カイロタイムズ111
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(8)2017年11月20日発行 カイロタイムズ 111号 救急病院の処置とすれば、1日観察入院もあり得るが、異常が(見つから)ないから問題なしでバイバイだったのか、痛みが続くなら再診を勧められたのか、詳しくは全く分からない。救急病院へ行ったと想定して、そこで異常がないと言われたのであろうケイティは、痛みの原因を神経圧迫と考えて、カイロプラクターを訪れた。 ケイティを受け入れたカイロプラクターは、転倒事故があったことを問診で聞いたはずだ。仮にケイティが転倒事故直後に救急病院へ行っていたとすれば、それについても聞いたはずで、ケイティが感じた重篤性を共有し得た。即ち、このカイロプラクターは、少なくとも転倒事故のメカニズムと急性期における潜在的な危険は知り得たと思われるのだが、どのような処置がなされたか、あるいはなさなかったのか定かでない。然し、頚椎のアジャストメントは行われたかも知れない。痛みが治まらぬケイティは再診でそのカイロプラクターを訪れようとしていたのだ。 さて、椎骨動脈?と注意深い読者は仰るだろう。日本の業界関係者経由で見たL.A.郡検死官の報告書は、鈍力によってアトラス(第1頸椎)レベルで両側の椎骨動脈に内壁の損傷が起こり、損傷部に生じた血餅が引き起こした卒中を病理学的な直接の死因と断定している。メディアが言う左頚動脈損傷の記載は筆者の記憶にない。更に、検死報告書はカイロプラクターの仕業とは一言も記載していない。 検死官の報告書が出る前から、メディアの問いに答えた米国のカイロプラクティック業界人達は、臨床的死亡事故の統計的確率を述べ、因果関係の上で転倒事故が悪いとか、救急救命医の責任だとかを口にした。カイロプラクティックによる死亡事故確率は統計的事実であっても、それでは当該カイロプラクターの非を認めるばかりでなく、カイロプラクティックを危険と宣伝するに等しい。責任転嫁に至っては、プロフェッショナルの発言としては相応しくない。 メディカルの死亡事故の場合、メディック達が、特定の手術に関わる臨床的死亡事故の統計的確率を述べたり、転倒事故が悪かったとか、カイロプラクターが悪かったなどを凡そ言わない。メディック達ならば、先ず被害者の死を悔やみ、業界として直ちに該当する手術を自粛し、専門研究機関を介して手順を見直し、安全な手術を提供できるようにすると言うだろう。だから、カイロプラクティック業界が組織医療より下に見られるのだ。 日本のDC逹数人に意見を聞いてみたら、メディアに答えた米国業界人と同様のことを述べている。ここに大きな考え違いがある。仮に厚生労働省の課長補佐とかがそのような発言を聞けば、そんなことを言うならアメリカへ戻ってカイロプラクティックをやってくれと言うだろう。 この死亡事故は偶々、米国で起きたが、決定的な死因か否かは今後の検証に委ねるとしても、カイロプラクターの関わりがあったことに疑問の影の余地もない。カイロプラクターにはアジャストすることが仕事だから、アジャストしなければならない気持ちに駆られることは理解できるが、もしもこのカイロプラクターが、ケイティにせめて整形外科にでも検査を勧めていたら、ケイティを救えたかもしれない。 米国業界はケイティの死亡を統計学的な扱いで終えようとしているが、それで良いのだろうか。まして日本の業界人が、対岸の火事を見て評論家を装うのは大間違いも甚だしい。総じて「高い、効かない、危ない」が相場と言われる日本のカイロプラクティック業界では死亡事故確率が米国と同じとは言えないはずであるし、ケイティの死因が転倒事故であれアジャストメントであれ、「玉石混淆」の日本業界で、カイロプラクティックの安全性を担保する指導者の立場を期待される者達は相応に考えて振る舞うことを学ぶ機会ではなかろうか。ケイティ・メイ死亡事件②中 垣 光 市 DC カイロプラクティックは哲学・科学・芸術の三位一体であることは、創始者のDDパーマーによって定義に謳われています。 その芸術にあたるのが静止触診、動態触診などパルペーションや、矯正操作のアジャストメントといった、ドクターが素手で行う「手技」の部分です。 ところが、定義によって「素手によってのみアジャスト」と定められているにも関わらず、道具・器具を使って矯正・調整操作を行おうとする者がでてきました。 カイロプラクターが用いるテクニックで道具を施術に使うものは、アトラスオーソゴナル、ペティボン、コーレン・スペシフィック、グラストン等々がありますが、最もよく知られているのはアクティベーターでしょう。しかし、意外と知られていないのはアクティベーターのルーツです。 写真は、パーマーカイロプラクティック大学のLYCEUM HALLのフロアーに展示されているものを撮影したのですが、そのルーツが説明されています。 その説明では、「1945年5月に特許取得した改良型Dr. Reiterのオートマチック手術用マレット(槌)。それを改装したものがアクティベーターとして1984年にカイロプラクティック界に紹介された。」と書かれています。 そう、アクティベーターは元々、医師(MD)が手術に用いる手術器具だったのです。その先端に装着する付属部品を金属の刃からゴムに挿げ替えたものをアクティベーターと名付けてカイロプラクティック界に持ち込んだのです。 アジャストが下手で手などを傷めたDCが代替案で器具を開発し自分で使う分にはまだいいのですが、米国人はすぐにセミナーをして稼ぎ、器具を売って稼ぎ、と商売にして他に売りつける傾向があるのも問題です。 