カイロタイムズ111
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(2)2017年11月20日発行 カイロタイムズ 111号しつこい「足の痛み」は消える!しつこい「足の痛み」は消える!さいたま中央フットケア整体院  院 長 冨澤 敏夫A5判並製・P128・税別本体価格1,300円埼玉県さいたま市で活躍中の柔道整復師が、長年に渡って大きな成果を上げてきた「フットケア」の取組みを1冊にまとめました。現代書林最新刊《不安定足首》と《ペンギン歩き》を治せば《不安定足首》と《ペンギン歩き》を治せば新刊無料プレゼント5名様へ〒160-0023 東京都新宿区西新宿3-1-5 新宿嘉泉ビル8F 「カイロタイムズ 新刊プレゼント係」●お名前 ●ご住所 ●ご連絡先 ●ハンドルネーム ●今後取り上げて欲しい内容 ●ご感想をご記入のうえ、ハガキにてご応募お待ちしております。宛て先ご応募の締切りは12月31日到着分までとさせていただきます。 まず冒頭で、カイロプラクティック制度化推進(準備)会議の事務局および日本カイロプラクティック協同組合連合会事務局長を務める山田氏より、本講習会開催の主旨と現在の業界の活動状況が説明された。ご存じの通り日本のカイロ業界は未だ法制化されておらず、個人・団体とも誰でも営業できてしまう状況だ。消費者庁の事故情報データバンクに寄せられるカイロプラクティックに関する被害報告は増加しており、業界全体で改善すべき大きな問題である。現在、業界団体が集まってカイロプラクティック制度化推進(準備)会議を継続開催し、厚生労働省医政局医事課のご指導を仰ぎながら、業界全体の整備と安全対策、教育制度の確立、科学的根拠の蓄積などの活動を行っている。将来的にカイロプラクティックが、慰安行為ではなく医療の一部として資格制度化を成し得るためには、一人一人が自覚と責任をもって惜しまず努力し、専門職としての存在価値を証明する必要がある。そのための準備を共にはじめていただきたいと呼びかけた。 続いて厚生労働省医政局医事課の担当官が登壇。カイロプラクティックに関係する法律について、他の法律との関連性や制定の経緯とともに、禁止事項や法制化に向けて業界として果たすべき課題などを詳しく解説いただいた。質疑応答も丁寧な説明がなされ、直接お話を伺える貴重な機会となった。質疑応答については後述する。  本講習会は「カイロプラクティック」として世間に出回っている技術を医学的および運動学的に解説し、危険な技術への注意喚起とともに危害の防止と、安全な技術修得への啓蒙が目的である。今回は最もよく使われる技術の一つである骨盤部への手技について、付随する筋・靭帯等を含めた骨盤の構造から詳しく解説。危険事例を元に、どうすれば安全な技術になるのかを参加者同士でディスカッションする時間も設けられた。技術審査では、用意されたリスティングに対して、クライアントのどこに対して、どんな影響を与えることを期待して、どのテクニックを使用するのか、インタビュー形式で回答し、その後、自分が選択した技術のポジションをとることで、接触部位の正確さ、加える力の方向・強さ、施術姿勢といった基本的な技術の要素ごとに危険リスクの抽出が行われた。審査の要点は、審査員が他者の技術を一方的に判定することなく、受講生自身が、技術を使うための知識と技術に対する理解度、安全な技術として実際に体現できているか、自問自答することに置かれているそうだ。 本講習会での特別な環境、 2017年10月、「カイロプラクティック」の名称を使用する全ての事業者を対象に『カイロプラクティック安全施術講習会』が開催された。本講習会は、カイロプラクティック業協同組合連合会および日本カイロプラクティック協同組合連合会の主催、カイロプラクティック制度化推進(準備)会議および一般社団法人日本DC手技療法協会の後援によるもので、昨年3月に開催した同講習会の内容を見直したもの。10月16日には東京会場の日本消防会館、10月18日には神戸会場のひょうご共済会館で、両会場ともに厚生労働省医政局医事課より担当官を招いての講義が行われた。本紙は、東京会場を取材した。カイロプラクティック安全施術講習会自覚と責任 専門職としての存在価値を証明現在の業界活動状況行政担当官による講義『法律による規制等について』自分の所属団体ではない、いわば他人を介することで、良い意味での緊張感と刺激の中で、自分の技術を自分自身で見つめ直す貴重な機会となったのではないだろうか。 本講習会で最も大切なのは、普段当たり前のように行っている手技を見直すこと。自分の技術が危険だと思ってやっている人はいないだろうが、常に危険は起き得ると認識して業務にあたるかどうかが重要なのだ。講師を務めた井元雄一氏の「絶対に自分は安全だと思った瞬間から危険は始まる」という言葉が非常に印象的であった。 本紙が取材した東京会場では、業界内の一部でまことしやかに囁かれている噂についての質問が集中。これに対し「カイロの法律がない現時点ではあくまでも個人的な見解」としながらも、厚生労働省医政局医事課の担当官より明快なご回答をいただいた。以下に、特にポイントとなる点を要約する。〈Q〉カイロの既得権はどうなるのか。カイロの名称を使って今からやっておけば法制化されても大丈夫だし、安全対策などに参加しなくても救済されると言って会員を集め、既得権を主張している団体がある。(A)単純に今やっているから引き続きやっていいとはならないと思う。資格免許制度危険な技術と対策、 および技術審査厚生労働省の担当官が登壇講習会の様子参加者への技術審査がある他職種の例から見ても、何らかの試験を受け合格が必要という規制が入る可能性は高い。将来的な話なので責任を持っては言えないが、単純にカイロを名乗るだけではダメだと思う。〈Q〉1週間程度の勉強でカイロを名乗る人が多数いる。彼らは人数が増えれば法制化されたときに認められると言っているが、そうなのか。(A)単純に人数が多いから認めることはない。そもそも「危害を及ぼす行為を規制する」のが法規制のあるべき姿で、安全性の確保が第一優先。仮にカイロの規制を設けた際に、安全性が確立されていないものも含めるような危ないことはできないと思う。  「都合の良い解釈をせずルールを守り、やるべきことをきちんとやる」これに尽きる。信頼を得るべき相手は、利用者だけでも施術者だけでもない。社会から信頼を得ることも絶対に必要だ。この三つの信頼が揃って初めて「業界」と言えるのではないか。自分たちだけが例外ということはない。本講習会のような場へ自ら正しい情報を取りに行くことも、業界形成のための自助努力の一つである。 行政からは業界全体の安全対策要請が出ていることもあり、技術の見直しと共通の安全意識を持つ意味で、知識も経験も十分ある人でも継続受講を推奨している。次回は2018年1月下旬〜2月上旬ごろ開催される予定だ。今後カイロプラクティックで被害者も加害者も出さないために、本講習会が必要の場となることが期待される。【お問い合わせ窓口】カイロプラクティック安全施術講習会 運営代行事務局☎078-230-3691質疑応答に見る 「今回のポイント」

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