カイロタイムズ105
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(8)2016年5月16日発行 カイロタイムズ 105号厚労省・消費者庁担当官を招いての業界意見交換会の第2回が開催され、第1回に引き続き、弊紙も参加させて頂きました。業界側からは、行政主導で法制化ができないのかといった種類の質問が繰り返され、内容は前回より後退したかにも見えました。しかし、担当官も根気強くかつ明確に回答してくだったため、業界側も積年の疑問を解消でき、ようやく法制化に向けて第一歩を踏み出したという印象です。また、業界は長年、海外の基準を日本政府も採用すると盲目的に信じてきたように思いますが、担当官からはWHOガイドライン含め、国外のことは関係ないとの発言があり、衝撃的でした。仮に採用するにしても、大切なのは、業界がまとまり、業界の総意としてそれを決定し、行政に訴えることなのです。編集後記カイロタイムズでは、皆様からの広告・寄稿・情報提供を募集しております。〒160-0023東京都新宿区西新宿3-1-5新宿嘉泉ビル8FTEL0120-223-505 FAX0120-223-509E-mail:info@chiro-times.co.jpURL:http://www.chiro-times.co.jp/日本医科学出販株式会社 カイロタイムズ編集部 AMセミナー受講者が下肢長検査法をマスターする際、ある程度の段階があります。最初の段階では、下肢長検査をする際の立ち位置、手の位置、手の運び方などのいわゆる「型」を修得します。「型」の修得ができた後、次は「反応を読み取る」修得へと進みます。「型」の修得だけで下肢長を判断すると、機械的に判断する傾向があるので、検査結果は「微妙に短い」とか「微妙に揃っている」などの答えうことが見えてきました。 「反応」を読み取ることに苦労する人は、機械論的思考を強く信じている人が多い傾向があるようです。生体反応は感じなければならないのですが、理屈で考えるから、理屈通りの検査結果でしか得られない。例えば、「長さを計る」という機械論的な視点で診ようとすると、人間の骨格は微妙にしか「ズレ」ないだろうという思考が潜在的に働くので、下肢長検査の結果も微妙にしか変化しないということになり、その思考が、そのまま検査結果として現れます。 もしも、「反応」が示されるということを有機論的(生命論的)に考えると、「微妙な変化」ではなく、「明らかな変化」として示されます。たとえば、神経学的エラーの結果、筋肉などのトーン(緊張)が変わり、足関節、膝関節、股関節、骨盤、脊柱周辺の筋肉などの一連の連なりが有機的に変化する結果として「反応」が示されると想定することができます。 このような有機的な仮説に基づいて検査する場合と、機械論的な仮説で検査をする場合では、術者が指標とするアンテナが大幅に異なり、生体から読み取る情報も異なります。人間には本来高性能のセンサーが備えられています。その高性能のセンサーを活用した下肢長検査法ができるかどうかは、施術者が信じている治療哲学や生体反応に対する捉え方にかなり影響を及ぼしているようです。 これは、私が長年AMセミナーで指導させていただいた経験で学んだことです。とても重要なことなので、多くの治療者に学んでいただきたいと願っています。(次号に続く)が返ってくる傾向があります。 その一方で、熟練した「反応」を読み取ることができる施術者では、「反応がある」か「反応がない」か、すなわち「全か無か」の検査結果が返ってくる傾向があります。「反応」を読み取ることができるようになった人と、そうでない人の違いは何かと、教える立場で長年試行錯誤した結果、技術的なことよりもその行動を生じさせる潜在的な思考、思想の影響が強いとい下肢長検査法で「反応」を読み取る②保 井 志 之 DCVol.7 仕事や運動といった日常生活により、関節、筋肉、結合組織は高ストレスにさらされ、酷使による下肢の損傷を引き起こす。脛骨過労性骨膜炎(筋肉)、アキレス腱炎(腱)、足底筋膜炎(靭帯)などこの状態を表す名称は多数あるが、原因は一つで、反復的ストレスによるものである。酷使・微視的損傷 過剰および(あるいは)反復的動作により引き起こされ、微視的損傷に至るものは数多くあり、前述の状態もその1つである。微視的損傷とは、人体の回復が間に合わず、組織が機能しなくなることである。酷使による損傷の原因は、内因性のものと外因性のものに分類され、区別は容易である。1外因性要因と内因性要因の分析 通常速度での歩行では約5Gの力が生まれ、一歩踏み出すごとに急速な衝撃波(過渡電流)が脊椎に送られることが、科学者の研究により明らかになっている。踵が地面に着地する10㍉秒の間に、頭蓋骨2には5Gの衝撃が起こる。これは、約72㎏の男性が、約36㎏で頭を打たれたようなものであり、走っている時には3倍にもなる(3の法則)3。インソールのサポート カイロプラクターとしてあなたは、お客様の足に生体力学上の異常や歩行の変性がないか検査できる。そして、フットレベラーズ社商品のようなオーダーメイドインソールにより長期間のサポートを提案することができる。