カイロタイムズ114号
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(4)2018年8月20日発行 カイロタイムズ 114号上村 高史DC 私の所にはプロアスリート、バレリーナ、ダンサー、ミュージシャン等様々な方が来院されます。もちろん一般の患者でスポーツをしていてマスターズ大会に出ている方、スポーツをしていなくても肩、膝、股関節、手首等が痛い方も多くいます。どの患者も最良だと思う検査、治療の選択肢を現在はネットで探されています。それがどの専門医に行くかで、その患者の治療も大きく違います。 私が言いたいのは一般的に患者が先に整形外科医を受診して、もし手術をベースに考えている医師であれば、それを第一選択にされる可能性が高いと言うことです。もちろん接骨院、整体院、カイロ院に行って検査もされず治療を受けて悪化しているケースも多いのでこれも大きな問題です。そういうところが多いため、医師からカイロを含め患者を紹介するのを辞める原因になっています。接骨院、カイロ等自体を否定している医師も、まだまだ皆さんが想像している以上に多いです。 私はプロアマ問わず、検査で明らかに怪しい患者はまずMDにご紹介します。紹介状が必要な場合はレントゲン、検査内容を記載して提携クリニックの医師に紹介状を書いていただきます。 最近ほとんどの大学病院は紹介状がないと診察予約を取って貰えません。まずクリニックで紹介状を書いて貰って来て下さいと言われ、患者にとっては時間だけとられ2度手間です。MRI、CT検査に関してもそうですがそれを撮るだけで大学病院だと1、2か月待ちです。それに診察予約も1、2か月待ちは有名な先生では当たり前で、予約を取っても当日予約をしても3、4時間待たされるのが大学病院の現実です。 そういうことを知った上でもちろん紹介していますので事前にMRI、CTは別の提携病院で撮って、画像は大学病院の提携の医師に、画像を撮った病院から直接送って貰います。診察予約も、事前に専門医のスケジュールを聞いて予約して、当日出来るだけ待ち時間がない方法を考えます。もし自分の身内だったらどうするのか?患者の状況を考えての行動を実践しています。それが、自然と理解ある各専門の先生方との繋がりを築くことができたと思っています。 最近の例として膝が痛かった患者で整形外科クリニックでの検査で半月板、前十字靭帯の不安定、損傷の疑いだけ臨床で整形外科医への       紹介についてDrDrムウエムムウエムララののリアリリア床ダイアリー臨床ダイアリDr ウエムラの臨床ダイアリーVol.10上村高史 DCで痛み止めだけ処方されたと言う方が来院されました。初回レントゲンと検査で腫れはないが30度屈曲位で外側腓骨の痛みがあり、完全屈曲位が+反応で出来なかったため、前方後方引き出しテスト+、マクマーレーテスト+でしたので膝以外の脊柱をアジャストし、1週間経過観察していただきましたが膝の痛みが変わらない患者がいました。 その後直ぐに7〜8年前からご紹介している大学病院のサッカー日本代表チームドクターの携帯に電話、メールして最短の診察日を聞きました。まず受診して貰い検査結果を待ちました。MRIの結果は外側半月板損傷でした。その医師からは手術するかは経過観察しましょうと連絡が来ました。次回は、その後どうしたかについてお話します。力量の範囲で努力できるか。アゴ専門はマニアック? 「頭痛外来」「アトピー外来」「物忘れ外来」など、医療業界では専門クリニック化が進行。このトレンドは治療院業界にも起きると私は確信し、アゴに専門特化しました。そこで、今回は(社)日本整顎協会の7つのチャンネルについて説明します。 一つ目のチャンネルは「食」。「口が開かず食事ができない。」「食べることが辛い。」という悩みがあります。 二つ目は「歯」。歯医者さんにとって顎関節症は実は厄介ごと。頸椎の配列や顎位がずれていると咬合調整に不備が起こり治療の予後が悪くなります。歯科医は骨格ケアまで手が回りませんから、整顎による筋骨格ケアは歓迎されます。 三つ目は「顔」。 つまり、見た目の悩み。「口が歪んでいて撮影されたくない。」「マスクをつけて外出する。」という方、タレントさんから相談が寄せられます。 四つ目は「頭」。咀嚼は脳への刺激。記憶の活性化につながり認知症予防につながります。 五つ目は「心」。うつ病やパニック障害の方が多く来院。心が辛くなると、無意識の食いしばりでβエンドルフィンが分泌され、一時的に症状が軽くなります。 六つ目は「体」。瞬発力と噛み合わせの観点から、アスリートのコンディショニング。食いしばり癖から起きる首・肩の可動域減少にも整顎で対応します。 七つ目は「声」。声優や俳優、アナウンサーなど。声帯、舌、口腔など、発声ユニットを構成するアゴがいかに重要かは想像に難くないでしょう。吹奏楽奏者も通院しています。 これらに一つも関わりがない人はいるでしょうか。アゴ専門というと色モノと思われがちですが、実は間口が広いです。「成り立つのは東京だけ!」とも揶揄されますが、東北から九州まで整顎師がこれら7種類のケアをしています。むしろ、全国的には整顎師が不足。今後、育成に尽力しなければいけません。 この時代、いかに狭いセグメントの中で活躍できるかが生き残りの鍵です。私には「世界中の誰よりも優れた才能」はありません。でも、ある特定のセグメントにおいては、人よりも適した分野が存在する可能性はあります。