カイロタイムズ108
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(1)2017年2月20日発行 カイロタイムズ 108号NO. 108 号発行日/2017年2月20日発 行/日本医科学出販株式会社〒160-0023東京都新宿区西新宿3-1-5新宿嘉泉ビル8F TEL:0120-223-505 FAX:0120-223-509Eメール:info@chiro-times.co.jp2月・5月・8月・11月発行医療分野とヘルスケア産業の協業を促す4展が合同開催 業界整備に向け、連携を模索  制度化および業界整備を進める上では、業界の状況を正確に把握し、各団体の活動を参考にしたり、可能なら部分的にでも連携を視野に入れたい。そこで、業界整備の柱となる「教育」「試験登録」をすでに先行実施している東京カレッジ・オブ・カイロプラクティック(TCC)、日本カイロプラクティック登録機構(JCR)に宛て本会への講師派遣を依頼した。過去の経緯を含め十分な意思疎通が図れたとは言い難い状況下での要請でもあり、今回の講演は実現しなかった。しかしながら両団体からは、明確にすべき点についての指摘、および双方に誤解・曲解のないよう意見交換を重ねることから始まるのでは、という旨の回答が寄せられた。今後の活動を進める上での貴重な糸口である。真摯に受け止め、引き続き連携を模索していく。  危険防止対策/安全を追求する努力  平成28年10月20日付『女性自身』Webサイトに、米国モデルの死亡事故報告が掲載された。死因はカイロプラクティック施術による事故とされ、日本人カイロプラクターが関与しているらしいという以外詳細は不明だ。業界団体として事故原因の分析と、頸部への危険な手技に対する見解について意見交換が行われた。個人の技量の問題か、カイロプラクターが治療すべき症例かの判断が不適切だったのか。既往的な疾患や異常が主原因だった可能性もあるが、情報が乏しく判断し難い。現地カリフォルニアカイロプラクティック協会もまだ見解を出しておらず、引き続き情報収集を行うことで一致した。 事故が発生する確率はゼロではない。それは米国でも日本でも同じだが、日本では事故発生後の業界対応が遅いことは否めない。消費者センターなどへ寄せられる苦情・相談情報に頼らず、業界共通の相談窓口や掲示板の開設など、業界を挙げた努力が必要との意見が出された。 また、行政から提供された情報では、柔道整復師の専門学校で4単位の履修追加が決定した。柔道整復師しか施術できない症例か、逆に施術してはいけない症例か見極めるスキルを習得するためだ。柔道整復師の専門学校数はここ数年で約10倍に増加し、有資格者の質の低下が懸念されている。安全を追求し続けるという意味で、カイロプラクティック業界でも参考にすべき例である。 これから成すべきこと  これから業界として成すべきことは山積みだ。特にエビデンス集積や事故情報の調査・対応は、一朝一夕にはできない。症例報告のフォーマットを作り、各団体で積み重ねていくしかないという意見も上がった。悪い情報は自ら収集しないと出てこないものだ。基盤づくりから始め、それを共有する仕組みを作っていくという取り組みだ。 カイロプラクターを含めた学術研究も必要である。しかしそれは、当時の三浦レポートを反証するためではない。行政からは、三浦レポートを受けその後業界としてどのように安全対策を積み重ねてきたか。その分析が研究のポイントになるのではないか、とのアドバイスをいただいた。本会の分科会で分担し、引き続き準備を進めていく。 カイロプラクティック業界が一つにまとまるには、それ相当の努力と時間をかけなければ成しえない。各団体の理解と協力を少しずつでも得ていくことが必要不可欠だ。ローマは一日にして成らず、先はまだ長い。どうなる業界整備 連携を模索カイロプラクティック法制化推進(準備)会議開催報 告第2回 2016年11月17日(木)、東京虎ノ門にて第2回カイロプラクティック法制化推進(準備)会議が開催された。本会が会員組織としての体制を正式にスタートしてから初の会合となる。前回に引き続き厚生労働省医政局医事課より担当官のご出席、また消費者庁消費者安全課からは2名オブザーバーとしてご参加いただいた。