カイロタイムズ113号
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(8)2018年5月21日発行 カイロタイムズ 113号 太平洋戦争敗戦後の日本は連合国軍占領統治下に置かれ、マッカーサー元帥の指揮でGHQが当時の自由で民主的な米国社会のコピーを日本に創り出そうとしていた。医療に於いても米国にて合法であった西洋医学を許可し、その他の医療は全て禁止しようとしたのだ。内務省が解体されて出来た厚生省も医師会も異論は無かったと言われている。 進駐軍の民主化施策は、「非科学的で医学的根拠がない」という理由から鍼灸を禁止しようとしたが、それを聞いた京都帝大教授の石川日出鶴丸医学博士は、進駐軍が接収していた大阪心斎橋筋の旧そごう百貨店ビルにGHQの医療政策担当官を自ら訪れ、鍼灸を未科学故に非科学的と結論することこそ非科学的と説き伏せたのは美談だ。全国の鍼灸師達が鍼灸存続運動を展開し、按摩師柔整師達も同様の活動を起こした結果、1947年、日本国憲法下に「あん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法」(法律 217号)により現代のあはき法が制定されて、伝統医療が戦前の地位を回復した。 カイロプラクティックは1916年に川口三郎DCによって日本へ伝えられ、患者であった当時の神奈川県知事の助力もあって日本で最初のカイロプラクティック規制法の「神奈川県令(1929年)脊椎骨調整術(カイロプラクティック)営業取締規則」が施行されたが、GHQの施策で1947年に廃止された。他には東京都による警察への届出規則もあったが、同様に廃止された。これらは風俗法の様なものだったと言う皮肉な意見も聞くが、現在の無法状態よりはマシと思える。 戦後のカイロプラクティック法制化を賭して某大物政治家を擁した社団運動が起きたが、ミステリアスな噂だけ残った。20年ほどが過ぎ、1995年のカイロプラクティック百年祭に国内カイロプラクティック団体が多数集まり法制化の機運は高まった。百年祭の催しにあの一大政治家と言われる人物が出席したのを見たけれど、この団体グループによる法制化運動は財団問題で頓挫した。 百年祭の折、参加グループ代表の某DCに法制化に付いて尋ねると、「法制化なんかされたら商売の邪魔になる!」と苦々しく言って退けられた。法制化を目指し計画された百年祭と財団に、建前が法制化賛成でも本音は法制化反対の人が恐らく複数で関係したのだから、法制化が進む筈などはなかった。 財団問題に伴い、世界カイロプラクティック連合(WFC)の日本代表団体の交代劇があった。旧代表団体では財団が出来れば法制化が始まるシナリオだった様だが、緘口令とかを理由に全容が明示されなかったので、恐らく低次元の法制化が計画されていたのだろう。新代表団体は法制化をマニフェストに掲げたが、ほぼ四半世紀に渡る独自の努力の成果には未だ期待が要求され続けている。 手技としてのカイロプラクティックは療術団体の努力で法制化が進められている様だ。また一方で法制化を望む国内カイロプラクティック団体が協力し、厚生労働省と消費者庁の代表者達も参加して法制化推進準備会議が回を重ねていることは周知の事実だ。某団体の代表は世界カイロプラクティック連合に従い法制化を進める独自路線を歩むと主張し、別の団体代表は政治家を使って法制化を達成すると主張している。過去と現在の事実に照らし合わせて彼等の主張は実現性が低いと思えるし、業界が纏まるようにとの行政の要望に沿わない。既に消費者庁から危険性が指摘され、無資格手技療法として国民に危険なカイロプラクティックを行政と市民団体が仙台高裁判例に矛盾してまで許容し続けない。悠長に法制化の手段云々している間に禁止されてしまっても不思議はない状況だ。 解決策は、行政の指導に従い国内カイロプラクティック団体が纏まって法制化をするか、医業類似行為から除外さ御意見番 物申すカイロプラクティック法制化への道筋中 垣 光 市 DCれるかの二択なのだ。国民の健康と安全を視野に入れ、医療として法制化する為に、カイロプラクティック法制化準備会議が勝手に降って湧いた訳も無ければ、行政代表を混じえて永遠に継続される筈もない。次の段階は法制化会議と想定される故、全ての国内業界団体は、現実を冷静に判断して、規制無しに参加できる内に参加して、意向を明らかにするのが賢明だ。厚生労働省が法制化準備会議事務局にカイロプラクティックの科学的根拠の提出を求めている現状では、まともなカイロプラクティック業界団体ならば、公正公平を期して纏まり、協力することが最も重要だ。 前回の「ブランディング」についての記事はとても興味深かったとの声が多かったですね。さて、今年が始まってもう4ヶ月が経ちました。 みなさん着々と目標達成に向かっているとは思いますが、今日は施術家や治療家が成功するための大原則をお伝えしようと思います。 我々治療家に入ってくる収入源は患者さんの払ってくれる施術代です。保険診療をしていて国保連などからのレセプトが収入の先生もいるかもしれませんが、これも最終的には患者さんが支払う代金を保険が一部負担しているだけなので、結局は患者さんの支払う治療費が収入となります。そう考えると治療家の収入を向上させるための方法は限られてきます。実際に「あなたはどうしたら治療家として収入が増えて成功すると思いますか?」