カイロタイムズ101号
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(3)2015年5月11日発行 カイロタイムズ 101号ログラム)が最大であり、パーカー大学の土台です。加えて、新プログラムも学生が増加しています。編集部 現在、学生数はどれくらいですか。マコーレー 計1000名程度で、うちカイロプラクティックの学生は700名です。2020年までに計2500名を目標にしています。より自然でホリスティック(総合的)なヘルスケアに興味を持つ若い層にアプローチしています。人体の治癒力を信じ、他者を健康にするとともに自分も成功したいという情熱を持つ学生を歓迎します。編集部 それでは、就任以来の成果というと?マコーレー 過去2年間で、新入生の拡大、9つの新プログラムの開始、財政状態の安定、地域社会指導者の評議委員への就任、リサーチの強化、元大学学長3名のスタッフへの登用、パーカーセミナーの再生などを成し遂げました。編集部 パーカーセミナーについて簡単に説明して頂けますか。マコーレー 今回のセミナーは3000名以上の参加者があり、世界でも最大規模のセミナーの一つです。特にDCの参加者数は昨年に比べ、22%増加しました。出展社も350社以上で、これは歴史上のカイロプラクティックセミナー最大です。また、ラスベガスセミナーに加え、米国内ではシカゴやダラス、国外ではオーストラリアやカナダでも開催しています。編集部 あなたは2013年にパーカー大学学長に就任されたということですが、長期目標を教えてください。マコーレー学長(以下マコーレー) 現在米国のヘルスケアはウエルネス(健康)志向にシフトしています。パーカー大学はその中心となり、この流れをリードする専門家を育てていきたいと思っています。編集部 現在のパーカー大学の位置づけや状況をどのように捉えていらっしゃいますか。マコーレー 人々の役に立つという志のもと、30年以上にわたり、パーカー大学は、臨床面でもビジネス面でも最高の教育を提供してきました。そして現在、放射線、超音波検査、マッサージ、医療情報管理など専門家の教育プログラムを拡大中です。このプログラムの卒業生は、キャリアでの成功だけでなく、米国のヘルスケアにおける、ウエルネス志向へのパラダイムシフト(変化)に貢献できると思います。 カイロプラクターの方は、ビジネスを拡大したいと考えている独立事業者を対象に構築されたMBA(経営学修士)プログラムに興味があるかもしれません。2015年秋に開講予定で、テキサス州ダラス(パーカー大学所在地)に通うことなくオンラインで履修が可能です。編集部 学生募集の状況はいかがですか。マコーレー カイロプラクティックプログラム(DCプ編集部 ライバルとみなしているセミナーはありますか。マコーレー 1951年にジム・パーカーが第1回を実施して以来、個人的・職業的成功のためのセミナーといえばパーカーセミナーであり、多くのカイロプラクターや患者の人生を変えてきました。カイロプラクティックにはその他、州のカイロプラクティック協会や企業が提供しているすばらしいセミナーがあり、人脈作りや学習をする機会を得られるのは大変ありがたいことです。編集部 最後に日本の読者へのメッセージがありますか。マコーレー パーカー大学はMBAだけでなく、オンラインで卒後教育を提供しています。また、パーカーセミナーでは、世界中のカイロプラクターと交流し、最新のテクニックや理論を学ぶことができます。今年のラスベガスセミナーに日本からたくさん参加して頂いたのは大変うれしいことです。参加者の皆さんにも満足して頂けたことと思いますが、米国のカイロプラクターにとっても、カイロプラクティックの世界的な広がりを実感でき、刺激になったと思います。 来年のラスベガスや、今年8月のゴールドコースト(オーストラリア)で、日本のカイロプラクターにお会いできることを楽しみにしています。また、通訳サービスの提供などできる限りのことを検討していくつもりです。(1面に関連記事)3回、ニュージャージーでセミナーを開催しています。4人とも現在はセミリタイア中なので患者数の1日平均は50〜70人位ですが、長年、平均150〜250人をアジャストしていました。今年72歳で開業50年のボビーは、開業当初、哲学を知らず「医者もどき」で、初めの数週間の来院は父親と義父の2人だけでした。その後、哲学と出会い、週に一度ヘルストーク(Health Talk・健康教室)を行ってから徐々に患者が増えていき、1日の最高は320人だったと当時の予約帳を見せてくれました。 なぜこれほど多くの人達が通い続けるのでしょうか?その秘密は週1回30〜60分のヘルストークです。本場とはいえ、カイロプラクティックを知らない人は沢山いるので、必ず「その価値」を話します。つまり「カイロプラクティック哲学」を一般の人向けに分かりやすく説明します。 パーカーセミナーのゲストスピーカーであるジョン・ディマティーニ(John Demartini)、パトリック・ジンテンポ(Patrick Gentempo)、ラリー・マークソン(Larry Markson)、ファブリシオ・マンシーニ(Fabrizio Mancini)などの大物DC達も哲学の重要性を必ず話します。知識や技術があり、磨き続けるのは当然ですが、方向性や 今年の1月末に米国東海岸クリニックを見学し、ラスベガスのパーカーセミナーに参加しました。 見学の目的は、カイロプラクティック哲学を実践して長年成功している本場のDC達を訪れ、私の友人の日本人カイロプラクター達に「(カイロプラクティックの)伝統、哲学の重要性、現場の空気を肌で感じて欲しい」というものです。 