行政からの貴重なアドバイスと、今回初めて参加した団体からの率直な意見とが相まって、活気あふれる会議となった。 2017年1月25日(水)〜26日(木)、東京ビッグサイトにて統合医療展2017が開催された。第13回を数える本展の来場対象者は、医療・介護関係者をはじめ栄養士、整体・リラクゼーション、運動施設等の関係者のみ。メディケアフーズ展、高齢者生活支援サービス展、第1回目の保険外サービス展が同時開催され、全284社352コマのブースが出展された。会期中は合計14,213名が来場。注目のテーマを取り上げたセミナー会場では、入場を待つ聴講者が行列を作る姿も見受けられた。 「統合医療」とは 統合医療とは、現代医療を軸に栄養療法などの補完療法や、漢方・鍼灸など伝統医学を組み合わせる医療体系。欧米・アジア諸国で広く実践されている。ご存知の通り日本の医療費はついに約40兆円超えとなり、早期対応が必要な状況に陥っている。生活習慣病をはじめとする慢性疾患の増加が大きな要因だ。医療の変革が求められるも、まだ目に見える成果は出ていない。今改めて治療と予防医療の両面から、対症療法・原因療法を相互連携させる統合医療の普及・拡大が期待されている背景がある。「治療から予防への転換」が最大のテーマ 本展では病気予防や自然治癒力の向上を意識した製品が多く展示され、活気に溢れていた。既存商品を新たな視点で紹介しているブースもあった。例えば、トップアスリート専用のように思われていたアミノ酸系栄養補助食品「MUSASHI」は、普段スポーツをしない女性や高齢者にも静かなブームとなっている。腸内環境を整えて免疫機能をアップさせるタイプは、花粉症やアレルギー症状の改善につながり、特に冬場は風邪予防にも一役買っている。貧血予防や関節サポート、代謝サポートタイプなど10種類、どれも病気予防につながる可能性を秘めている。サプリ=筋力増強という既存イメージに囚われず、今後はあらゆる切り口でアンテナを張る必要がありそうだ。 同時開催のメディケアフーズ展2017は過去最大規模となった。食事療法が広く取り入れられる中、糖質制限患者もOKな砂糖不使用のチョコレートや栄養は損なわず、調理の手間だけを省く冷凍食材のブース等が人気だ。介護施設は深刻なスタッフ不足で、とても調理に手が回らない。しかし潜在市場規模2・9兆円といわれる高齢者食・介護食市場は急拡大しており、需要はうなぎ上りだ。国が目指す「健康長寿」とは逆行している感が否めない。※要介護認定者584万人×(介護保険上の1日当たりの基準費用額(1,380円)×365日(農林水産省試算)「健康長寿」の実現に向けて 本展には日本鍼灸師会、日本オステオパシープロフェッショナル協会のブースも出展され、多数の来場者が実演施術を体験していた。また、日本カイロプラクターズ協会・竹谷内啓介会長は『カイロプラクティックの現状:日本と欧米を比べて』と題し、海外とのカイロプラクティック業界の現状比較と、統合医療における位置づけを講演。このような情報発信は重要である。カイロプラクティックがどんなものか、知らない人はまだ多い。 超高齢化社会が進むにつれ、病院も介護施設も満員御礼。政府は医療費削減を進め、介護業界は慢性的な人手不足だ。特に高齢者が、気兼ねなく行政のお世話になれる時代は、もう終わってしまったのかもしれない。自然治癒力を高めて病気を予防し、せめて自分が生きやすくしなくてはならない。補完療法や代替医療、伝統医学、そして新しい療法や製品が「大きな枠の中で」協業する。これが「健康長寿」実現のキーワードになることは間違いなさそうだ。医療とヘルスケア産業をつなぐ展示会第13回統合医療展2017/第9回メディケアフーズ展2017/第3回高齢者生活支援サービス展2017/第1回保険外サービス展2017、開催第13回統合医療展2017/第9回メディケアフーズ展2017/第3回高齢者生活支援サービス展2017/第1回保険外サービス展2017、開催あらゆる業界から支持を得ているMUSASHI日本カイロプラクターズ協会の講演

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