一般の常識からすれば、手術器具を用いて施術を行えば、それは手術を行った(医療行為)と見なされても仕方がないのですが、一部のカイロプラクター達から受け入れテクニックに絡む問題1松下 順彦DCVol.られました。 カイロプラクティックの定義に沿った本来のカイロプラクティックのテクニックは素手によってのみアジャストするのですが、それらは修得するのに相当な訓練が必要であり、容易ではありません。 しかし、器具を用いて脊柱周辺に刺激を与える方法であれば、そのプロトコールさえ覚えればよいので誰でもすぐに使えることから受け入れられやすいのでしょう。 また、素手によってアジャストする場合と比較してアクティベーターのような器具で刺激する方が安全であるようなことを宣伝する者もいますが、それは正しいとは言えません。 私のクリニックの患者の中で、過去にアクティベーター等の器具を用いる治療を受けて体調が悪化した経験を報告アクティベーターされた方も何人かいますし、2016年10月にはアクティベーター施術後に脳内出血を起こした症例が報告されています。https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5167612/ カイロプラクティックと脳出血のリスクについて医師から攻撃をうけるのは、器具による施術でも例外ではないのです。 個人の信条や哲学が西洋医学崇拝・偏向な人や金儲け主義の人がDCとなっても、カイロプラクティックの哲学や創始者DDの定義などに敬意も興味もなく、自分勝手な都合のよい理屈でカイロプラクティックを本来あるべき方向から悪しき方向へ牽引しているようですが、器具を用いて施術することも、その代表的な一例と言われています。ピスト業界特化型で、求人掲載数も№1です。登録が完了したら、ピンときたところをお気に入り登録するところから始め、距離や給与などの条件面で検索をかけていきましょう。希望条件が高すぎると、該当する求人が少なくなるだけなので、まずご自身の求人サイトに登録し、お気に入りを見つける まずは求人サイトに登録することから始めましょう。求人掲載数が一番多い求人サイトで、さらにその職種専門で扱っているような求人サイトが一番効率的です。ちなみに、ジョブノートは治療家・セラ就職・転職の心構え第2回最低限満たしたい条件に絞ることをオススメします。平均応募社数は、2〜4社 前提として、カイロをはじめとする業界に絞って探しているとします。その場合、平均2〜4社ずつ応募して、決めていらっしゃいます。『たくさん応募した方がいろいろと精査できていい』という意見もありますが、正直なところ、あまりオススメはしません。いろいろみてしまうと、どこが自分に合っているのか分からなくなってくるという方が多いです。また、複数応募することで、すべての求人の内容を把握しきれなくなり、それが面接で伝わってしまうことで、内定が出にくくなる場合があります。迷うくらいなら応募する 逆に面接を受けるほど志望度が高くないので、応募するのに勇気がいるという方もい実際に応募してみる就職・転職の心構えらっしゃいます。話だけでも聞いてみたいという興味があるなら、まずは応募することです。お話しするのは無料くらいの気持ちで臨みましょう。多くの方が、面接で質問攻めされるイメージが強く、応募に踏み切れないと伺います。もちろん質問はありますが、実際は会社の説明を聞けることの方が多いです。どうしても確認しておきたいことがある場合は、電話で気になる部分を質問してから、面接に進むのもありです。 次回は、応募してから履歴書や志望動機などの書き方をレクチャーしていきます。今後も採用いただけるまでのほんのアドバイスになればと思いますので、よろしくお願いいたします。https://job-note.jp/ 前回の投稿では、〝就職・転職〞に成功している人の共通点をご紹介させていただき、将来やりたいことから逆算をする、目先の条件に囚われすぎないことが大切、とお伝えしました。早速、自分のやりたいことや就職・転職の軸が固まり、次のステップとして、「求人を探してみた。けれども、どういうところから応募すれば良いか分からない」という方に、抑えておきたい3つのポイントをお伝えします。 日本では未だ法制化(国家資格化)になっていないカイロプラクティック。これは、数十年業界の重鎮たちが追ってきた最大の政策のひとつである。 現在では、弊紙でも追っている「カイロプラクティック法制化推進(準備)会議」をはじめ、数々の業界団体がそれを望んで働きかけをしているのは読者の方々も知っているだろう。 危険手技療法が多くなってきた今日、厚生労働省医政局のご指導の下、「カイロプラクティック安全施術講習会」が今年から開催された。安心安全の手技を再度確認も含めて、学んでいただければとカイロタイムズ編集部一同心よりお願い申し上げます。編集後記カイロタイムズでは、皆様からの広告・寄稿・情報提供を募集しております。〒160-0023東京都新宿区西新宿3-1-5新宿嘉泉ビル8FTEL0120-223-505 FAX0120-223-509E-mail:info@chiro-times.co.jpURL:http://www.chiro-times.co.jp/日本医科学出販株式会社 カイロタイムズ編集部

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