カイロタイムズ107
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(10)2016年11月21日発行 カイロタイムズ 107号岡井DCのテクニック・ブック ~基本編~ ~目と心を開いてこの一冊を吸収しよう!~実践カイロプラクティック アジャストメント テクニック 岡井健D.C.著/B5判 ¥4,428(税込、別途送料)注文はカイロタイムズホームページより http://www.chiro-times.co.jp/商品/Chapter 1 「新カイロプラクティック・アジャストメント理論」Chapter 2 「Lower Cervical Spine 頸椎下部、C2-C7」Chapter 3 「Atlas アトラス、C1」Chapter 4 「Occiput 後頭骨」Chapter 5 「Thoracic Spine 胸椎」Chapter 6 「Lumber Spine 腰椎」Chapter 7 「Pelvis、Ilium&Sacrum 骨盤、腸骨と仙骨」 現代社会における女性の悩みとして最近「不妊」というワードが良く取り上げられるのは言うまでもありません。女性の社会進出が増え、活躍する一方で、「そろそろ子どもが欲しいな…と思った頃には、30代後半でした」などというお話はよく耳にします。しかし、果たして本当に晩婚・高齢出産と「不妊」の関係は比例するのでしょうか?確かにデータとしては年齢が高くなればなるほど妊娠率が下がるとありますが、私の臨床経験上、実年齢と妊娠率はあまり関連しません。細胞年齢と妊娠率こそが関連すると感じています。細胞年齢はもちろん、実年齢とともに高くはなりますが、40歳を超えても妊娠される方などに話を聞くと、みなさん口をそろえて言うのが、「幸せ」ということと、「ストレスはあまりない」ということです。ストレスが免疫力を低下させ、ホルモンバランスを崩すことはわかっています。幸せホルモンのオキシトシンが細胞年齢を若返らせることも分かっています。そこで私は、「妊娠力を味方にする2時間」というレクチャーの中で、いかに楽しく幸せな妊活をするかということをお話しています。まずは「不妊」(妊娠できない)という言葉をやめて「未妊」(まだ妊娠していない)という言葉に言い換える事から始めています。気持ちをポジティブに持つことだけでも身体に大きな変化をもたらします。流産についても言及します。実は女性の体はしたたかで、妊娠すると、今まで積み重ねてきた毒素を胎児に流し、体をきれいにしようとする作用があります。着床して育たなかった胎児は非常に残念ですが、その分、その胎児が毒素を体から排出してくれたのだと考え、感謝します。そして、今は前よりもきれいな体になることができたと考えると次の妊娠を前向きに捉えることができるのです。実際、私のレクチャーを聞いた後、考え方を変えて、夫の気になる部分も受け入れるようにしたら、妊娠しました。と報告を受けたケースもあります。このように、メンタルのケアをすることもカイロプラクターとして大切なことだと思っています。 もちろん、身体のケアもします。身体がガタガタだと話は始まりません。卵巣や子宮山地 梨映子 DC、CACCP山地 梨映子DC、CACCPを支配する神経が多く集まる腰椎や仙骨のアジャストメントは必須ですし、ホルモンを調整する視床下部から下垂体に刺激を与えるために上部頸椎のアジャストメントや頭蓋療法も使ってケアしていきます。身体をリラックスさせるために呼吸法を使うのも良いでしょう。①アジャストメントで骨格を整え、神経の働きを改善。②考え方を前向きに変えていく。この2つだけでも確実に妊娠力が高まると思いませんか?是非、みなさまに実践していただきたいと思います。未妊セラピーとしての  カイロプラクティック(1)2001年 同志社大学卒業 2002年 カリフォルニア州立大学ノースリッジ校 心理学専攻 2007年 クリーブランドカイロプラクティックカレッジ・ロサンゼルス校 卒業  米国国家試験:ドクターオブカイロプラクティック(DC)取得 2008年 カリフォルニア州 カイロプラクティック開業免許取得 2009年 ロサンゼルスで臨床経験後に帰国、大阪でリコ・カイロプラクティックオフィス開業 2010年 東京・中目黒で開業。レディースクリニックと提携し、小児・妊婦のためのカイロプラクターとして活動 2013年 CA.CCP(小児・妊産婦カイロプラクティック認定資格)取得 2016年 大阪・堺筋本町でリコ・カイロオフィス開業山地 梨映子(やまじ りえこ)DC、CACCP プロフィール D.D.パーマーに依るカイロプラクティックの創始には、19世紀の社会的変化、特に1830年代の労働者運動と女性運動が重要な影響を及ぼした。農夫のサミュエル・トムソン(Samuel Thomson)がFriendly Botanical Societ-iesを組織して当時の23・5%の人口を介入したトムソニアン運動を起こして、「誰もが自分自身の主治」を唱えたことで知られる。因みに、トムソニアン運動のトムソンは「トムソン・テーブル」と関係が無い。