カイロタイムズ101号
5/8

(5)2015年5月11日発行 カイロタイムズ 101号 アクティベータ・メソッド(AM)の分析法の根幹となる下肢長検査法の起源をたどると、有機論的なカイロプラクティック(カイロ)の起源に通じているように感じます。現在では多くのカイロのロが本格的に臨床の現場で使われ始めたと言えるでしょう。 さて脊椎や四肢関節のサブラクセーションを特定するための機能的短下肢検査法の起源はどこでしょうか?脊椎などの神経関節機能障害部位の特定に最初に機能的短下肢を使い始めたのは誰でしょうか?AMの第2版では、Directional Nonforce Technique(DNFT)の創始者であるランプトDCとディアフィールド夫妻、さらにはトラスコットDCに影響を受けたと述べられています。 1940年代、最初に下肢長検査法を使って、骨盤や脊柱の問題部位を特定するために分類化したのはディアフィールドDCだと伝えられています。その後、トンプソン・テクニックを始め、AMなど様々なテクニックが類似した手法を使うようになりました。 同年代、上部頸椎で著名なグロスティックDCも機能的下肢検査に興味を抱いていたそうです。グロスティックの講義を受けたことのあるランプトDCは、若い頃にプロボクサーをしており、そのトレーナーは、頸椎のマニュピュレーションをする前に原始的な下肢検査を行っていたとのこと。文献によると、その経験がDNFTの下肢長検査法の起源となったようです。 そのトレーナーの素性は不明ですが、1910年代から下肢長検査が使われていたということになります。つまり、施術のための下肢長検査は100年以上も前から行われていたわけです。(次号に続く)テクニックで、脊柱や四肢関節のサブラクセーション(神経関節機能障害)を特定するため、あるいは術前、術後の結果を判定するために機能的短下肢の測定が使われています。 骨の長さを機械的に測定するという「構造学的な短下肢」ではなく、神経生理学的な生体反応の作用を加味した「機能学的な短下肢」を診るというところが重要です。歴史的に見ると、生体反応を診るという観点から有機論的なカイ保井 志之DC下肢長検査法の起源①保 井 志 之 DCVol.340度ぐらいでは別に脳に何にも不都合は起きないと言われています。外から入ってきた病原菌やウィルスと戦うのに都合がいいように体温を上げているのに、37・8度や38・0度で一喜一憂するのはおかしいのではないでしょうか。 こうして見てくると、アロパシー医学は風邪の症状は抑えることができても、風邪を治すことはできないのではないかと思います。実際、これだけ薬に溢れているアロパシー医学、つまり西洋医学の社会でも、単なる風邪を治す薬は今も存在しないのですから。 アメリカでは、オステオパシー医学とアロパシー医学が存在する。「んっ!アロパシー医学って何?」と首をかしげている人もおられることと思いますが、これはいわゆる「対症医学」で、今、一般的に行われている西洋医学のことです。アロパシー医学という言葉は、オステオパシー医学のように対比するものがなく、区別のために使われないので、知られていないのも仕方がありません。 現在主流となっているアロパシー医学は、怪我や病気のために出現している「症状」を抑えるためのものであって、根本治療ではありません。例えば風邪をひいたとすると、のどの痛みを訴えてくる患者さんがおられます。そういう患者さんには抗炎症剤を投与します。鼻水が出て困るという患者さんには、抗ヒスタミン薬を、頭痛の患者さんには頭痛薬を、また熱のある患者さんには解熱剤を処方します。でも、ここでよく考えてみてください。咳やくしゃみ、発熱というのは人間の身体がもつ防衛のための生理的現象なのではないでしょうか。咳止めの薬をもらい、それによって治癒してきたのならいいのですが、口腔や鼻腔から入ってきたごみ、細菌やウィルスなどを、咳やくしゃみによって体外へ弾き出そうとしているのに、薬によって症状の一つが治まっているだけだとしたらどうでしょうか。 また、発熱することも悪いことではなく、人間の免疫システムは体温が38・5度程度に上がっている方が効率よく機能します。