カイロタイムズ111
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(7)2017年11月20日発行 カイロタイムズ 111号連絡先NPO法人アトラス・オステオパシー学院アトラス・オステオパシー学院「2018年度生募集」入学金30万円 年間授業料230万円(早期割引・分割納入可)詳細はHP入学案内をご覧ください。〒253-0002 神奈川県茅ヶ崎市高田4-4-27 長谷川ビル2FTEL:0467-84-7012 / FAX:0467-84-7072ホームページ:http://e-aco.org/効率よく学び、内容はそのまま 応用力のある施術家を育成カリキュラム変更・・・理論と実技を1年間で 1959年に始まり、以降2年おきに開催されている東南アジア競技大会(SEA Games)。今年は、その第29回 大会が、マレーシアの首都クアラルンプールで8月19日から31日に開催されました。シンガポール史上初めてのオリンピック金メダリストとなった選手も参加するということで注目度の高い大会でしたが、残念ながら前大会のメダル数には及ばず、シンガポールの獲得メダル数は金57個、銀58個、銅73個の計188個。結果はマレーシア、タイ、ベトナムに次ぐ第4位で大会を終えました。シンガポールにとって大会自体は惜しい結果となりましたが、個人的には、ここ数年間カイロプラクティック治療をしている2名の選手が、女子体操競技と女子高飛び込みで銀メダリストになったことはとても喜ばしいことです。彼女たちには、これからもいくつかの大会が控えているので、更なる活躍を期待しています。また、リオオリンピックでは、7競技25名という過去最大参加数となったシンガポール。東京オリンピックではどれだけ参加数を増やせるかが今後の課題ではあるでしょうが、当地のオリンピック評議会も以前より選手強化の傾向が見られます。そんな中、今年度のシンガポール学校スポーツ評議会付けのベストボーイとベストガールに、数年治療をしている2人が選出されました。治療の成果が目に見えるのは治療者として喜ばしいことですし、高みを目指して頑張る競技者たちを陰ながらでもサポートしていけたら嬉しいです。 しかし、こうした明るいニュースの一方で、心痛むある老人の話も耳にしました。その方はカイロプラクティックをよく理解していないにも関わらず高額パッケージを契約させられました。けれども、結果的にはオーバーアジャスト気味な回数の来院をしないと消費できないようになっており、更には払い戻しも受けられないという損なパッケージ内容だったようです。また、ここまで非常識な契約内容ではなくても、相変わらず高額な治療パッケージを契約させるカイロプラクターが未だに多くいるのも事実です。患者さんや知人からそうしたモラルのないカイロプラクティック治療の話を伺うたび、同じカイロプラクターとして怒りを感じますし、何よりもカイロプラクティック治療そのものが誤解を受けてしまうのはとても悲しいことです。カイロプラクティックは不当に使われてはいけないのです。SEA Games齊田 貴文DC 1780年代から1850年代にわたって「正統医学」が「英雄医学」と呼ばれた頃、無謀な医師や危険な治療法よりも寧ろ患者のほうが英雄であった社会背景の中で、代替医療は花開いた。この社会背景があったからこそ、カイロプラクティックの発祥が見られたのだが、同様にオステオパシーなど他の治療法が異なる理論体系の下で生まれた。「この社会背景」と言えば足りるのかもしれないが、100年も前のことなのだから、もう少し遡って歴史の流れと当時の社会的な気分や雰囲気とかに触れておこう。 蒸気機関による産業革命は、1770年に激化し、人々のライフスタイルを変え、結核と梅毒の蔓延とカイロプラクティックへの偏見を導いた。ヒポクラテスの時代から内科医も外科医も行っていたマニピュレーションの有効性を説く意見もあったが、「結核に冒された関節のマニピュレーションは悲惨な結果をもたらす」と医師のポット卿(Sir Percival Pott)が報告したことも関係して、1795年から1895年、医者達は脊椎マニピュレーションを敬遠した。そして米国では1858年の医療条例以後、ボーンセッターを全力排除した。 蒸気機関車や蒸気船が水陸交通を容易にしたが、ガソリンエンジン発明は新たな産業革命を起こしていた。相対性理論の発表までにアインシュタインは少し時間を要するが、1898年にフロイドが精神分析において独創的で影響力の強い研究である夢の解釈を発表して、ツェッペリン飛行船の初飛行が20世紀の幕開けを告げた。マルコーニが無線電信の実験に成功して、それが後にラディオやテレビジョンとなっていく。1903年にライト兄弟が初の有人動力飛行に成功したと言われている。19世紀末から20世紀初頭は、米西戦争の記憶も新しく、機械の時代と産業革命の世界観は激動的であった。 