カイロタイムズ102号
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(4)2015年8月17日発行 カイロタイムズ 102号第49回ダイレクトテクニック仲井康二DC, CCSP≪女性≫『子宮』 小骨盤内で直腸の腹側に前屈・前傾して位置する(図1)。子宮はナスを逆さにしたような形で、長さが7cm、幅4cmくらいの大きさで、頭部の丸みをおびた部分が子宮底、体部、尾側の細い管状の部分を子宮頚(頸部)と呼ぶ。子宮は子宮広間膜に覆われている。 子宮は厚さ1cmを超える筋層(平滑筋)が袋状となり、内面は内膜が被い、筋線維が子宮の長軸を輪状に取り巻いている。子宮頸部の粘膜は子宮内膜とは異なり、月経期でも剥離せずに、アルカリ性の粘液を分泌して、膣からの感染を防ぐ作用を持つ。妊娠すると平滑筋線維は有糸分裂を行い数を増やすと共に、細胞自体も大きくなり、妊娠していない平常時の数十倍の大きさと長さに至る。『卵管』 子宮の2つの排卵口から左右対称に外側に向けて卵管が延びている。形がラッパ(チューバ)に似ているために「ラッパ管」とも呼ばれる。長さは約10~15 cmで、途中の太い部分は卵管膨大部と呼ばれ、授精の多くはこの部位で行われる。そして外側の端が房状に深く切り込んで卵管采となり、腹腔に開いて卵巣に向かい合う。 卵管膨大部で授精した受精卵は、卵管内で細胞分裂を繰り返し、回転しながら移動して子宮に到達する。授精後3週目頃から心臓の拍動が始まり、第8週には顔や手足も人らしくなる。9週目前は“胚(embryo)”と呼ばれるが、以後は“胎児(fetus)”と呼ぶ。妊娠日数は28日(4週間)を1カ月とするので、胎児は通常は40週で出生する。『卵巣』 骨盤腔の側壁に接し、楕円形で左右に1つずつ位置する。成熟卵巣であれば、長さは約2.5 cm、幅が約1.2 cm、厚さは約1cm、重さは約6gで親指の先くらいの大きさであるが、加齢と共に全体が縮み、表面はシワに被われる。後腹壁に固有卵巣索、骨盤腔壁に繋がる卵巣堤索、および卵巣間膜で支えられているが、大きな可動性を備えている。 卵巣内には原始卵胞(1次細胞)が片側に40万個あり、下垂体からの卵胞刺激ホルモンや黄体形成ホルモンの刺激を受けると、卵胞が成熟して発育細胞(2次細胞)となる。その後に黄体ホルモンの刺激を受けて卵子を放出(排卵)する。一人の女性が一生の間に排卵する総数は400~500個で、左右の卵巣からほぼ交互に排出される。残された卵胞は成熟に至らず退縮または消失してしまう。この現象は、卵胞閉鎖と呼ばれる。『外性器』 陰核の背側、左右に分かれて1対の小陰唇、それを外側から大陰唇が被う。膣前庭の腹側に外尿道口、背側に膣口が開いている。陰核は男性の陰茎にあたり、小陰唇は男性の陰茎の皮膚にあたる。大陰唇は男性の陰嚢であり、膣前庭にはバルトリン腺(大前庭腺)と小前庭腺があり、粘液を分泌する。『女性の性疾患に対するカイロプラクティック的アプローチ』 女性に対するカイロプラクティック的アプローチは数多くあるが、代表的なものだけをご紹介する;〇無月経:第1~3腰椎〇生理痛:寛骨、仙骨、第5腰椎、すべり症〇生理不順:第12胸椎~第5腰椎、環椎〇流産:第6頸椎~第3胸椎、第4~5腰椎、骨盤〇子宮後屈:ASIN寛骨、または腰椎の前彎減少〇閉経:環椎、第7頸椎~第3胸椎、第12胸椎~第3腰椎≪男性≫『精巣(睾丸)』 精巣は精巣上体と共に精嚢の中にある(図2)。精巣(testis)は「証人」または「目撃者」の意味がある。胎生初期に腎臓の辺りに形成され、成長につれて次第に下降し、生まれる頃に陰嚢に納まる。精巣にはミカンの子袋のような部屋(小葉)が200~300個もあり、その中に直径が約0.2 mmの迂曲した管(曲精細管)が約4本ほど納められている。引き伸ばすと30 cm~1m近くもなる長い曲精細管が1個の睾丸の中に約500本ほど曲がりくねって納められ、思春期になると精子が製造され、曲精細管を通り、精巣上体(副睾丸)に送られる。曲精細管の間を埋める間質組織の中にある間細胞(ライディッヒ細胞)が男性ホルモン(アンドロゲン)を分泌する。 精巣の曲精細管の精上皮には2つの細胞が含まれ、1つは精子を作る精祖細胞で、もう1つは精子の栄養補助となるセルトリの支持細胞である。精祖細胞から成熟した精子になるまでは、約9週間(64日)かかる。女性の性周期は4週間であるから、男性の性周期は2倍以上となる。精子の全長は約60μmで、膣内に放出された精子は1分間に約6mmのスピードで子宮頚に向かうが、精子を人間大とすると、時速約120 kmに匹敵するスピードになる。