが、その診立てにはマタニティーや小児カイロの視点も少なからず関わっているケースを、ある母親と私のやり取りを通じてご紹介します。 母親より:「昨年の11月に男の子を出産し、その後5カ月経過したぐらいから右股関節の痛みを感じるようになりました。近くの整形に行きましたら直ぐに労災病院にと言われ、またそこから大学病院にと言われ先日受診してきました。 手術と診断され8月に今後の流れを決めることになりました。 先天性のものと言われましたが、今まで30年何も違和感もなく生活してきました。子育て真っ只中に手術の選択は非常に厳しく、何か手立てがないかと思っています。 以前に小畑先生のところに行っていらっしゃったTちゃんのママにご紹介いただきメールをさせていただいた次第です。よろしくお願いいたします。」 私からのお返事:「○○さま、初めまして。カイロキッズこうべ院長の小畑(おばた)と申します。 お伝えいただいた内容から推察すると、昨年11月に男児を出産され、子育てに奮闘する中で股関節の不具合をお感じになるようになった、ということでしょうか? 妊娠・出産は初めてなのか、何人目なのか、その妊娠と出産の様子や特記事項、整形外科での検査内容や初見など、その背景を注意深く検討する必要はありますが、私の第一印象としては、股関節に関して30年間何も問題もなくお過ごしだった方が、妊娠と出産を境に初めての「股関節痛」でお困りというケースのように聞こえます。 妊娠と出産を境に、母親の身体にかかる負担が要因となって仙腸関節痛や股関節痛などを訴える場合も少なくありませんし、一方で、乳飲み子の育児真っ最中の母親に対して〈すぐに手術〉という提案が、赤ちゃんとお母さんの健康に対する貢献として最適なのか?という観点も含めて、とにかく慎重に検討すべきだと思います。」 重度の外傷など、外科的手術を第一に検討すべきケースは別として、安易な手術による産後の母子分離と育児への影響なども考慮すれば、マタニティーと『小児カイロの出番です!』と声を大にしてアピールしたい症例でした。 このように一見違うように診立てられることが、大きく関わってくるケースもあるのです。vol.18マタニティー、小児、産後     ケアのつながり

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る