医療分野では、廃止後半世紀、医療条例の再提出が着々カイロプラクティックの歴史(第6回)カイロプラクティックの歴史(第6回)中 垣 光 市 DCパーマー登場の社会背景と進められ、米国医師会(AMA)が折衷主義や同種療法を教える医学校を排除したり、あるいは吸収することに益々成功して、助産術の吸収か排除をも決めていた。 しかし、アロパシー(異種療法)の権威に対する新たな挑戦は増えていた。英国系ボーンセッターのA.T.スティルを始祖とするオステオパシーの専門家達は1893年以来、無資格医療の起訴に耐えてきたが、1901年までに14州ほどがDO(ドクターオブオステオパシー)の免許交付を許可していて(Gevitz, 1982, pp. 40-2)、オステオパシーの教育は既にカリフォルニアにまでも広まっていた(Booth, 1924, p. 89)。売薬業者は1906年の食品薬物条例の拘束を未だ受けずに繁盛して、魔法の治療薬を売る旅回わり興行は非常に人気があった。電気医療の治療家達も同様に活動の場を広げていた。特にAMAの裏庭であるシカゴで。 ニューヨーク市ではラスト(Dr. Benedict Lust)がアメリカンスクールオブナチュロパシーの運営を始めたばかりだった。自然治癒の原因とナチュロパシーの方法についてラストの定期刊行誌、健康の使者で全米に報道されることになっていた。またニューヨーク市はマクファッデン(Bernarr Macfadden)の生まれ故郷で、彼の刊行誌である肉体文化と数冊の書物を通じて、健康とボディービルディング運動は急速に成長していた(Ernst, 1991)。 一方、1886年に磁気治療家になったDDはアイオワ州バーリントンからダヴェンポートに移り、1895年9月18日、水曜日の午後4時にDDが最初のカイロプラクティックアジャストメントを行って、ハーヴィー・リラードの難聴を治療したことでカイロプラクティックが始まって、1896年6月に、患者で友人でもあったウィード牧師(Rev. Samuel H. Weed)の示唆でDDの新しい治療法を「カイロプラクティック」と命名した。 1896年の夏にパーマースクールオブマグネティックキュアとして法人組織にするために有限責任会社化された(Wiese, 1986)学校は「ドクターパーマーのカイロプラクティックスクールアンドキュア」(Dr. Palmer’s Chiropractic School & Cure)として知られるようになった(Palmer, 1901)。 そして、1902年にDDはダヴェンポートを去る。この続きは次号のお楽しみに。などがあります。なかでも、CPAPは鼻にマスクをつけて空気を送り込むことにより、空気の圧力で気道が閉じるのを防ぎ、呼吸を確保する器械です。家庭でも簡単に使用でき、効果の高い治療法とされています。 オステオパシーの見地からすると、咽頭・喉頭部の筋を支配する鰓弓性運動神経の機能障害があれば、支配する部位の筋が弛緩して気道を閉塞しているかもしれないと考えます。咽頭・喉頭部の筋の運動神経といえば、迷走神経(CN-X)あるいは舌咽神経(CN-Ⅸ)で、これらの脳神経に頭蓋オステオパシーでアプローチをすると改善が見込めます。また、患者を指導し、弛緩しているぜい肉を減らして症状の改善に努める等、様々な効果をもたらします。 最近、「睡眠負債」という言葉が、テレビ画面を賑わせているようですが、この言葉はスタンフォード大学の研究者により提唱されたもので、『日々の睡眠不足が借金のように積み重なり、心身に悪影響を及ぼすおそれのある状態』ということです。現代人の多くが一日3〜5時間の睡眠時間で働いていることに警鐘を鳴らしているのです。彼らによると睡眠の質にもよりますが、一日8時間の睡眠をとるのが望ましいということです。睡眠負債は、将来に認知症になるリスクが高いという報告もあり、今後の研究に注目したいところです。 前編でふれた睡眠時無呼吸症候群(SAS)ですがこれは、睡眠中に呼吸が止まってしまう病気で、その病気の原因は主に2つあるといわれています。①閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)②中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSA) (OSA)は、呼吸する空気の通り道の上気道が物理的に狭くなり、その結果として呼吸が止まってしまうものです。気道の空気の通過するスペースが狭くなるのは、頚部やのど周りの脂肪沈着、扁桃肥大や舌根、口蓋垂、軟口蓋などによる上気道の狭窄が挙げられます。この場合、気道が狭くなって呼吸がしにくくなるため一生懸命呼吸をしようと努力します。 (CSA)は、呼吸中枢の異常による睡眠時無呼吸タイプです。肺や胸郭、呼吸筋、末梢神経には異常がないのに、呼吸指令が出ないことにより無呼吸が生じます。OSAと違い、気道は開存したままなので、呼吸しようという努力がみられません。 これらの治療法としては、減量、生活習慣の改善、CPAP、口腔内装置、手術治療「眠り」後編

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