人間は42〜43度があまり長く続くと脳に悪影響がでることもありますが、アロパシー医学は対症医学 CACCPはCertified by the Academy Council of Chiropractic Pediatricsを示し、小児カイロプラクティックの認定のことを言います。180時間のセミナーを受講後、リサーチに参加し、論文試験を受けるのですが、小児・妊婦のカイロプラクティックについて深い知識を問われます。 私がこの認定を取ることを決めたのは、「人間の全ては産まれた瞬間から始まる」と教えてくれたクリーブランドの先生の言葉でした。それから、ICPAのセミナーを取り始め、小児の治療は成長過程に大きな影響を与える、非常に大切なものだと実感するようになりました。そして、実は、妊婦の身体の状態により生まれてくる赤ちゃんに影響があることも知り、妊婦の治療も大切であるということを学びました。 帰国後は小児と妊婦のカイロプラクティックを中心に大阪や東京で活動してきました。レディースクリニックと提携して妊婦の施術を行っていたこともあります。妊婦の主訴は大体が肩こりや腰痛、痺れなどですが、私は施術だけでなく、なぜ妊娠中にカイロプラクティックが必要なのかというお話を妊婦のお客様にしてきました。 まず、アジャストメントを受けることによって、骨盤サブラクゼーションを正常化し、胎児が自由に動くことのできるスペースを確保することが大切です。そして、しっかりと産道を確保しなければなりません。それから、子宮の働きを司る神経を良くしていきます。もちろん妊婦の心理面も大切ですから、痛みを取り除くことも大切です。出産に向けての心構えについてもお話をします。「はぁしんどい、早く産まれてほしい」ではなく、「外の世界はとても楽しいよ。早く出ておいで。早く会いたいよ。」と思うようにしてもらい、胎児との精神的な連携をとるためにお腹に向かって話しかけてもらいます。 出産は陣痛・破水を経て、胎児が産道に下りてきて、そして頭を回転させて産まれて来るのですが、この過程を、図などを見せて、頭の中でしっかり想像してもらうことも大切です。今まで施術を行ってきた多くの妊婦からは、安産で、赤ちゃんも元気いっぱいで、そして短時間で産まれてきたと報告を頂いています。 産後はお母さんの治療ももちろんですが、産まれてきた赤ちゃんの治療も行います。やはり始めは、産まれたての赤ちゃんにカイロプラクティックが必要なのですか?!なぜですか?と質問もされました。必要ないので施術は要らないと言われる人もいました。しかし、なぜ必要なのかを理解して頂かなくてはなりません。産道を通って出てきた赤ちゃんは少なからず体のねじれ(緊張)を伴っているものです。まずはそのねじれをリリーステクニックアジャストメントにより開放してあげることで、神経の働きが良くなり、体を自由に動かす力が増します。体が自由に動くことで、首がすわり、寝返りができ、ハイハイし始める筋力へと成長していきます。物に触れることができ、感覚も成長していきます。 ねじれが開放されていない赤ちゃんには、アジャストメントを受けた赤ちゃんより、向き癖や夜泣きなどの症状が多く見られます。この一度のアジャストメントの有無が、今後の成長過程に大きく影響するのです。今後、より多くの妊婦に、妊娠中から施術を始めることの重要性、そして産まれてきた赤ちゃんへのアジャストメントの必要性を理解して頂けるよう活動を続けていきたいと思っています。ので施術は要らないと言われる人もいました。しかし、なぜ必要なのかを理解して頂かなくてはなりません。日本初のCACCP取得女性DCとしての活動報告時代を創るカイロプラクター山地 梨映子 DC2001年 同志社大学卒業後渡米2002年 カリフォルニア州立大学心理学専攻2004年 クリーブランドカイロプラクティック    カレッジLA校入学2007年 同校卒業・DC取得2008年 カリフォルニア州ライセンス取得 2009年 ロサンゼルスで臨床経験を経て帰国    リコカイロプラクティックオフィス開業2013年 小児カイロプラクティック認定CACCP取得山地 梨映子(やまじ りえこ)DC          プロフィール

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です