カイロタイムズ111
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(4)2017年11月20日発行 カイロタイムズ 111号 感覚器とは通常、視覚器、平衡聴覚器、嗅覚器、味覚器、皮膚の5種をいいますが、ここでは、視覚、聴覚、嗅覚に関するものについて、解説をさせていただきます。高齢者の方のみならず、コンピューターやスマートフォン等の普及により眼精疲労を含め、眼の不調を訴えるクライアントさんが増加しています。 高齢者に多い、白内障、緑内障など様々ですが、東洋医学では、眼は肝の支配下にあるので、肝臓に関する血液検査等の結果が正常値であっても、肝のケアが欠かせません。また、老化に伴う症状と判断されるときには、腎も併せて調えることが必要とされます。 耳の不調は、難聴、耳鳴りに代表されますが、メニエール病、前庭神経炎などめまいを伴うものもあります。これらの症状には、腎を整えることが必要であると考えるのが東洋医学です。 嗅覚の異常(過敏症状・消失)、花粉症、副鼻腔炎、蓄膿症などの鼻の症状は、肺を整える必要があります。 私は、ニュースキャンSWⅡ(以下、ニュースキャンという)を用いて、これまでに延べ約8200人の方のセラピーをさせていただいていますが、視界が明るく感じる、テレビのボリュームが低くなった、花粉の多い時期でも楽に暮らせるようになったというコメントが多く寄せられています。人には勝手に治っていく力というものがあります。けがをすれば、患部を縫合したり、骨折をすれば、ギプスで患部を保護したりという手当を施しますが、傷を治すのも骨をくっつけるのもクライアントさんにもともと備わっている自然治癒力のなせる業なのです。 ニュースキャンは、それぞれの部位が持っている固有の振動数(周波数)のゆがみを共鳴共振の原理で修正するマシンです。例えていえば、ピアノの調律の人間版ということになります。身体の不調というものを物理学的に考えてみると正常な周波数に乱れを生じているということになります。ならば、正しい周波数を故障部位に共鳴共振させて、チューニングをすればいいという理屈が波動医療の根本的な考え方になるのです。田中 凡巳 博士Vol.7Vol.7補完医療と波動療法田 中 凡 巳 博士「感覚器へのアプローチ」 平成29年8月20日(日)に新大阪丸ビル新館会議室において、日本カイロプラクティック徒手医学会主催の第2回CDF研修が開催されました。「スポーツ臨床とカイロプラクティックケア」というテーマの元に、スポーツ臨床においてトップレベルの経験をもつ後藤雅博先生と江口典秀先生を講師にお迎えしたフォーラムは、全国から大勢の臨床家が参加され、講師と受講者との質疑のやりとりも活発で大盛況の研修となりました。 記憶に新しいリオデジャネイロ・オリンピックにおいて公式医療スタッフとしてご活躍された後藤雅博先生は、カイロプラクターとして参加された時の苦労や制度的な問題を取り上げ、来たる東京オリンピックに向けて問題提起されていたことに、一人の業界人として考えさせられました。 FMS(ファンクショナル・ムーブメント・スクリーン)やSMFA(選択的機能動作)の概念のご紹介に始まり、クライアントのスタビリティやモビィリティの機能評価、そしてモーターコントロールの異常を検出する重要性をお話しされました。 江口典秀先生は、㈶日本オリンピック委員会専任メディカルスタッフ(トレーナー)としてご活躍され、現在までプロスポーツ選手や実業団選手など、数多くのトップアスリートのケア及びコンディショニング指導を行ってこられました。特にセーリングやサッカー審判員、アルペンスキーといった競技のトレーナー経験のお話の中で、その競技の特性を熟知した緻密な動作分析から得られる機能評価やコンディショニング方法は参加者一同感嘆の趣でした。特に江口先生が開発されたマークスボードを利用した神経学的アプローチの効果の素晴らしさに参加者の質問も殺到するほどでした。 お二人とも選手のパフォーマンスをいかに発揮させるかという観点の重要性を説いており、いかに機能評価・分析が大切か、そしてカイロプラクターとして援助できることが多くあることを力説され、参加者一同多大な刺激とヒントをいただけた研修になりました。第2回 カイロプラクティック・ディスカッション・フォーラム『スポーツ臨床と   カイロプラクティックケア』一般社団法人日本カイロプラクティック徒手医学会          理 事 伊 澤 勝 典ティックティックククククククククククィッッィテテプラクテプラクテクククククククララプラプカイロプカイロププロロロロロイイイイカイイカカカカ本カ本カ本カ本カ本本本本本本日本日本日日日日日日日ククィッィッティテククララロプロプ本カイ本カイ日本カイ日学学学学学学学学学学医学学医医医手手手徒手徒手手手手手手徒徒徒徒徒徒徒徒徒徒徒徒徒手医学徒手医学会会会会会会会会会会信信信信通信通信通通通通通通通通通信通信日本カイロプラクティック徒手医学会通信vol.7テーマ1:カイロプラクティックが日本に伝わってから100年が経過。未だ法制化に至っていない現状について、アメリカや韓国との現状の比較を含めご意見をお聞かせください。(川口氏) アメリカのカイロプラクティックは法制化されていて、大きな総合病院でもカイロ部門を持つ病院が徐々に増えているのが現状です。アメリカのカイロは大きく2つに分かれ、科学を根拠とするカイロと、D.D.パーマーがやっていた昔ながらのカイロが対立しています。