『副睾丸』 伸ばすと6mにも及ぶ長い管が曲がりくねって納められ、睾丸から送られてきた精子を10~20日間貯蔵する。『陰茎』 柱状の陰茎体と陰茎亀頭から成る。陰茎体には背面にある1対の陰茎海綿体と、下面の尿道海綿体から形成され、尿道海綿体の中軸に尿道があり、先端の亀頭に外尿道口が開いている。『前立腺』 成人で約20g、約3cmの大きさで、クリの実のような形で、中央前方に尿道が通り、斜めに走行する左右の射精管が尿道に開口する。 精子の運動を促進する液体を分泌して、精漿の一部となる。前立腺からはクエン酸イオン、カルシウム、リン酸イオン、凝固酵素や、プロフィプリノリジンを含む希薄な乳白色の液体を分泌する。前立腺の分泌液は、精液の約20%を占める。『男性の性疾患に対するカイロプラクティック的アプローチ』 男性の性疾患に対するカイロプラクティック的アプローチは少ないが、ご紹介しておく;〇潜在性睾丸症:患側のPIEX寛骨、仙骨の後方変位〇陰嚢水腫:ASIN寛骨〇前立腺:多くは腰椎の前彎減少、第12胸椎~第4腰椎〇インポテンツ:第1~2腰椎、上部頸椎〇睾丸:第1~2腰椎第5腰椎生殖器(図1)(図2) 突然ですが、質問です。皆さんが①カイロプラクターになった動機は何ですか②どんなカイロプラクターになりたいと思っていましたか③カイロプラクターとしての夢や目標は何ですか④どんな瞬間にカイロプラクターになった幸せを感じますか。  金メダリストやメジャーリーガーをはじめ、各界の著名人をクライアントにもつコーチングの第一人者である平本あきお氏の著書『成功するのに目標はいらない!』(こう書房)では、「目標を設定して、具体的なイメージに近づいている自分」にワクワクする人を「ビジョン型」、反対に、目標を重荷や制約に感じてしまうが、「自分らしさ」が満たされた瞬間に幸せを感じる人を「価値観型」と定義している。さらに、「ビジョン型」「価値観型」のどちらがいいかではなく、どちらが自分にあうか、つまり、自分にあった「やる気の素」(「自分軸」)を知り、そこから自分にあった成功の方法を引き出して実践することが、充実した人生を生きることにつながると説いている。 では、私の答えを披露しよう。①初渡米した1993年にカイロプラクティックという職業を知り、「それが何たるか」を知りたいという好奇心から②師匠と仰ぐドレスラーDC(ガンステッドセミナースタッフ)のように芯が強く、謙虚で寛大なカイロプラクター③父の遺言通り「細く長く」、まず地元住民の健康に従事する④患者様と関わり、その人生を変えるキッカケになれた瞬間。さて、私は「ビジョン型」?「価値観型」? ところで、今年5月に開業11周年を迎えた。十年一昔と言うが、振り返ればあっという間。ここまで「カイロ道」を歩んで来れたのは、拠り所になる「自分軸」があったからだ。そう、私の自分軸は「ガンステッド・システム」。問診から始まって最終的にアジャストを施す過程、その後の施術方針、患者教育など、カイロプラクターとして大切なことのすべては「ガンステッドセミナー」で学んだと言っても過言ではない。ガンステッド・システムという自分軸のお陰で11年間、「背骨を見る、触れる、伝えることの重要性」を見失うことがなかったのは、カイロプラクターとして幸運だったのかもしれない。 さあ、ここで最後の質問。⑤あなたの「自分軸」は何ですか。Find 自分軸小野 弘志DCGCJスタッフ 小 野 弘 志 DCVol.6 2015年6月6日(土)〜7日(日)、米国ガンステッドセミナーより、代表ジョン・コックスDCを講師に迎え、第9回米国ガンステッドカイロプラクティックセミナージャパンが品川区内のホテルにて開催された。 2年ぶりの開催となる今年は、国内情勢の影響を受け、参加者10名と小規模な開催となったが、その中には、韓国からの参加もあった。 コックスDCは、顔なじみのリピーター参加者を名前で呼んだり、ジョークを言ったり、リラックスしたムードを作り出す一方、その指導は、一人ひとりに対して丁寧かつ厳格で、細部に及び、受講生はセミナーを堪能した。 受講生の一人は、「コックス先生に直接、じっくり教えて頂けて、こんなに贅沢なセミナーはない」と感想を述べた。 ガンステッドカイロプラクティックオブジャパン代表の松久正MD・DCは、「来年以降は、もっと多くの方に参加して頂けるよう、セミナー内容の充実や改正、参加資格の再検討をしていきたい」と語った。ガンステッドセミナー集合写真米国ガンステッド カイロプラクティック  セミナージャパン開催米国よりジョン・コックスDC来日

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