カイロタイムズ112
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(4)2018年2月19日発行 カイロタイムズ 112号上村 高史DC シンガポールサッカーリーグでの症例。前回もお話ししました試合中に相手の肘打ちが顎に入ったケース。口が自分で少しも開けられない程酷い状態でした。この時も美容整形外科医と口腔外科医のどちらがベストか議論になりましたが、歯列破損も大きく顎関節の縫合では著名な口腔外科医のプレゼンテーションに美容整形外科医が納得してくれて何かあれば全面協力すると言っていただき、口腔外科医にお願いしたケースでした。下顎の両方が折れたケースはとても珍しく手術後の入院中で初めのうちは針金で上下を固定されて口が開かず流動食のみだったことで選手のストレスはとても大きかったです。 私自身も毎日病室に行き体調を確認しました。結局手術後、顎が完全に治るまでに2カ月かかり、その後もう1カ月リハビリ、グラウンドで走る、蹴るトレーニングをして、練習に合流出来るまでにしました。その間医療用高密度酸素カプセルにも毎週入りました。 そのような酷い怪我でしたが、その後本人の頑張りとトレーニングの成果の向上で、毎試合良いパフォーマンスを発揮し、オールスターに選出される選手にまでなってくれました。トレーナーとして怪我から復帰して数か月経ってホッとしたことを覚えています。そのオールスターには同チームから4人も選出され、私もオールスターチームトレーナーの一人として選出いただきました。お祭りのような雰囲気なので他チームの選手同士仲が良く、普段見る事がない光景でした。 その酷い怪我をした選手も6年前に結婚式に招待してくれて、今は将来の選手育成の為にJリーグでコーチになっています。当時の各選手がJリーグの色々な地域から来ていましたので、現在私が出張で他府県に行く度に再会し、選手達とも繋りがあり、その時の治療選択は間違っていなかったと、今でも思っています。シンガポール以外にも現在アメリカ、オーストラリア、インド、タイ、インドネシア、ドイツで活躍している選手からもセカンドオピニオンとして治療の選択、画像のメールが届いたり、怪我をした国で治療するのが良いのか?日本で治療する方がベストなのか?も相談される事が多くあります。 当時お世話になっていたシンガポールの各専門医、アンチドーピング協会の会長の整肘打ちで両下顎関節骨折させられた選手のケースDrDrムウエムムウエムララののリアリリア床ダイアリー臨床ダイアリDr ウエムラの臨床ダイアリーVol.8上村高史 DC形外科医とも交流が続いており、とてもありがたいです。またシンガポール人選手やその医師の患者でカイロプラクティックが必要な場合はお願いされてシンガポールへ行くこともあります。当時は必至でしたが今でも良い関係を築けて嬉しく思います。そういう経験があったので日本に帰国したらどうしようか?と考えた時にアメリカやシンガポールでのことと同じことがしたいと思い現在に至っていると思います。 こちらは余談ですが、以前カイロタイムズで掲載した酸素カプセルの記事で、国内企業様からご連絡をいただき、最新酸素カプセルを体験させていただきました。その際に他の企業様とも繋がることができました。この場をお借りして、厚く御礼申し上げます。 今回も、小児カイロのアジャストメントをきっかけに歩けるようになり、さらに脳機能や発達が大きく改善した、もうすぐ4歳になるYくんという男の子のお話です。独歩が可能になり活動範囲が飛躍的に広がったことと同時に、言葉や理解力など、高度な脳機能の向上を脊柱アジャストメントが促すことになったケースです。2歳前になっても歩けず、全体的な発達の遅れを心配された家族がインターネットで小児カイロを見つけてのご来院でした。 まずはママのコメントから:全体的な発達の遅れがあり、1歳10カ月になっても「独歩」ができず、手を持ってやると左足を引きずっていたことと、立った時の姿勢に違和感があったため、小児カイロを受けようと思いました。 すると、初めての施術から、たった2日で歩けるようになり、さらに施術回数を重ねるたびに言葉や遊びの種類が増え、1歳〜1歳10カ月の間、成長が感じられなかったが、小児カイロを受けてからは日々成長を感じるようになりました。医師や保健師さんには「様子を見ましょう」としか言われなかったが、小畑Drに相談して不安な気持ちが晴れましたし、子どもの指さしや要求の伝え方がうまくなり、とにかく育児が楽になりました。 これは前回のRちゃんと同様に、Yくんへの脊柱アジャストメントが運動感覚神経系および脳機能と筋骨格系の状態を改善したため、いち早く独歩が開始出来たと考えられます。一方で、脊柱アジャストメントが言葉や理解力など、高次の脳機能向上に貢献するケースも小児カイロ分野においては決して珍しくありません。つまり、脊柱周辺からの脳への神経入力が改善↓脳機能が活性化↓言葉の増加や理解力と行動が改善される、というメカニズムだと考えています。「手先を使うと脳が活性化する」と言われますが、実は活発な脳機能を支える上で「脊柱」も非常に重要な役割を担っていることが指摘されています。そう考えると、成長著しい子どもたちではもちろん、あらゆる年齢層においても、脳機能を高レベルで維持する脊柱アジャストメントの役割は大きい!そう言えるのではないでしょうか。 現在、産休育休後に職場復帰をする方が増加しております。