カイロタイムズ106
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(7)2016年8月22日発行 カイロタイムズ 106号 私にとってのカイロプラクティックを端的に振り返ると、「ズレを治す」という考え方から、「誤作動記憶」の治療へと進化しました。慢性症状などのいわゆる病気、あるいは不健康が「記憶」と密接に関係しているということの確信を得て以来、それに関する探求心が広がりました。症状に関連する「記憶」とは、無意識レベルの誤作動記憶という視点でみると、行動心理学、認知神経科学、コーチング技法などと密接に関係し、勉強の幅もかなり広くなりました。 脳幹部に関連する「反射系」の記憶は、ハード面、すなわち肉体レベルの施術で効果が引き出されます。しかしながら、「大脳辺縁系」に関係する情動などの潜在意識に関連する誤作動は、心身相関レベルに関連する潜在感情や信念、価値観などを検査して施術を行う必要があります。 外科的手術などは、ほとんど外科医の経験や知識、技量に委ねられますが、患者の自然治癒力を引き出す治療は、単に経験や技量だけで治療効果が引き出せるわけではありません。経験や技量も必要ですが、それ以上に必要なのは患者のコミットメント、すなわち、心の奥から治したいという気持ちです。それは、「意識レベル」ではなく、「無意識レベル」と一致したコミットメントです。 どんなに優れた治療法でも患者の無意識よりも先には進めないということを長い臨床経験で学びました。そのコミットメントには、患者と施術者との信頼関係、さらには患者自身が自分の治癒力を信じていることが大前提として必要です。もしも、患者のコミットメントと信頼関係があるという前提条件が揃えば、ほとんどの患者は改善されます。特に自分自身の治癒力に対する信頼関係にブレーキをかけている患者が多く、それらは「意味記憶」や「エピソード記憶」に深く関係しています。 「無意識」の脳のクセとなる「誤作動記憶」が不健康を創り出すので、健全な記憶を上書きすることで健康を取り戻すことができます。現在、私はその考え方に確信を得ています。特にパーマー大学での留学経験は私の人生にとってはかけがえのない財産になっていることは間違いありません。これからも多くの人の健康に役立つことができるように「誤作動記憶の治療」を社会に広め、さらに進化した治療法を極めていきたいと願っています。 (終わり)保井 志之 D.C.(最終回)「誤作動記憶」の治療保井 志之DCてください。市場・顧客(CUSTOMER)の分析●当業界は、低迷が続き、厳しい競争も続いている。●業界は複雑な仕組みでわかりにくい。●料金が不明瞭である。●市場は、対面営業が主流である。⑵ 「自社・皆様の治療院(company)と競合(competitor)の強み・弱み」を分析してください。 皆様の治療院にはどのような競争優位のマーケティングをとられているでしょうか?⑴ 治療院の市場、顧客の分析をしてください。箇条書きで書き出してみてください。⑵ ご自身の治療院と競合の強み・弱みを分析してください。 左記はサンプルです。お時間のある時に、時間をとって考えてみましょう。⑴ 「市場・顧客(customer)を分析」をしいかがでしょうか?これは、3C分析と言ってマーケティングを考える際の有名なフレームワークです。外部環境の市場と競合の分析から問題点を見つけ出し、自社の戦略に活かす分析をするフレームワークで、3Cとは、「市場(customer)」「競合(competitor)」「自社(company)」の頭文字です。●市場分析のポイントは、自身やサービスを、購買する意志や能力のある潜在顧客を把握すること、競合分析のポイントは、競争状況や競争相手について把握すること、自社分析のポイントは、自社について、定性的・定量的に把握することです。自身の治療院のマーケティングについて考えてみよう治療院経営の勘所vol.13株式会社福田総合研究所 福 田   徹自社(company)競合(competitor)強み●わかりやすい商品の品揃え。●料金が安い。●ターゲット市場を決めている。●広告チャネルがインターネット●低コスト体質である。●マーケティング力、発信力が強い。● 対面営業で、プッシュ型のマーケティングを行っている。●販売チャネルが豊富である。● 広告等を使ったプロモーション戦略を行うことができる。●商品ラインアップが豊富である。弱み● ネットを使えない顧客を取り込めない。●小規模で営業に人が避けない。● マーケティングに大きな資金をつぎ込めない。● 幅広い層への営業活動を行っていない。● 差別化、特化した商品を発売しにくい。●高コストである。● 競争が厳しく、自社の差別化をしにくい。●全社的な集中戦略が取れない。上村 高史DC 前回のダイアリーでカイロプラクティック(以下、カイロ)に理解ある専門医は、どの分野であるのか?というので終わっていたと思います。どの専門医だと皆さんは思いましたか? 答えがあるのかと言われれば、私の中ではありました。ただその答えを分かって頂く為に私の経験や事例をお話して、皆さんにも考えて頂きたいと思います。まず、私が現在のアジャスト、施術において基礎になっている事はパーマー大学で勉強したモノです。 