カイロタイムズ106
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(1)2016年8月22日発行 カイロタイムズ 106号NO. 106 号発行日/2016年8月22日発 行/日本医科学出販株式会社〒160-0023東京都新宿区西新宿3-1-5新宿嘉泉ビル8F TEL:0120-223-505 FAX:0120-223-509Eメール:info@chiro-times.co.jp2月・5月・8月・11月発行■厚生労働省からの情報提供①現在の行政動向 今後のさらなる医療福祉ニーズの増大に対応するため、行政では潜在有資格者の掘り起こしとともにキャリアパス複線化を検討している。具体的には、医療・福祉の複数資格に共通の基礎課程を創設し、資格所持による履修期間の短縮・単位認定の拡大によりダブル免許を取りやすくするもの。今後、各団体で実際に行われている教育カリキュラムの中身を検証し、共用性を検討していく。 厚生労働省管轄では、柔道整復師・あはき師(あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師)学校養成施設カリキュラム等改善検討会がそれぞれ開催されている。学校によりバラつきがある最低履修時間数を引き上げ、単位内容を見直すなど改善案を盛り込み、業界として質の向上を目指す。早ければ平成30年4月からの適用を視野に検討中。②新たな高等教育機関の制度化について 専門分野に特化し、社会に貢献できる即効性のある実務家・職業人を養成する高等教育機関「職業大学」を作ることも検討していく方針。例えば、カイロプラクティックに特化した大学を作りたいとすれば、文部科学省に申請をして中身の精査を受け、通れば大学を設置することが将来的には可能になる。早ければ今年の臨時国会で文部科学省から法案が提出され、ある程度の具体的な形が見えるが、平成30年あるいは31年には第一陣がスタートか。 佐藤氏は『カイロプラクティックの世界でも、法制化となれば様々な規制がかかることが予想される。見直すべきところは見直し、無資格・有資格関係なく業界として安全基準を精査して、より安心安全な施術を提供していただきたい』とコメントしている。■意見交換会の名称変更と法制化への決意 今回、この意見交換会の名称変更が決議された。新名称は「カイロプラクティック制度化推進(準備)会議」。前述の通り行政も他医療団体も高まる医療・福祉ニーズに応える準備を着々と進めている中、カイロプラクティック業界が立ち遅れていることは否めない。「意見交換段階から次のステップへ踏み出す」という決意を新名称に込め、法制化への動きをスピードアップしたい考えだ。これまでにない各団体間の協力体制と、運営ルールの土台が構築されつつある。 正規教育を受けたDCとそれ以外の自称カイロプラクターが混在する現状で「質の維持」は大きな議題である。 梅雨明け直後の湿った暑さの中、東京ビッグサイトで『癒しフェア2016 in Tokyo』が開催された。会期は2016年7月30日(土)〜31日(日)の2日間。ビューティ・ヘルス・ヒーリング・検定を実施する案や教育など、活発な議論が展開された。海外認定資格ということで独自路線を歩んできたが、今後は日本の医師や大学等との連携も視野に入れる必要が言及された。 「消費者が安心安全にカイロプラクティックを受けられる体制づくり」が最大の目的であり、そのためにも法制化は避けては通れない。8月開催の行政立ち合いでの制度化推進(準備)会議に注目だ。■今後の課題 法制化は「業界」で取り組むべき問題。その話し合いの場に参加しない団体があるのは非常に残念である。業界が1つになるための大きな障害となる可能性がある。まずは全員が議論のテーブルに着くこと。その上でこれまでの経緯や、立場や利害をも超えた各団体の「FinePlay」に期待したい。カイロプラクティックはリラクゼーション業ではない。医療業界の一員として認められるか否か、今が正念場だ。カイロ大学設置も将来的には可能に?