•踵の着地時の衝撃を吸収し、関節に掛かる力を軽減する•膝関節や脊椎への内旋を減少させることにより、回内を軽減する•筋伸長を軽減するため、アライメントと関節可動性を改善する•よりよいバランスとアライメントのために、正確な固有受容を提供する•内側縦足弓をサポートし、踵骨回外を軽減するマーク・シャレットDCVol.4マーク・シャレットDCフットレベラーズ酷使による下肢の損傷 外因性要因運動(強度)運動・勤務環境(表面)装備(靴) 内因性要因筋肉不均衡構造的ずれ関節機能障害Lysholm J, Wiklander J. Injuries in runners. Am J Sports Med 1987; 15:168-171.Light LH, McLellan GE, Klenerman L. Skeletal transients on heel strike in normal walking with different footwear. J Biomech 1980; 13:477-480. Subotnick SI, ed. Sports Medicine of the Lower Extremity. New York: Churchill Livingston; 1989:67.1.2.3. 2004年、僕の開業当初の目標は「石にかじりついてでも10年続ける」ことだった。なぜなら、自分の中で「一つの仕事を10年やって一人前」と認識していたし、何より「人のカラダを10年触って分かる感覚があるのではないか?」と漠然と感じていたからだ。 その想いはきっとアメリカのガンステッド・ドクターの後ろ姿を見てきたからだろう…。師匠Dr.ドレスラーは患者様と向かいあって座り、同じ目線で問診を取る。彼がガンステッド・セミナーで担当していた「ドクター&ペイシェント(患者)クラス」ではListen!、常に患者様の声に耳を傾けることを叩き込まれた。 白髪のオールドタイマー(ベテランDC)が、毎日訪れる患者様一人一人のカラダ・背骨をチェックするルーティーン(視診、ナーボスコープ、触診、レントゲン)に、大切な何かが詰まっている。もし患者様の結果・状態が良くならない場合、僕達カイロプラクターはこのいずれかのルーティーンを怠ってはいないだろうか? さて、早いもので今年5月で開業12周年を迎える。昨年12月に施術院を移転、新天地で「ファミリー・カイロプラクティック」の第2ステージがスタートした。12年の施術経験から、カイロプラクターとして「こころとカラダを元気にする!」という目的と使命の境地に至った。我が新天地「光ヶ丘」はパワースポット、いや僕がパワースポットとなるべく、ポジティブなエネルギーを発信・共有したい。 さあ、僕の『フィールド・オブ・ドリームズ』が開幕…。広大なガンステッド・クリニックには到底及ばないけど、自分のスタイルが見つかった。僕を成長させてくれたガンステッド・カイロプラクティックに本当に感謝している。ありがとう僕の『フィールド・オブ・ドリームズ』小野 弘志DCGCJスタッフ 小 野 弘 志 DCVol.9ファミリー・カイロプラクティック新オフィスする方法として軟部組織テクニック●圧痛や炎症を起こした関節に対する間接的療法の筋膜アンワインディング●亢進した状態にある交感神経の抑制として椎傍・椎前テクニック●促通効果を起こしている分節があれば、その部位のSDを治療●リンパ排液路を開き、患者の呼吸ポンプを最大化、その他関節ポンプ●肝臓ポンプとCV4は全身の解毒を助ける手段として多用●頚部のHVLAに関して、環椎十字靭帯弱化は潜在的病理性亜脱臼と関係していることが多く、重篤な関節炎患者には禁忌である 関節リウマチは、関節に炎症、痛みや変形を伴うことから、関節筋骨格系障害と思われがちだが、これは全身性疾患である。処方される薬剤の副作用を抑え、恒常性メカニズムを強化し、患者のもつ現存する構造の範囲内で機能を最大限に引き出すオステオパシーのマニピュレーションは、この難病の管理に特別な役割を果たす。(関節リウマチの患者にどのような利益がもたらされるのか、検証してみたい。) 関節軟骨には血管やリンパ管は分布していない。滑液が関節を栄養し、免疫合成物と代謝老廃物を処分する場となる。滑膜への血流が低下すれば、患部の栄養状態を悪化させるうえに、免疫複合体が蓄積し関節の破壊につながる。組織学的観点からいえば、軟骨が最良の状態で維持されるには、関節面が断続的に接触し、圧縮を受ける必要がある。このような接触は軟骨の局所的栄養を改善し、その領域から免疫複合体を除去する。また、関節リウマチと特に密接であるのが、滑膜の浸透性である。交感神経活動が亢進すると罹患関節への血流が低下し、栄養物、酸素、薬剤の供給が低下し、組織の低酸素症を招く。それが基底膜の多葉化を促進、肥厚化し、関節の浸透性を更に低下させる。交感神経の亢進状態を抑制することは、関節リウマチの症状と病理の悪化を防ぐ。関節リウマチに特筆すべきOMT●関節周囲組織にアプローチ関節リウマチとそれに対するOMT(オステオパシー・   マニピュレーティブ・トリートメント)

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