カイロタイムズ109
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(4)2017年5月15日発行 カイロタイムズ 109号 先日、全国ゴルフ大会の小学生部門でトップ3に入った実績を持つR君がカイロキッズこうべに来院されました。本人とご両親曰く、数カ月前より腰に違和感があり、プレー中や練習中にもそれが出て、これ以上悪くならないようにと、今回お問い合わせがありました。 既に優秀な戦績を持ち、誰もが認めるトッププレイヤーになるのが夢という将来有望なR君ですが、身体のケアを定期的に受けたことはなかったそうです。 視診と触診や簡単なバランス検査を実施すると、身体を効果的に使っているとは言い難く、幼少期には向き癖があったと思われ、上部頸椎における顕著なサブラクセーションが見つかりました。ご両親への説明内容として、R君が産まれてから首がすわるまでの数ヶ月間に存在したであろう強い向き癖と頸椎の不具合により、その後のお座りやハイハイなど、体幹から上肢と下肢への筋骨格系の発育と運動感覚神経や眼球運動の発達過程において少なからず不具合が存在したと思われますが、現時点からの脊柱アジャストメントによって、身体の「大黒柱」である脊柱と周辺の筋肉群の良化と運動感覚神経機能の向上が見込めるとお伝えしました。 そして、身体の構造および機能的側面の両方が改善しますので、体幹と手足の操作性や安定性のアップ、眼球運動や全身の協調運動の変化、さらに運動感覚機能をコントロールする脳機能のパフォーマンスも高まることにつながれば、身体の動きに無理がなく競技能力のさらなる向上だけでなく、長い競技生活の中で是非とも避けたい「怪我」の予防効果も期待できる、という内容と、小児カイロでは体の負担になるような強い力は決して使わないため危険性や副作用を避けながら、費用対効果も高いケアですよ!とお伝えしました。 約10日後のセッションではR君ご本人から、「アジャスト後はじめての練習やプレーでこれまでとは異なる身体の感覚を少し覚えたが、とにかく体が軽いし、ぐっすり眠れて起床時のすっきり感が最高に気持良いです!」とのコメントを頂きました。 「小児カイロがこんなに良いものなら、日本中のスポーツをがんばる子どもたちに届いて欲しいですね!」とご両親からのうれしいお言葉も頂きました。vol.13スポーツをがんばる  子どもたちと小児カイロ 糖尿病には、3つのタイプがあり、タイプ1(1型)、自己免疫性糖尿病、タイプ2(2型)、成人発症と呼ばれるもの、そしてタイプ3(3型)糖尿病は、メタボリックシンドロームの1つとして考えられており、肥満、高血圧、脂質異常症などから生じるので、血中脂質が上昇しています。 血糖コントロールは主に膵臓が生産分泌し、体内でグルコースを細胞内に送り出すインスリンによって行われます。血糖コントロールは、副腎で作られるコルチゾールにも影響を受けます。コルチゾールは、空腹、絶食など血糖値が低下すると副腎で盛んに作られ、血糖値を上昇させようと作用します。脳はそれを感知し、コルチゾールによってグリコーゲンと呼ばれる貯蔵されたグルコースを放出させ始めます。 余談ですが、ストレスなどにより副腎が疲弊する副腎疲労が募った人の多くに低血糖症状がみられる背景には、副腎が緊急的に血糖値を上昇させるために働くことができないほど、副腎疲労が強くなっていることもあると考えています。近年は、過激な不必要に自分の体内環境を把握できずに行った過激な糖質制限と副腎疲労のコンプレックスの人で低血糖症状がシビアになる傾向は、ここにも関係していると思います。 糖尿病とカンジダ菌繁殖の最初の接点は、カンジダ菌が糖分を好んで繁殖材料としていることにあるといえます。 次にアスパラギン酸プロテアーゼ(SAP:Secteted Aspartyl Proteases)の存在があります。プロテアーゼはタンパク質のペプチド結合を破壊する酵素で、カンジダ菌はこのSAP酵素を生産します。SAP酵素は細胞上のインスリン受容体(レセプター)を破壊し、グルコースの細胞への供給を低下させ、結果として血糖値が上昇します。 日本では糖尿病専門の医師でも、その背景にカンジダ菌の存在があることの認知度はまだ低く、医療保険が適用にならないこともあってか、糖尿病患者の治療や予防にカンジダ菌のケアを取り入れることはまだまだ少ないと思います。 実際、現在2型糖尿病治療中の患者の中には重度のカンジダ菌症である人が少なくないことと、カンジダ菌症症状をもっている人の多くに血糖コントロール不良の人が少なくないことがあります。 SAP酵素はまた、高血圧、免疫調節不全、その他のイースト菌感染症状と関連しています。 これらの症状とカンジダ菌症状の背景には、副腎機能の低下、つまり副腎疲労が深くかかわっていることが報告されています。副腎疲労によって副腎の最も重要な機能の1つであるコルチゾールのカンジダ菌と糖尿病生産能力に影響を受けることが1つの原因だと思われます。前述したようにコルチゾールは血糖値のコントロールに関して重要なホルモンであると同時に、免疫機能を調節する最も強力なホルモンの一つです。 コルチゾールが正常に機能しないことによって、カンジダ菌の繁殖が旺盛になり、SAP酵素がインスリン受容体を壊滅させ、結果として低コルチゾールを招くことになります。 現在糖尿病の加療中の人、またリスクの高い人、また、カンジダ菌症状をもっている人は、カンジダ菌の繁殖状態を確認把握し、カンジダ菌の繁殖が旺盛である可能性が高いことが確認できた場合には、薬、食事、運動によるケアに加えて、除菌を含むカンジダ菌のコントロールも考えるべきだと思います。 先号では、「バイオメカニカル的」な観点からAMの「下」から診て調整を行う根拠の説明をさせていただきました。「神経学的」な観点から説明するとさらに複雑になります。 