「姿勢科学」を創始したのも、極端な話、別の名称をつけてカイロにちょっと見切りをつけたところもあるんです。日本はそれが100も200もあって、統一は課題ですね。(編集部) 今は機能学が進んで「私は昔こういう風に治した」ではなく、理論的でないと教育そのものが成り立ちませんよね。業界内で発言力の高い人が集まって統一してくれれば一番いいのですが。(川口氏) アメリカではグループはありますが、そこまで対立的ではなく、もう少しまとまっている上での派閥です。アメリカは国家資格がありますが、日本は国家資格ができたら困る人がいて根本から対立している。韓国ではどうですか?(チュン氏) 韓国は法制化していくには2つのアプローチがあると思います。日本や韓国では歴史的にも医師会が強いので、トップダウンでのアプローチは難しいと思います。タイでは、首相とかトップレベルの政治家が、カイロプラクティックのアジャストを受けた後に亡くなったことがある。それをきっかけに法律・制度がつくられトップダウンで法制化が成された例もあります。テーマ2:日本がもし法制化するとしたら、どういう形がベストだと思われますか?(編集部) 日本では今、国を挙げて医療費削減に取り組んでいます。カイロを受けて健康になり、結果医療費が削減されたという健康増進の延長線上にあれば有効だと思われますが。(チュン氏) イギリスではロイヤルファミリーがカイロを受けて、良かったから法制化されたという話がありましたが、日本では「トップダウン」のアプローチは難しいと思うので、「ボトムアップ」のアプローチを考えていかなければなりません。適切な教育をまずつくりあげ、業界グループを大きくして一緒になって取り組める体制をつくる。そして教育市場を広げ、法制化に向けて取り組んでいく方法が良いと思います。(川口氏) チュン先生の「ボトムアップ」のアプローチというのは、国民を教育することからスタートし、カイロプラクティックは問題だという国民の声が政府を動かし、法制化につながるという考え方も含んでいますよね?(チュン氏) そうです。多くの人は「カイロプラクティックは安全だ」と広めようとしますが、私の考えは違います。カイロプラクティックは危ない、安全にするための唯一の方法は教育、だから教育が必要なんだということを訴えていくべきだと思います。(編集部) 今日本では、主だった団体がまとまって「業界」をつくるためにカイロプラクティック制度化推進(準備)会議が行われています。そこに先進のアメリカや韓国から、どんな教育を受ければ安全か、事故事例のレポートも出せば、日本で事故が多いのは教育を受けていないためだとある意味証明されそうですね。(川口氏) そういった会議には、一般のメンバーは入っていますか?例えばオレゴンのカイロプラクティックの協議会は、一般人もメンバーに入っていて一般の声が常にミーティングの中で出てきます。専門的な知識はないけど、「それはどういうことでしょうか」「安全なのですか?」という、カイロプラクターだけで話していれば当たり前のことに、違った風を吹かせてくれるんです。(編集部) この会議は、カイロプラクティックを将来どういう形にするか、厚生労働省など関係省庁からアドバイスを受けながら議論をしています。制度 2017年8月6日、本誌では特別企画として海外で活躍するD.C.と国際対談を開催した。米国ウェスタンステーツ大学スポーツ医学学科(修士課程)助教を務める川口潤氏と、アジア初のフルアクレディテーション取得を果たし韓瑞大学校カイロプラクティック学部長・教授を務めるハンサック・チュン氏をお招きし、日本のカイロプラクティック業界の現状と課題について、海外事情との比較を交えたご意見を伺った。川 口   潤DC,ATC国際対談×ハンサック・チュンDC,PhD,CCSP,FCBPハンサック・チュン DC,PhD,CCSP,FCBP韓瑞大学校カイロプラクティック学部長 教授川 口  潤 DC,ATCウェスタンステーツ大学          スポーツ医学学科(修士課程)助教化の準備の場に世界の情報が入ってくれば、とても参考になり議論も活性化しそうですね。テーマ2:日本のカイロプラクターに向けて(編集部) 海外で活躍されているお二方から、日本のカイロプラクターへ励ましの言葉をお願いします。(川口氏) カイロプラクティックはすごくいい職業。みんな人助けしたくてカイロプラクターになっています。正規教育を受けていない人の中でも、たぶん大半は人助けをしたいと思っているんです。その初心を忘れないでほしい。今すごく大変で挫けそうな時ですが、患者さんの「ありがとう」の一言で思い出すことがたくさんあると思います。それを忘れないように、共にがんばりましょう。(チュン氏) 業界みんなで一緒になってやっていかなければと思います。竹谷内一愿(かずよし)氏のことも懐かしく思います。生前、互いの理解を深め合おうという機会もありましたが、その関係は途切れてしまいました。何かしらのきっかけをつくって、新しいスタートが必要だと思います。カイロプラクティック業界の間で新たに関係を築いて、一緒にやっていければと思います。(編集部) いろんな手技がある中、なぜカイロなのか。もっと思想的なことを根本に据える必要がありそうですね。ただ名称だけを使われるのは、カイロプラクターからすると傍迷惑な話で、どうせやるのならちゃんとした思想や哲学を持って向上してもらいたいですね。

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