カイロプラクティック意見交換会 調整会議報 告13日カイロプラクティック意見交換会議の様子 2016年7月13日(水)、愛知県産業労働センターにてカイロプラクティック意見交換会調整会議が行われた。座長を務める伊佐氏、事務局の山田氏はじめ、DCの方々、業界団体、協同組合連合会、学術研究組織、消費者団体などから14名が参加。厚生労働省医政局医事課の佐藤課長補佐をお迎えしての意義ある会議となった。会議では熱い意見が交わされたスピリチュアル・エコロジーといったキーワードを柱に展開された本イベントの来場者数は、2日間で約3万2,000人以上。「癒し」にアンテナを張る人々が、自分にとって必要なものを「実際に見て、体感して、選別する」貴重な機会となった。 本イベントに出展した、いわゆる「癒し系」ジャンルのブースは150以上で、全体の約半数にあたる。それだけ多くの人が「癒し」に興味を持っているのだ。 そもそも「癒し」とは一体何だろう。本来は宗教的・奇跡的な「治癒」をもたらす動作の意味で使用されていた言葉。最近では、過度の緊張やストレスを解放し、安らぎや和みを与えるものの総称、手法やアイテムを指す名詞としても使われている。 何に「癒し」を感じるのかは人それぞれだ。心洗われる音楽。ペットと過ごす時間。美しい水晶。誰かに話を聞いてもらう。身体にいい飲食物。マッサージクリーム。肩もみ器。結局のところ、自分を苦しめている苦痛から一時的にでも逃れられるなら、手段は何でもいいのだ。原因ごとに対処方法が確立している医療とは、ここが大きく違う。 会場内に設けられたパフォーマンスコーナーでは、東海カイロプラクティック協同組合代表理事である田邉創PhDがカイロプラクティックの施術パフォーマンスが行われた。カイロプラクターがこのような場で施術の実演やレクチャーを行った例は過去にない。朝一番という時間帯にも関わらず多くの来場者が足を止め、立ち見が出るほどであった。 腰痛・肩こりは日本では国民病とも言える代表的な苦痛。しかし正しい対処法を知らず、何気ない自己流ストレッチが実は誤った動きであることも多いという。田邉PhDは、骨模型での説明や実際の動きを交えながら、正しい姿勢、身体の動かし方を丁寧にレクチャー。赤ちゃん連れの若いお母さんが熱心に聞き入っていた姿が印象的だった。肩こりも腰痛も切実な苦痛なのだろう。60分という短い時間ではあったが、彼女にとって非常に有益だったことは間違いない。 「医療事故が増えている現状を受け止め、正規に認められたカイロプラクターによる安全な施術を受けてほしい」という田邉PhDの言葉は、参加者のみならずカイロプラクティックを知らない人にもぜひ届けたいメッセージだ。今後もこのような情報発信や啓蒙活動の機会が増えることを期待する。 「ストレス社会」という言葉が世に出て久しい。今のご時世、ストレスを全く抱えていない人などいるだろうか?職場や学校での人間関係、家族関係。コミュニケーションの難しさ。孤独。ストレスは時として心身に支障を来し、病を重くする。物理的な苦痛なのか精神的なストレスなのか、もはや本人にも分からない。その多くを救っているのは病院の治療や薬ではない。手技でもない。こんな時代だからこそ「身体と心の隙間を埋めるもの=癒し」に注目が集まっているのだ。医療との違いは大きいが、無視できない効果があることも事実である。 身体と心は切り離すことができない。できない以上、昨今急速に進んでいる統合医療の考え方やホリスティック、ソマティックな視点とともに「身体と心の隙間を埋めるもの」への理解も必要になってくるだろう。「今痛い部分」を一方向から診ているだけでは、もう人間の健康は守れない時代になっているのかもしれない。田邉PhDの講演開場を心待ちにする長蛇の列日本最大級のヒーリングビューティーショー開催『癒しフェア2016 in Tokyo』3万2,000人以上を動員3万2,000人以上を動員「癒し」って何だ?田邉創PhDによる施術パフォーマンス身体と心の隙間を埋めるもの

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