今回のケースのように脊柱アジャストメントは、子供の発達改善という部分的な箇所だけではなく、ママさんの心配事を減らすことも出来るともいえます。vol.16子どもの歩行と脳機能を    支える小児カイロ 産後において、一般によく言われるのは「骨盤矯正」ですが、CACCPとして指導するのは、①へその緒について、②母乳について、③赤ちゃんのケアについてです。 ①は、産後すぐにへその緒を切るのは通常になっていますが、私は最低でも1分、できれば脈がなくなるまで切らないでほしいと言っております。本来へその緒はお母さんと赤ちゃんを繋いでいる血管です。出産が終わった後も脈を打ち、最後に赤ちゃんに必要な細胞や栄養分を与えています。それを切ってしまうのはいかがでしょうか。最後に必要な細胞と栄養をきっちり与えられたかどうかによって赤ちゃんの体調もよりよくなり、お母さんの身体の回復、特にホルモンバランスの回復はより早くなると思っています。 ②は、母乳を与えれば与えるほど子宮の収縮を促します。大きくなった子宮を通常の大きさに収縮させることで、広がった骨盤も同時に元通りに戻ってきます。(もちろんこの時期にカイロプラクターとしてのアジャストメントは必要です)それから、母乳を与えることによる乳首への刺激、そして触れあう(アタッチメント)ことで視床下部への刺激があり、女性のホルモンは良いバランスを保っていくことができます。加えて、母乳を作るプロラクチンは子育てにおけるネグレクトを防ぐ効果があると言われています。プロラクチンはいわゆる母性を促すホルモンなのですから、母乳をしっかり与えましょう ③は最も大切です。産まれてきた赤ちゃんは非常にストレスと緊張を感じています。そんな赤ちゃんを労わらずに、お母さんばかりをケアするのは順番が違うと思います。赤ちゃんのストレスと緊張を取り除くために小児カイロの原点はあると思っています。そのストレスと緊張を取ることで、まず向き癖や夜泣きがなくなり、おっぱいもしっかり飲んでくれます。それは、要するに『子育てを楽にする=お母さんが楽できる』ということになるのです。お母さんが穏やかに楽な子育てを楽しむことができれば、睡眠もしっかり取ることができ、体調の回復も早まると思います。 「骨盤矯正」だけに目を向けず、産後のハッピーライフのために少し目線を変えてみてはいかがでしょうか?山地 梨映子 DC、CACCP山地 梨映子DC、CACCP産後における カイロプラクティックの役割(6) 2018年あけましたね。今年もどんどん経営ノウハウをお伝えしていきますので楽しみにしていてください。 今回は「ブランディング」についてお伝えします。聞きなれない方もいるでしょうが、実はこれもよく問い合わせを受ける内容になっております。とは言っても「ブランディングってした方がいいですか?」、「ブランディングってどうやるんですか?」などの基本的な質問が多いですね。 ブランディングをやったほうがいいかと聞かれれば、それはもちろんやったほうがいいのですが、まずその理由から。ブランディングというのは、簡単に言えば「有名になる」ということです。 我々の業界では、有名な先生=実績のある先生=信頼できる先生と認知されやすい業種でもありますから、他の業種に比べてその効果は大きいわけです。 例えば、テレビにも出ている有名な先生と、どこの誰かもわからない先生とだったら、信頼感は全然違います。 もう少し詳しく言えば「その道の専門家として認知される」というのがブランディングの本質です。 なので「腰痛と言えば〇〇先生」「スポーツ障害と言えば○○先生」というように地域や住民に認知されれば、その効果は絶大ですよね。 さて、そんな効果の大きいブランディングをどうやるのかという具体的な方法は、本当に様々な方法がありますので、この紙面では答えきれないのが正直なところではありますが、基本的にはメディアを使ってブランディングを確立するのが王道と言えます。 メディアというのはテレビ出演、雑誌や新聞掲載、書籍出版をするなどですね。これらのチャンスがある先生は、ぜひブランディングを意識して実施してみてください。 また最近では、インターネットを使ってホームページやSNSを活用する例も非常に多いです。 これだとお金も時間もかからずに手軽に行うことができるので、まずはこれらを使ってブランディングにチャレンジしてもよいですね。 注意点として、それぞれの媒体ごとにブランディングをする方法は随分と違います。どの媒体でも同じことをやっても効果は半減してしまいます。 1つの媒体のブランディング手法だけでも本が1冊書けるくらいのボリュームがありますが、まずはホームページブランディングvol.17vol.17井元 雄一PhDやSNSを使って2018年のブランディング戦略を実行してみてください。 余談ですが、昨年からカイロタイムズを読みましたと美容院やピアノ教室の先生から直接の問い合わせが何件かありました。内容は、「紙面にあったノウハウをもっと詳しく知りたいです」とか「井元先生のコンサルを受けたいです」など様々。 異業種から学ぼうという姿勢は素晴らしいです。私がこの業界でありえない結果を出し続けているのは、通販業界やテレアポ業界、社員研修や教育産業などの成長している異業種からたくさん学んで、それを院経営に取り入れていったからです。 みなさんも2018年はぜひ異業種から学んで有機的化学反応を起こしていってくださいね。

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