卒業後、アメリカのサンノゼ、サンマテオで開業されているDr岡井健氏、アメリカのトーランスで開業している叔父のDr上村晃司氏の所でインターン、アシスタントをした中で保険の書き方、患者、スタッフとの接し方、クリニックを運営するマネジメント能力、地域との繋がり、他の専門医との繋がり、ボランティア活動の大切さ、アスリートの治療等数えきれない程の事を短期間で経験しました。その中でトラブル時の対応についても何回も経験しました。 その経験が役に立ったのが、Jリーグアルビレックス新潟またはシンガポールリーグアルビレックス新潟Sのトレーナー時代です。ご存知の方も多いかと思いますが、Jリーグチームトレーナーの殆どが柔道整復師、鍼灸師、按摩マッサージ師、理学療法士です。アスレティックトレーナーもATCではなく、日本体育協会公認アスレティックトレーナーの方でした。カイロプラクターはいませんでした。現在もそうだと思います。 私の場合は、アメリカでサッカー協会の方と子供を教えていたのが縁で、Jリーグの遠征の手伝いやアメリカ代表選手のサポートをさせて頂きました。 日本へ一時帰国をした際、サッカー協会の方に紹介され、7チーム程の面接・見学機会を頂けました。どのJリーグチームも年間を通して相当な数の選手が怪我をします。 基本的な構図は、まず怪我をした選手はチームドクターの整形外科医が検査をします。骨折、断裂等がなければグランドに復帰するまでトレーナーの役割です。チームのトレーナーは、走る・蹴る事が出来る段階まで治療やリハビリをする事が一番の仕事です。グラウンドを全力で走れる段階でフィジカルコーチ真のチーム医療の 必要を感じるキッカケDrDrムウエムムウエムララののリアリリア床ダイアリー臨床ダイアリDr ウエムラの臨床ダイアリーVol.2上村高史 DCに任せます。練習前後の治療は勿論トレーナーが行います。 面接段階でどのチーム強化部長もカイロプラクティックの事は知らない方ばかりでした。それよりも怪我の予防と治療で早期回復に繋がれば、お願いしたいという解答のチームがほとんどでした。全てのチームから良い印象で、私は当時J2から上がって間もないアルビレックス新潟と契約する事になりました。決め手となったのは、地方のチームで現場と本社が地域一体となって、上を目指していたからです。 また、運良くシンガポールの設立間もないチームで、英語を生かしてチームのトレーナーを教育して欲しいと言われ、ヘッドトレーナーも任せて頂きました。 次回はその時の出来事についてお話しいたします。 最近、日本でも普通に見聞きする機会が増えた過敏性腸炎(IBS)。私が栄養カウンセリングを行う病院とクリニックでも明らかに対象者が増加しています。残念ながら、IBSの明確な原因はわかっていないのが多いのも事実です。 内臓過敏症(VHS)の視点から、最近の論文を検索していると、イギリスとアメリカからの研究報告の中に、IBSを発症する患者の中に、かなりの割合でビタミンD不足の人が確認できたというものがあり、非常に興味深い報告だと思いました。 ビタミンDといえば、世界中でこの5年ほどの間に再認識された、ホルモン様作用を持つビタミンで、日本でも免疫力向上と深く関わっていることが多数報告されています。ビタミンDが免疫と関係している背景の1つに粘膜があります。特に免疫の仕組みには重要な臓器である腸管粘膜に存在するレセプター(受容体)の働きがあり、IBSの症状も腸管のぜん動運動とその背景にあるセロトニンの生産分泌があります。これらは、まさに粘膜上で機能することを考えると、ビタミンDが不足することで、腸管粘膜上に存在するレセプターの機能が低下することが、IBSの症状の背景にもあるぜん動運動の働きに影響がでることも十分納得できる内容となっています。 研究報告では、IBSの症状、特にD-IBSと呼ばれる下痢型IBSの症状を持った患者には、念のために血中ビタミンDおよび1-25OH2ビタミンDの検査をしてみることを勧めています。また、問診の際に、日常的に紫外線を浴びる時間の長さと、ビタミンDが含まれた食材、サプリメントを摂取しているかの確認をするべきだとしています。 私も、今年の4月初めから栄養カウンセリングで来られているIBSの症状を持つクライアントさんには、問診で確認をし始めました。まだ絶対数が僅少なために、明確なことは言えませんが、傾向として日光に浴する時間が短く、脂質が苦手な人がいるような感じはあります。 先日カウンセリングに来られた下痢型IBSの女性は、問診で興味深いことがわかりました。それは、食材のヒアリングをしていたところ、ビタミンDが含まれる魚やキノコ類などについては、2011年3月11日以降、意識して食べないようにしていること色白の人と 過敏性腸炎(IBS)の 関連性についてと、紫外線には平均して1日5分くらいしか浴していないということでした。事実、東北震災の後には、メディアから流れてくる映像の恐怖に対するストレスからIBSの症状が増えたこともあったようですが、このような理由が D-IBSの背景にあることも考察する必要があると感じました。 通勤通学の途中で何回も途中下車するほどトイレが近いD-IBSの症状を持った人は、想像以上に多いと感じますが、ビタミンDを意識して摂取してみる価値はあるかもしれません。 因みに、アメリカのコネチカットで栄養療法クリニックに従事している、友人のドクターに確認したところ、D-IBSの患者には1日あたり25〜30μgのビタミンDを処方するそうです。

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