訪問先はジェイ・ハント(Jay Handt)、石谷三佳、ベス・フォーゴッシュ(Beth Forgosh)、ジム・デュベル(Jim Dubel)、トニー・デマルコ(Tony DeMarco)、ボビー・タランティーノ(Bobby Tarantino)の計6DC、5クリニックです。ニューヨーク観測史上最悪の暴風雪による予定変更や、総勢8名の大人数にも関わらず、皆快く受け入れてくれました。見学の内容は大体、「挨拶、院内見学、話、アジャスト、質疑応答」です。 ジムはニュービギニングス(New Beginnings)というカイロプラクティック哲学セミナーの主宰者で、ジェイ、トニー、ボビー達と共に1991年から年に生き方を決めるのが哲学です。「人は痛みを避けて快楽を求めるが、それを超えるのに必要なのは勇気であり、その勇気は哲学から生まれる」とジンテンポDCは言っていました。 コミュニケーション能力が高い、明るい、研究熱心など、挙げればきりがありませんが、成功しているカイロプラクターに共通しているのは概ね以下の3点でしょう。①カイロプラクティック哲学を学び続け、分かりやすく人々に伝えている。②毎日を楽しく過ごし、情熱を持ってアジャストメントを行っている。③カイロプラクティックは健康にとどまらず、人生が良くなるということを伝えている。 日米には文化的背景や宗教観などの違いはありますが、世界中どこへ行っても「イネイト」、「サブラクセーション」、「アジャストメント」は同じです。日本でも哲学を学び、伝え、多くの人々の幸せに貢献して成功するカイロプラクターがもっともっと増えることを期待します。(1面に関連記事)米国クリニックとパーカーセミナー見学記大陰 幸生 DC大 陰 幸 生 DCLife Chiropractic College West卒業。東京・自由が丘で「カイロプラクティックセンター・Café of Life Tokyo」を開業中。妊婦・小児へのカイロプラクティック及び、哲学の大切さを伝えている。『仕事の流儀』監訳。大陰 幸生(おおかげ さちお)DC           プロフィールカイロプラクティック哲学と    患者教育の重要性カイロプラクティック哲学と    患者教育の重要性パーカー大学マコーレー学長インタビューパーカー大学マコーレー学長インタビュー介しますと、私達は、アクティベーターを使用した施術後の脳活動及び筋糖代謝活動の変化についての調査を目的とし、被験者数21名を対象にPETイメージングスタディを行いました。 イメージングによって得られる脳の賦活部位から、与えられた刺激がどのような質のものであるかが推察でき、他の身体反応の指標と併せて考察することができます。私達は、得られた脳活動の変化、筋の反応や自律神経活動などの指標から、本研究で実施したアクティベーターを使用した施術後に一種のリラックス状態を導いたと帰結しました。 このような事は、臨床の現場では多く経験されていることで、また施術を受けた方の主観的な感想によっても得られる情報ではありますが、それらを客観的に証明するということは難しく実現していませんでした。また実験では、「脊椎操作」と、手で接触することによる 今年の3月に米国ラスベガスで行われたACC-RAC2015に参加、発表をして参りました。カンファレンスはキャメロン・ディアス主演映画『(邦題)ベガスの恋に勝つルール』で使われたホテルで開催されました。 華美で賑やかなカジノリゾートと学術会議…。これが米国の文化かなぁ?と思いつつ発表に臨みました。 発表内容について少しご紹(左)筆者(中央)Dr Haavik(右)Dr 小倉「マッサージ」のような成分とを分離する工夫も必要であり、今回はアクティベーターを使用することで不要な接触を避けることができました。 発表の感想は、私の乏しい英語力にも関わらず、質疑応答時間には、施術についての質問、研究プロトコルについての意見、継続研究への期待など、多くの方が意見を交わし、会場全体が盛り上がっていた印象があります。また、米国ではこのような研究には日本以上に費用が掛かり難しいと、私達の研究に対する称賛のお声掛けも頂き、米国の学術会議で受け入れられて良かった、とホッとしました。 研究の意義は、カイロプラクターだけではなく、患者さん、医師、行政および広く一般の方々が、カイロプラクティックとはこういうものだと共有できる情報の裏付けを積み上げていくことだと考えています。今後とも微力ながら貢献できたらとの気持ちを新たにした学会参加でした。(1面に関連記事) 2015年3月19日(木)〜21日(土)、米国ネバダ州ラスベガスにて、米国カイロプラクティック大学協会学術大会(ACC‐RAC)が開催された。 近年、カイロプラクティック業界では、教育、研究、ビジネス、臨床など各分野における、その他のヘルスケア専門職との協力が注目されている。「専門職種間コラボレーション(より良い未来に向けた協力)」がテーマの今年は、「カイロプラクティックの新しい世界の探究」と題した基調講演で開幕した。その後、教育、研究、臨床、コラボレーションなど分野ごとにグループに分かれ、ワークショップが開催された。そして、「リスクと恩恵(専門職間コラボレーションはカイロプラクティックの救済者か?破壊者か?)」がタイトルの全体講演で終了した。 日本からも、稲見暁惠氏(東北大学大学院医学系研究科博士課程在籍)が、研究「頚部痛に対するカイロプラクティック施術後の脳および骨格筋糖代謝変化」を発表した。 2016年は3月17日(木)〜19日(土)、フロリダ州オーランドにて開催予定。論文の一次審査提出期限は2015年9月1日。ACC-RAC会議の様子ACC-RAC2015開催ACC-RAC2015開催参加レポート稲見 暁惠東北大学大学院医学系研究科博士課程

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