そんな分野は、魅力がないマニアックだと思われているマーケット。だから、強者が参入しないのです。分母が広いと強者が入ってくるし競争が厳しいから、分母をどう選び自分の力量の範囲で努力するかが今後の命題です。藤原 邦康DC整顎コラムVol.10藤原邦康 DCDrDr藤原藤原ののDr 藤原の おもしろい調査結果を見つけました。患者は代替医療であるカイロプラクティックをなぜ利用するのか、どこに価値を見出しているのかというデータを集めた調査です。カイロプラクターに12ヶ月通ったおよそ1900万人、長期間ずっと通い続けている5500万人を対象に行われました。 まず通院する理由の一番は健康維持と疾病予防で43.6%でした。エネルギー向上が16.3%、競技や運動の成果向上が15.4%、免疫機能向上が11.4%、記憶と集中力向上が5.3%でした。 カイロプラクティックの恩恵では、身体全般の健康、痛み軽減又は気持ちが良い66.9%、続いて睡眠促進41.9%、ストレス減少又はリラックス40.2%、健康問題への対処効果38.5%、健康管理への意識効果32.5%、気分の向上27.4%、仕事や学校への出席率上昇17%、他人との関係改善13.3%などでした。 なぜMDだけの治療を受けないかという質問には、カイロプラクティックとMD治療の両立が助けになる64.8%、カイロプラクティックは症状だけでなく根源を治療してくれるから61.9%、MDの治療は特定の健康問題には効かない、カイロプラクティックは身体全体を見る、薬は副作用を生む等と続きます。 全体的に見て良好な健康状態を保つためにカイロプラクティックが重要と考えている患者達は約90%でした。 正直少し驚いたのは、通院する理由が私達が言い続けているカイロプラクティックの恩恵や効果とほぼ一致していることでした。やはり長く通院する患者達はそれなりに理由がありカイロプラクティック治療の素晴らしさを身体で感じてくれているのだと思いました。これは私達の歩みが正しいという一つの証拠です。患者はカイロプラクティックのことを私達が思う以上に理解してくれていました。しかし治療を受けた事がない人や私達の治療は腰痛だけだと思っている人々もまだまだたくさんいます。カイロプラクティックが進んでいる道はまだ険しく目的地は遠いかもしれません。ですが確実に歩んでいる結果がここにあります。立ち止まっているわけにはいきません。カイロプラクティック意識調査中島 一光DC ロサンゼルス・カレッジ・オブ・カイロプラクティック(LACC)在学中、昼休みのランチ・ブレークを利用して様々なクラブ活動が営まれていた。AK(アプライド・キネシオロジー)クラブ、SOT(仙骨後頭骨テクニック)クラブ、アクティベータークラブなどのテクニックを学ぶクラブからスポーツカイロ、クリスチャンカイロ、など活動分野、宗教、人種別のクラブまで。 1999年、LACC第3学期にカリフォルニア・パームスプリングスで初めて受講した「ガンステッドセミナー」以来、ガンステッド・カイロプラクティックにハマった私は第4学期目以降、「LACCガンステッドクラブ」に昼休み週2回、放課後もガンステッドクラブの先輩後輩や同級生とテクニック練習会を重ねるようになった。 しかし、そもそもガンステッドセミナーを受講する前までの私は、LACC修羅場のファースト・イヤー(1年目)で解剖学や生理学などのベーシック・サイエンス科目の勉強に追われる毎日で、「カイロプラクティックって一体何なの?」と聞かれたとしても自分の言葉で表現できないカイロ学生だった。 奇しくも、当時の私はプライベートな問題を抱えていた。約2年間、交際・同棲していた女性と第4学期に入った2000年早々、突然破局。LACC卒業後、彼女と結婚するプランが水の泡と消え、同棲を解消してLACC近くのアパートに引っ越し・・・。意志あるところにカイロ道(どう)が開ける?GCJスタッフ 小 野 弘 志 DCVol.18小野 弘志 DC失恋の痛手で生活リズムが乱れて学業に支障をきたし、心身ともに疲弊していた。しかし、傷心のドン底に落ちながら、ある言葉が頭に降りて来た・・・「あなたは『何のために』アメリカに留学しに来たの?」 答えは明確だった。 『カイロプラクティックが一体何か知りたい!そして、カイロプラクターになりたい!』それだけだった。 そんな時、「こんなカイロプラクティックがしたい!そして、こんなカイロプラクターになりたい!」と思わせてくれたのは、アレックス・コックスDCやその息子ジョン・コックスDC、私が師匠と仰ぐDr.ドレスラー先生をはじめとする『ガンステッドセミナースタッフとの出会い』だった。 何よりもガンステッド・カイロプラクターの仕事ぶりに魅了された。具体的に説明すると、患者さまに問診して、その背骨とレントゲンに向き合い、必要な触診や検査をして、サブラクゼーションを限定してアジャスメントを施す。職業というより職人みたいなガンステッド・カイロプラクターの後ろ姿に一目惚れしたような心境だった。 それからというもの、開催されるガンステッドセミナーを追いかけるように参加した。ガンステッドセミナーで「自分がやりたいカイロプラクティック」を勉強しているときが、言葉に表現できないくらい楽しくてワクワクしていた。 「人間万事塞翁が馬 」・・・失恋を機にガンステッド・カイロプラクティックに出合ってから、私の『本当のアメリカ留学』の道が開いた。

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