カイロタイムズ101号
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(7)2015年5月11日発行 カイロタイムズ 101号1980年パーマーカイロプラクティック大学を最優秀で卒業。世界中のカイロ大学において客員講師を務めるとともに、米国「フットレベラーズ社」講師としても活躍。四肢へのアジャストや生体力学、脊椎アジャストテクニックのセミナーを1400回以上提供。マーク・シャレット DC プロフィール 前回、SNSの活用についての記事を書いた。市場の購買動向がAIDAからAISASの法則へと変化したことについても「すごく納得しました」などの声を頂いた。今回はその続編として、実際にどのようにSNSを使うのが効果的かをお伝えしようと思う。 まずはじめにSNSで発信する情報を決めていこう。職種から言えば「プロならではの健康法」「腰痛予防について」「肩こり改善法」「栄養知識」「顎関節チェック法」など、ご自身の専門知識を活かせるものが良いだろう。 そして今後はそれらに関する話題をどんどんと投稿していくことになる。よく見かけるような日々の食事の話題やどこそこに行きました!などは一切なくてもいい。もちろんあっても良いが「○○の専門家」としてSNS上でブランディングされるのが良い結果への早道だから、その割合を考えてほしい。 日々の臨床上での出来事などを投稿しても良い。ただし個人情報保護法と医師法・薬事法などの関連法規には絶対に抵触しないこと。私たちKCSセンターでは内容によっては法学博士にもチェックしてもらっている。今は同業者からのチクリも多いから何かあったら致命的だ。 投稿は画像や写真、動画が良い。複数のSNS媒体を持っている場合はクロスメディアも考えよう。Twitter↓FB↓ブログ↓ホームページというような誘導も非常に効果的だ。Youtubeも活用できるならキーワードを最適化すればロングテールSEOにもなるからとても良い。結果的に多くの濃いアクセスが舞い込み、実際に来院につながることも増えてくるはずだ。 この業界ではICT(IT)が苦手という先生が多いので、最初のハードルが高いかもしれないが、今後必要になってくるスキルでもあるので、少しずつでも始めていってもらいたい。SNSの活用2vol.7vol.7地域によって米が取れにくい県もあるし、北国と南海では獲れる魚も違う。日本海と太平洋でも違う。また、魚と言っても以前は「関東はまぐろ、関西は白身」を指していた。食べる魚の種類が違えば、醤油味に「地域差」がでるのも当然で、九州では甘めの醤油、関西では薄口、関東では濃口が一般的となっている。(2)地域差を生かすとは 「キッコーマン」は九州進出の際、味を従来のものから 「地域差」はマーケティング上重要で、日本は地域により習慣や文化が大きく異なる。明治維新により中央集権国家の政策をとった明治時代から現在に至るまでも、日本人の根底にある本質は変わっていないことの証明と言える。(1)地域差とはどのようなことか 「地域差」を一番感じられるものと言えば、食べ物だ。地域に合わせたものに変えて成功を収めた。醤油の全国シェアの30%を占めるトップ企業でも九州のシェアはわずかに5%だった。キッコーマンは、九州でのエリアマーケティングを実施し、その地域の味の嗜好にあった風味を開発した。 ハウス食品はインスタント麺では後発だが、トンコツ醤油タイプのインスタントラーメン「うまかっちゃん」を九州地区で販売して圧倒的な支持を得た。九州では、ラーメンと言えばトンコツタイプであり、街のラーメン屋では、ほとんどがトンコツ風味。同じように今度は関西地区で関西風味のインスタントラーメン「すっきやねん」、北海道地区で「うまいっしょ」を発売して、各々の地域で支持を得た。 しかし、それらの商品を東京地区で発売したが、支持は得られなかった。なぜなら、当初のようなエリアマーケティングの発想がそこにはなかったからと考えられる。 「ある地域」で成功したからと言って、別の市場に無防備に同じ商品の投入を実施した場合、失敗すれば負担は大きいものになる。  カイロ業界も地域差があるかもしれない。一度マーケティング戦略も考え直してみてはどうか?「地域差」を戦略化する治療院経営の勘所vol.8株式会社福田総合研究所 福 田   徹 私の栄養カウンセリングを受けに来られる、特に栄養と健康に興味をお持ちの女性からよく聞かれる質問があります。「先生は糖質制限についてどう思われますか?ダイエットや健康管理には欠かせないと言われてますけど」以前に比べて少なくはなりましたが、相変わらず世の中では糖質制限、スーパー糖質制限がもてはやされているような気がします。 重篤な2型糖尿病で、食事管理で圧倒的に血糖をあるレベルまで下げることが可能と思われる人には糖質を一時的に制限することは有効な手段かもしれませんが、多くの生き物のエネルギー源である糖分を、不必要に、むやみやたらに制限コントロールして低下させることは、エネルギーの枯渇もさることながら、ホメオスタシスという平衡維持機能によって、下がった血糖を上昇させるための仕組みにスイッチが入ることになります。 その最大の機能が膵臓でつくられるグルカゴンというホルモンです。グルカゴンは低下した血糖を上昇させるために生産され分泌されます。