と質問すると「新規の患者さんを増やす」という答えが返ってくることが多いです。新規患者を増やすことが一番はじめに思いつくでしょうし、実際にこれをがんばっている治療家も多いと思います。しかし、それをいくらやってもなぜかちっとも収入は増えず、いつまでも大変な思いをしている治療家の先生も多いですよね。それはいったいなぜなのか。簡単に言えばそれだけでは収入を向上させて成功するには不足しているのです。実は、売上を増やすためには忘れてはならない普遍的な大原則があるのです。 その成功の大原則とは何か? それは次の公式のことです。「売上=患者数×単価×来院回数」です。例えば、月に300人の新規客が来て、その治療代が1人5,000円で1回しか来なければ、売上は150万円になります。もし全員が2回来てくれれば、300万円になります。 単純な計算ですが、これを見落としてしまっている方も多いのが現状です。今のあなたの状況はどうでしょうか? 現況をしっかり把握し、まずは弱いところを強くする(増やす)ことをしていくと良いでしょう。どれが一つでも低いところがあれば、収入を増やして成功を収めることは難しくなります。まだあなたが駆け出しの治療家なら、新規患者さんを増やしていくことに力を入れると良いでしょう。 「単価」についてですが、これはお店でいえば「客単価」です。メイン商品である治療費を上げるのもひとつですが「商品販売」も単価を上げる成功の大原則vol.18vol.18井元 雄一PhD方法です。患者さんが良くなるための治療院なのですから、良くなるために必要な商品があれば勧めればいいのです。そして、来院回数=リピート率を上げること、ここが出来ていない先生も多いのではないでしょうか?しかし、ここにこそ成功の鍵があるのです。 改善のために、そして健康な状態を維持するために患者さんは来院します。でもそれだけでは足りません。患者さんに自分のファンになってもらうことが必要なのです。 300人の新規患者を作るより、同じ患者さんが月に2回来院する方が簡単だし、実は一番早いのです。今一度、あなたの状況を確認し、弱いところがあれば改善していきましょう。あなたの目標に向かって着実に進んでいくことが大切です。 業界専門紙カイロジャーナルが休刊になった今、弊紙カイロタイムズのみが業界専門紙となってしまいました。 我々カイロタイムズ編集部の使命は、業界の動向や情報、ホットなニュースなどを中立な立場で正確に読者のみなさまへお届けしなくてはなりません。法制化に向けて働きかけを行っている中、進捗情報等をお伝えすることをはじめ、業界唯一の専門紙として、引き続き精進して参りますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。編集後記カイロタイムズでは、皆様からの広告・寄稿・情報提供を募集しております。〒160-0023東京都新宿区西新宿3-1-5新宿嘉泉ビル8FTEL0120-223-505 FAX0120-223-509E-mail:info@chiro-times.co.jpURL:http://www.chiro-times.co.jp/日本医科学出販株式会社 カイロタイムズ編集部でタブーあるあるとして、「先生のところの技術を身に付けたい」という志望動機です。先生からすると、技術を盗まれてすぐ辞められるのではないかという感覚になられるそうです。なので、条件面以外でピンときた内容をいくつか挙げてみあくまで内容に共感したポイントを伝えよう 選んだ基準は休みが多かったから、勤務時間が短かったからという本音はあると思います。さすがにそこを志望動機にする人は、アルバイト採用の方くらいだと思いますが、この業界就職・転職の心構え第4回ましょう。一番響いた内容だけ書く志望度の高い求人になると、あれもいいこれも良いところがある、となりがちです。全部書きたくなるのはやまやまですが、一番響いた内容だけを書きましょう。もし、志望動機をしっかり伝えたいのであれば、面接で伝える機会もありますし、履歴書にある志望動機欄には、会いたいな!詳しく質問してみたいな!と思っていただけるのがちょうどいいです。自分との共通点を大切にする なぜその志望動機なのか、それは自分の就職活動の軸にしていたからというのは単純明快です。なぜその就職活動の軸で探していたのかという理由を記入すれば、響いた内容に説得力が湧き、採用したくなる志望動機の書き方就職・転職の心構え採用したいと思いたくなります。 志望動機を書くときのポイントは、好きな人に告白するイメージと同じです。あなたは可愛いから、かっこいいから、身長が高いから、という外見を褒められてもうれしくはありません。性格や考え方が合うからと言われた方が嬉しいですよね。面接担当も人なので、好きなところを伝えるのは同じです。次回は、いよいよ面接!ウチに来てほしいと思ってもらえる面接はどんなものかをお伝え致します。https://job-note.jp/ 今回は採用の要となってくる志望動機の書き方についてです。実際に志望動機を書こうと思うと、あの小さい枠にいかに上手く志望動機を伝え、アピールすればいいのか、頭を抱えます。では、どんなことを伝えれば、この人と働きたいと思っていただけるのか、好印象を与えるのか、3つのポイントに絞ってお伝えします。

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