カイロタイムズ109
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(5)2017年5月15日発行 カイロタイムズ 109号 近年の現代医学の多くの医師が、自分の行う医療や治療法に多くの疑問を持っています。なのに、平気な顔で自分の患者にそれらを行います。いったい、なぜでしょうか? それは、実際の現代医学の医療現場で盛んに行われる投薬や注射、手術や放射線治療が効かないばかりか、副作用や後遺症などで苦しむ患者の姿を毎日のように見ているからです。 病気や症状の原因は、血液検査や画像検査のように目に見えるものではありません。それらは本当の原因による、ただの結果に過ぎないのです。検査による異常というものは、人間というエネルギー体の元々の問題を神経の中を流れる身体の叡智が正しく修正していない状態です。その問題を脊椎の配列や椎間板に着目し、その乱れを正すというコンセプトとテクニックを完成させたのが、ドクターガンステッドです。 彼は、米国ウィスコンシン州マウントホレブの街で、毎日、朝から夜遅くまで、数多くの患者を診ました。ほとんど、休む日や時間さえもなかったようです。なにが彼をそこまで、突き動かしたのでしょう?もちろん、自分が生きていくための経済的要素もあったと思いますが、やはり目の前の患者を救いたいという強い想いであったと思います。 ドクターガンステッドの第一の弟子で彼の想いを受け継ぐ、ドクターアレックスコックスは、いつも言っていました。 「何よりも、目の前の患者が第一である」と。 私自身も日々の診療の中で、そのドクターガンステッドやドクターアレックスの姿勢を胸にいつも自分を見つめ直しています。この世の中では、常にいろいろな事が起こり、大切なものを見失いがちです。だからこそ、彼らの想いは、永遠に大切だと感じています。 今年の定例の米国ガンステッドセミナー・ジャパンは、昨年に引き続き、国内参加資格を巡る不確定要素を鑑み、より良いセミナーを来年以降に開催できるよう、考察期間として開催を見送らせて頂きます。近い日に洗練されたセミナーにて皆さんとお会いできるのを心より楽しみにしています。人を救うのは ピュアなハートGCJ代表 松 久   正Vol.13松久 正MD, DCカイロプラクティックのサイドメニュー化とローカリゼーション スクール講師時代は充実感がありましたが、時おり関係者から気になる発言を耳にしました。鮮明に覚えているのが、「カイロは整体の一種」「患者が喜べばカイロでもほぐしでも構わない」という2フレーズ。当時、私は「整体」という言葉が苦手で「何でもあり」という日本の風潮にも違和感を覚えました。 講師業を休止し開業すると、カイロの現状に対する閉塞感をより味わいました。カイロプラクティックの表現が安易に拡散される無法地帯。「骨盤矯正」がブームになったものの、カイロはサイドメニュー化。院の案内には、整骨・鍼灸・整体やタイ式などが筆頭に名を連ねますが、「カイロプラクティック」ははるか下のほうでどうにか認識できる程度。「おまけ」ほどの存在価値に落ちる現象です。セミナーで「カイロプラクター」を名乗れる以上、その地位を高めるのは至難の業だと実感しました。必死でカイロの啓蒙に努めましたが、5年経って私はワクワク感を失い、「カイロプラクターを志した頃のやりがいを取り戻したい」と信念に沿う新たな道を進むことを決断しました。 人々の心をつかむには、他所と異なる価値観をいかに提示し共感してもらうかが鍵です。私は異業種から学びを得ました。外来文化のローカリゼーションにはビジネスの先例が多々あります。普及期のマクドナルドは月見バーガーやチキンタツタなどヒット商品で売上を底上げ。USJは「映画」縛りを取り払いアニメなど日本人になじみあるコンテンツで勝負。 元来、日本人は舶来品の再定義が得意です。天ぷら、カレーライス、とんカツなども元々は洋食。トヨタは日本の道路事情に合わせた小型車で成功しました。いかに市場に適合し自分の土俵で勝負するか、私は現状を分析し変革を実行しました。業界を超えた支持を得るため、開業当初から好評だった顎関節調整で専門院化。苦手だった「整体」という言葉の優位性を逆手に取り「整顎」と名づけると、アスリートや歯科医師などから声がかかるようになりました。批判されることは覚悟の上で業界の「あたりまえ」を疑うこと。先入観を取り払わなければ創造性や生産的アイディアは生まれません。禅でいう「守破離」の境地でした。入り口は「アゴ」で来院した患者も哲学を伝えるうちにカイロプラクティックのファンになっていきます。これも、私なりのカイロプラクティックです。藤原 邦康DC整顎コラムVol.5藤原邦康 DCDrDr藤原藤原ののDr 藤原の上村 高史DC ご存知の方も多いかと思いますが、骨折、靭帯損傷した場合、治療期間は、複雑骨折や靭帯断裂の手術が無い場合で4週間〜2カ月が固定です。しかし、プロ選手の場合は1カ月何もしないでトレーニングに戻るとカラダを元に戻すのに、その倍以上かかります。その例として骨折の場合は、PRP療法と高密度酸素カプセルの専門医で治療することをおすすめします。PRP療法は日本でも話題になり、NYヤンキース田中投手が肘の治療で使用していました。自分の血液を抜いて血小板を取り出し培養して患部に注射する治療法で、切開手術せず骨折、靭帯損傷に効果があります。日本では症例数が少なく保険適応外で、専門医も少ないのが現状です。 シンガポールの専門医はアジアではナンバー1の整形外科医で、PRP療法をいち早く取り入れ、アメリカ、イギリス、ドイツでは研究発表も行われています。シンガポールアンチドーピング協会会長も兼任されています。多くのシンガポール整形外科医と会った中で意気投合したのは、切開手術をせず、早期回復で治そうと考えていたからだと思います。