ここまではまだしも、グルカゴンは単純に血糖を上昇させる作用を持ったホルモンではなく、胃酸の分泌を抑えてしまう働きを持ったホルモンでもあります。また、同時にコルチゾール、アドレナリンも上昇させることになります。 このグラフを見てもらうとわかるように、通常の生活環境における空腹時血糖が90-100mg/100mlだと考えると、空腹から食欲が出始める頃のグルカゴンレベルは胃酸の分泌を阻害するものではありませんが、血糖値が下がるに従ってグルカゴンは上昇し、胃酸の分泌を抑えに入ります。 糖質制限食を進めている人の多くが、高タンパク質食をチョイスしているようですが、アミノ酸まで分解するために不可欠なタンパク質分解消化酵素の1つペプシンは、胃酸が出て酸度にさらされて初めてペプシノーゲンが変化して作られる消化酵素です。また、グルカゴンが上昇してアドレナリンが上昇すること糖質制限の良し悪しで、腸内細菌の繁殖は旺盛となり、LGSをはじめとする腸壁からのタンパク質栄養吸収障害にも陥る可能性はぬぐえません。 したがって、私の栄養カウンセリングで糖質制限の事を聞いてこられるクライアントには、少なくとも、自分の消化分解に不可欠の胃酸と酵素の生産能力を確認もせずに、糖質制限に突入することがどれだけリスクを負うことになるかを理解して頂くことからスタートしています。 人間の足の裏には3つの機能的アーチがある。これは、体全体を支える三角形を形成し、衝撃を吸収し、体重を支え、歩行時やランニング時のエネルギー移動(歩行周期)を可能にする。踵からの力は足の裏で部分的に消失し、足関節や膝関節、股関節、骨盤、脊椎を通って体に伝わっていくのである。 しかし80%以上の人の足は過剰に回内、つまり、内側に回転し、アーチが平らになっている。足は体の土台であるため、この事実は運動連鎖に悪影響を与えている。偏平足は、腰痛といった、患者がカイロプラクターを訪れる一般的な症状と関係しているとする研究もある。 患者の足が目に見える症状を見せていない場合も、外反母趾やたこ、うおのめ、中足骨痛症などの明らかな機能障害の症状を見せている場合も、「3アーチサポート」が効果的な場合は多い。というのは、「3アーチサポート」は偏平足を防ぎ、体にしっかりした土台を与えてくれるからである。ある研究によると、インソールは下記のような症状の改善に大変役立ったという。●腰痛1●膝関節痛2●脛骨過労性骨膜炎などの下肢痛2●長時間立位による、下肢や足、腰の疲労やうずき、脱力3●足の長さの不均等に関係する症状4●その他 カイロプラクターは優秀な「痛みの捜査官」でなくてはならない。患者の歩き方や立ち方、座り方をよく観察してほしい。主訴部分の検査だけで満足してはいけない。バランスの取れた足の土台は、体全体にとって大変重要であるため、もっと足に特別な注意を払って欲しい。マーク・シャレットDC新連載Vol.1マーク・シャレットDCフットレベラーズ姿勢は土台から始まる〜完璧なカイロプラクティックケアに     足の検査が不可欠な理由〜Menz, L. et al. “Foot posture, foot function and low back pain: the Framingham Foot Study,” Rheumatology. 2013; 52(13): 2275-82.Gross, K.D. et al. “Flat feet are associated with knee pain and cartilage damage in older adults,” Arthritis Care Res (Hoboken). 2011 Jul; 63(7): 937-44.Kuhn, D.R. et al. “Immediate changes in the quadriceps femoris angle after insertion of an orthotic device,” J Manipulative Physiol Ther. 2002 Sept; 25(7): 465-70.Kuhn, D.R. et al. “Radiographic evaluation of weight-bearing orthotics and their effect on flexible pes planus,” J Manipulative Physiol Ther. 1999 May; 22(4):221-6.Zhang, J. et al. “Chiropractic adjustments and orthotics reduced symptoms for standing workers,” J of Chiropr Med. 2005 Winter; 4(4):177-81. Austin, W.M. et al. “Functional leg length discrepancy: chiropractic response,” J Bodywork Movement Ther. 2000 Jan.; 4(1):68-71. 1.2.3.4.5.6.

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