もしも、バイオメカニカル的な観点で「線形的思考」を強調した場合、構造学的な左右非対称の変形やズレは重力に対するバランス調整において力学的に問題があるという算して制御しなくてはなりません。でこぼこ道、柔らかい砂浜など、「下」から加わる多様な路面性状圧に対して、スムーズに適応できるようにするためには、人間の脳と神経系全般に匹敵するセンサーと人工知能が必要になるのです。恐らく、構造学的に左右の足の長さが違うロボットでも、関節のセンサーや人工知能で制御すれば、その非対称な構造を補って、重力に逆らって二足歩行でバランスが取れるようにできるでしょう。 自然界は「非線形の世界観」に基づいて営まれております。自然の山や川が非対称なように、人も厳密には左右非対称的です。左右対称が正常で、左右非対称は異常だとする考えは不自然なのです。例えば、先天性股関節脱臼の患者で左右の下肢長差が10センチ以上ある患者でさえも、神経学的にバランスが保たれていれば機能的には問題がなくなり、痛みなどの症状がなくなることを臨床で多く経験しています。 重力に対するバランスというテーマになると、左右対称的な構造を重要視しがちですが、神経学的な観点を加えると、構造学的に非対称でも、重量に対して問題なくバランス調整ができる能力が人間には備わっているのです。人間がバランスを取りながらでこぼこ道や砂浜を歩けるのは、センサーとなる固有感覚受容器が、絶えず重力からの刺激を受けて自動制御を行なっているからです。末梢神経系と中枢神経系、あるいは救心性(感覚)と遠心性(運動)が複雑に連絡を取りながら絶えず自動調整が行われているのです。ことになります。しかしながら、神経学的な観点を組み合わせて考えると、機械構造論的な「非対称」は、神経系のバランス調整によって補えるということになります。 近年、二足歩行のロボットの開発研究が進化しております。重力に逆らって二足歩行でバランスが取れるようにするためには、ロボットの関節に高度なセンサーが必要で重心位置を掴み、圧の加減を計下から診るのか、上から診るのか②保 井 志 之 DCVol.11 AMで行う伏臥位の下肢長検査では、立位姿勢を想定して、立っているかのように足関節を背屈させ、軽く頭上方向への圧を足底から加えます。この一連の操作と刺激が、重力下での立位姿勢を脳に想起させると考えられています。 もしも、頭上方向への圧を加えて、陽性反応が示された場合、足関節や膝関節、骨盤のいずれかに関係する関節の固有感覚受容器に問題があるという前提で、「下」から検査を進めていきます。 人間は、神経学的な観点を加えると構造学的に非対称でも重量に対して問題なくバランス調整ができる能力が備わっているので、様々な観点からみていくとまた違った見方ができるので、非常に興味深いです。(次号に続く) 3月13日から15日までアメリカのワシントンDCでFICSの役員会議、総会、各国代表会議とセミナーがありました。2年に一度WFCの総会と同時期に開催しますが、今回はカイロプラクティックの発祥の地アメリカだったので他にも色々な会議や総会が同時開催されました。 僕は、2016年末でアジア代表の任期が終わり新しくフィリピンの先生がこの総会でアジア代表に任命されたので会議には参加しませんでした。しかし僕は、セミナーへ参加したり、FICSで知り合った友人に会う以外にも重要な事がありました。それは、アジアなど地域代表とは違うカテゴリーの役員選挙があるからです。FICSには、その枠が4つありますが、通常は4名しか立候補、或いは推薦されません。しかし今回は、9名の立候補、推薦がされました。1月に既に決定している役員内での一度目の選挙がありましたが、僅差だったため5人が選ばれ、FICSの総会に参加している各国代表団体に投票してもらう方式なので実際にワシントンDCに行く必要がありました。 幸運にも僕は、ワシントンDCの選挙に行く事になりましたが、5名選ばれた時点で候補者はどこの国の代表団体にも直接連絡をして投票をお願いする事はできませんでした。従って僕の今までの実績が確実に霞むほどの経験者の集まりなので知名度もすごく、ハッキリ言って駄目だろうと半ば諦めていました。 僕にチャンスがあるとすれば、今後5年間でアジアで大きな国際大会が開催される事です。2018年冬季オリンピック(平昌)、2019年ラグビーワールドカップ(日本)、2020年東京オリンピック、2021年ワールドマスターズゲームズ(関西)、2022年冬季オリンピック(北京)があります。FICSのカイロプラクターでなくてもアジアに注目したくなると思ったのでそれを直前のプレゼンテーションで話をしました。 結果は、何とか当選しました。後で聞いた話ですが、友人たちが自分たちの地域の代表に僕の事を勧めてくれていたらしく感謝しかありません。 そして、僕が選ばれたという事はFICSが(FICSとしてではなく)ロンドン、リオと続いてきているカイロプラクティックをポリクリニックにいれる事を目標に何とか道を切り開いていくと再認識しました。 東京オリンピックでカイロプラクティックがどうなるかは、現時点で僕には、分かりません。時間は限られているのにクリアしないといけない事は多いので情報収集と効率の良いアプローチが必須ですが、僕にできる事は何でもやっていかなければならないなと決心させる今回のFICSの総会・セミナーでした。ーツとスポースポーツとポポツーーポポポポポスポススススススポーツとスススポスポポポスポーツプラクティックププライロプイカイプラクティックププラププカカイロカイカイカカカカカカイロプラクティックカイロプスポーツとカイロプラクティック伊佐和敏 DC, ICCSP,ATCVol.5FICS総会

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