この整形外科医は、ESWTショックウエーブ(SW)の専門医です。SWは、靭帯損傷、足底腱膜炎等の靭帯、腱板の怪我に有効な治療です。これは、本来腎臓結石などを粉砕するのに使用していた音波治療を靭帯、腱板専用に作り替えたスポーツ選手が多く取り入れている音波治療法です。チクチク痛いですが、効果は超音波や高周波などよりも劇的に良くなります。私も肩の腱板損傷を治療して、肩の痛みが数日で嘘のように激減しました。 超音波で画像診断も並行して確認しながら行うので炎症部分の経過、靭帯損傷部分が治癒して来ているのが良く分かりました。足首骨折の場合、骨折は酸素カプセルで早期完治に成功しました。しかし、一番治療を悩ませたのは、足首の靭帯剥離、損傷をしているケースが多かったことです。そこでもSWには大変助けてもらいました。 一例として、骨折をした選手でレントゲンではもう問題ないとDrから言われ、ランニングを始めようと、まずはウォーキングで何日かチェックしていると足首の痛みが中々取れないという声が選手からありました。腫れはないが何かおかしい。骨折時のレントゲン、MRIとその1カ月間の比較をお願いすると、最新医療を取り入れるわけ!DrDrムウエムムウエムララののリアリリア床ダイアリー臨床ダイアリDr ウエムラの臨床ダイアリーVol.5上村高史 DC靭帯が腓骨から剥離したままの選手に限って痛みが残っているケースが多いことに気づきました。更に超音波画像も見ながら確認出来ることで、その後の治療が、回復に繋がっていくことでPRP療法やSWの選択は間違っていなかったと感じることができました。 その時の経験で、骨折でも整形外科医だけでなく、歯科医、口腔外科医、美容整形外科医、高密度酸素カプセル専門医、SW、PRP専門医などと協力して骨折の選手の早期回復にチームで取り組むことができ、全て良い結果と復帰に繋がりました。このプロスポーツ選手の経験が現在も日本は基より、海外で紹介出来る医師がいることは、患者さんにとって手術前のリスク回避へと繋がっています。  次回は、高密度酸素カプセルについてお話したいと思います。 1999年に発足した「日本カイロプラクティック徒手医学会」は19年目を迎え、2016年11月をもって「一般社団法人日本カイロプラクティック徒手医学会」に移行いたしました。一般社団法人になったといっても、今までの学会とは大きく変わることはありませんが、さらに会員の方々のための活動ができるようになることと思います。 我々は国家資格や国家認定の教育機関ではないですが、本学会では、すでに医療として認められているアメリカのカイロプラクティックに一歩でも追いつくため、会員による科学的研究活動と共に、さまざまな分野から経験豊かな先生方をお招きし、会員の知識と技術のより一層の向上に務めております。この自主的取り組みは、必ず社会的信頼を得ることができるための、真の近道であると考えております。 本年10月、兵庫県宝塚市にある「宝塚医療大学」で行われる19回目の学術大会は、一般社団法人としての記念すべき第1回目の学術大会となります。今回は、カイロプラクティックの基本理念である「骨・関節の動きを科学する」をテーマにしております。その内容は、会員の先生方の研究発表と共に、基調講演には、大阪大学運動器バイオマテリアル学講座教授である整形外科医の菅本一臣先生をお招きし、3D-MRIによる関節の動きについてお話しをいただく予定でおります。また、特別講演には、私の同僚でもある宝塚医療大学教授の永瀬佳孝先生にお願いいたしております。先生には、カイロプラクティックに役立つ解剖学や神経生理学をお話しいただく予定でおります。また、カイロプラクティック・ワークショップには、歯科医である幸田秀樹先生、カイロプラクティック神経学の伊藤彰洋先生、国際カイロプラクティック・カレッジで長年教鞭を執られていた辻本善光先生、そして、私、中川貴雄を予定しております。また、前回に引き続きコントラインディケーション(禁忌症)講座、吉岡一貴先生に臨床において注意しなければならない事柄についてお話しをいただきます。 カイロプラクティックは、学べば学ぶほど興味深く素晴らしいものです。また、学べ一般社団法人 「日本カイロプラクティック徒手医学会」         発足に際して一般社団法人日本カイロプラクティック徒手医学会          会 長 中 川 貴 雄ティックティックククククククククククィッッィテテプラクテプラクテクククククククララプラプカイロプカイロププロロロロロイイイイカイイカカカカ本カ本カ本カ本カ本本本本本本日本日本日日日日日日日ククィッィッティテククララロプロプ本カイ本カイ日本カイ日学学学学学学学学学学医学学医医医手手手徒手徒手手手手手手徒徒徒徒徒徒徒徒徒徒徒徒徒手医学徒手医学会会会会会会会会会会信信信信通信通信通通通通通通通通通信通信日本カイロプラクティック徒手医学会通信vol.5中川 貴雄ば学ぶほど、苦しんでいる方々をその苦しみから解放することのできる技術です。その素晴らしいカイロプラクティックを「日本カイロプラクティック徒手医学会」はめざしています。1978年    Los Angeles College of Chiropractic(以下LACC)卒業1978~1986年 LACC講師から助教授1985~1999年 Nakagawa Chiropractic Oce(USA)開業1999~現在   中川カイロプラクティックオフィス(日本)開業2004~2015年 明治国際医療大学保健医療学部非常勤講師から教授現在 宝塚医療大学保健医療学部教授   日本カイロプラクティック徒手医学会会長   モーション・パルペーション研究会会長中川 貴雄(なかがわ たかお)プロフィール

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