「トムソン・テーブル」はThompson, DCの考案であって、トンプソン(Thompson)をトムソンと呼ぶのはサイトウさんをサトウさんと呼ぶに等しい。 一方、フェミニスト作家のエーレンライヒは、原始的医療法に対する反医学運動の立場から「ポピュラーヘルス運動」を起こした。正式資格を持つ医師の治療は、荒々しく無謀で合理性を欠き、瀉血と外科手術が主で病名不明や未知の病に各種毒物や重金属を薬物と称して患者に使用した。自らを「正統医学」とは称したが、有益より有害のほうが多かったと言われている。当時の医学は「英雄医学」と呼ばれ、医療を行う医師も受ける患者も共に英雄でなければならなかった。1861年のリンカーン大統領就任に始まり1965年まで続いた南北戦争では「英雄医学」の悲劇が多く生まれたことは想像に難くない。一般の衛生レベルは低く、衛生環境の改善を説いたグレアム(Sylvester Graham)が今もクラッカー食品に名を残している。他には、水治療法の短期盛衰を見た。水治療法は、フィルターや過酸化水素水だの水素水だの炭酸水だのと、現代に至っても短期盛衰を繰り返すようだ。 当時の社会的変化によって新しい考え方や治療法に心を開いた態度が生まれ、1875年から1900年に渡ってアイオワ州、カンサス州、ミズーリ州を中心に異種療法カイロプラクティックの歴史(第2回)カイロプラクティックの歴史(第2回)中 垣 光 市 DCパーマーの闘い(Allopathy)に批判的な反正統医学者達による新しい学校創設運動が盛んになった。健康な人体に病気の兆候を起こす薬剤の使用を批判したドイツ人医師ハーネマンが唱えた同種療法(Homeopathy)は、合衆国全土に広まり、病院、学校が設立された。他には、ナプロパシーと前号で述べたA. T. Stillのオステオパシー等が挙げられる。 正統医学を称する異物療法の陣営に対する組織的な態度の堅持が困難に陥っていった。正規の医師達は長期的に医療の標準化に取り組み、同時に全ての「非科学的」治療者を「法に依って排除」する大規模な運動を開始した。異端医学で知られたシンシナティ医学校は、教職員学生達が学舎内に立て篭もり銃や大砲で抵抗したのだった。  ところで、当時の医師達は如何程に優秀であったのだろう?ハーバード大学声明は「非公式な認可が医師全体の水準を下げている」と報じた。1870年のSamuel Elliott学長書簡に医学部長は「医学校で筆記試験の実施は不可能」と返答した。筆記試験の実施は当然可能だったが、まともに文字を書けない医学生が殆どであったから筆記試験の採点が不可能であったのだ。米国第2のJohn Hopkins大学でも同様だった。  1896年、Dr. Palmer’s School and Cureがアイオワ州ダヴェンポートに設立され、後のPalmer Institute and Chiropractic Inr-maryになる。息子のB.J. (Bartlet Joshua)が21歳の1902年迄にD.D.が認定を授与したのは僅か15人だった。 1906年にD.D.は無免許医療行為の罪で23日間投獄されている。自らの信念を貫く為に、不当な処置を甘んじて受け入れた。因みに、近年の日本で無資格者が瀉血とかの無免許医療行為で投獄されたのとは全く意味が違う。 パーマー親子は「創始者」と「発展者」として功績と名声をカイロプラクティックの歴史に残したが、彼等の親子関係や最期を知る者は日本では意外に少ないようだ。D.D.は1913年にカリフォルニア州ロスアンジェルスで最期を迎えた。B.J.は1961年にフロリダ州サラソタで此の世を去った。これだけでは十分に解らないかもしれないが、D.D.の投獄だけがパーマーの闘いではなかった。実は、D.D.には奇行が見られるようになったのだ。 この続きは次号のお楽しみに。2月に米国でカイロプラクティックが原因で死亡事件が発生したのはご存じだろうか。彼女は首に違和感があり、カイロプラクターに施術を頼んだ。カイロプラクターに首を曲げられた際、首の動脈を損傷してしまったそうだ。彼女は数日後、脳卒中を起こしお亡くなりになった。力加減を誤ると発生してしまう事故。日本でも多発しており、近年問題となっている。日本では教育の格差があり、見えないところで事故が発生している。事故を防ぐためにも日本のカイロプラクティック業界の教育統一化を図る必要性がある。業界全体で肩を組んで一刻も早くスクラムを組まなければ、事故は減らないだろう。編集後記カイロタイムズでは、皆様からの広告・寄稿・情報提供を募集しております。〒160-0023東京都新宿区西新宿3-1-5新宿嘉泉ビル8FTEL0120-223-505 FAX0120-223-509E-mail:info@chiro-times.co.jpURL:http://www.chiro-times.co.jp/日本医科学出販株式会社 カイロタイムズ編集部

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