カイロタイムズ100号
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(5)2015年2月1日発行 カイロタイムズ 100号内 容ますます充 実http://www.chiro-times.co.jp/カイロタイムズ ホームページリニューアルしました紙面に載らない情報やタイムリーな話題をお伝えします編集部ブログも始めましたTEL:0120-223-505 FAX:0120-223-509E-mail:info@chiro-times.co.jp アクティベータ・メソッド(以下AM)の下肢長検査法は、AMの治療指針である「いつ、どこを矯正し、いつ矯正しないか」を決定する神経関節機能障害分析の根幹となります。この神経生理学的な反ことができます。カイロプラクティックの歴史的潮流も「機械論的カイロ」と「生命論的カイロ」に分類され、機械論の特徴は、安定的で予測可能、線形思考、平衡系、閉鎖系の思考が優先されます。一方、生命論の特徴は、動的で予測不可能、非線形思考、非平衡系、開放系の思考が優先です。 カイロの分析法においても「機械論」と「生命論」に分けてみることができ、どちらも大切な分析法ではありますが、臨床の現場では、どちらか一方が優先される傾向があります。X‐rayや皮膚表面温度計での測定、並びに触診によってサブラクセーションを分析する手法は機械論的分析法に分類されます。また、AMなどの下肢長検査法やAKなどの筋抵抗検査法など、生体の神経生理学的反射を介して生体を分析する手法は生命論的分析法に分類されます。 カイロの歴史を振り返ると、1930〜1940年代にかけて、その潮流が大きく分かれているようです。科学的な医療として認知されやすいのは機械論なのですが、生命論(有機論)は非科学的だと揶揄されながらも世界中の臨床現場で広く活用されています。 AMの下肢長検査法も生命論(有機論)の一つで、その発祥の起源をたどると、DNFTの創始者のヴァン・ランプトDCとメーベル・ディアフィールドDCが開発した下肢長分析法、さらには大腿骨の内転筋結節を指標とするトラスコット・システムの発明者であるローン・トラスコットDCの分析法にも影響を受けています。 (次号に続く)射作用を利用した有機的検査技法ができなければ、「アクティベータ・メソッド」としては成り立ちません。AMは器具だけが注目されやすい傾向がありますが、器具による矯正自体よりも、分析手法の方が臨床的にはより重要となります。 この有機論的分析法の価値を理解して頂くために知って頂きたい世界観があります。世界は基本的に「機械論的世界観」と「生命論的(有機論的)世界観」に大局的に分類する保井 志之DC機械論と生命論保 井 志 之 DCVol.2 昨年8月に来日した際、カイロプラクティック院でのスタッフの雇用の仕方や、院の効率的な運営の方法などについてカイロタイムズ編集部の方と雑談をしていたら、執筆を依頼されました。私の経験が少しでも日本のカイロプラクターのお役に立つならばと思い、引き受けることにしました。 カイロプラクティックとの出会いは仕事としてに過ぎませんでしたが、今や私にとっに出会い、以後11年間彼の院を運営することになりました。それまで院運営の経験はなかったものの、前職で自分が計画した多数のセミナーで講義を聞いていたため、知識はありました。 既存の院に自分が新参者としては入るのはなかなか大変で、まず、スタッフを文字通り、観察することから始めました。院を良い方向に導くために、どんな改善が必要なのかを注意深く見極める必要がありました。嫌われ者の新入りマネージャーになりたくはありませんでした。院には既にフルタイムのカイロプラクティックアシスタント(CA)が2人いましたが、どちらも優秀で、カイロプラクティックの良さも理解していました。ただ、2人とも少々、仕事に慣れ過ぎていました。 まずは、最初の患者の予約時間の30分前に出勤させ、院内を整えたり、留守番電話のメッセージに返電したりするのに充てました。そして、昼休憩を1時間と定め、どちらかは必ず院に残って電話や患者応対ができるように交替で休憩を取らせました。 病欠を減らすために、「就業規則」を作成しました。院の大小に関わらず、どの院も独自の就業規則を持つべきだと私は考えています。就業規則には院での規則を明記し、全従業員に2部ずつ配付します。1部はサインをしてマネージャーに返却させ、1部は自分で所持させます。改定する度に新しい就業規則を配付し、この手順を繰り返します。大変効果的だったと思うのは、全従業員に4週間の有給休暇て人生そのものとなりました。6年間アラバマ州カイロプラクティック協会(ASCA)で、カイロプラクターや院のスタッフに対する継続教育セミナー業務に従事しました。新卒カイロプラクターたちからのリクエストに基づき、経験豊かなカイロプラクターたちが、院の運営方法について講義するという「ハウツー」セミナーを各種開発・提供しました。 ASCAで働いている頃、現在の夫、ウィル・エバンスキャシー・エバンス氏■就業規則の作成■を与えたことです。休暇に使おうと、病欠に使おうと従業員次第ですが、前もって休みが分かるので不在中の手配ができました。この4週間の有給休暇導入前は「病欠」が多かったのですが、以後は随分減りました。 (次回に続く)現在、ウエスタンステイツ大学の卒後・継続教育部門でプログラムマネージャーを務めている。20年以上に渡り、カイロプラクティッククリニックや医療機関でのマネージメント経験を持つ。また、州機関での勤務経験や、卒後・継続教育のマネージメントやコーディネイト経験も持つ。キャシー・エバンス氏(Cathy Evans) プロフィールキャシーのCA(    )教室カイロプラクティックアシスタントVol.1新連載患するか否かは、宿主の防御ラインがしっかりとその機能を果たしているかどうかに関わるところが大きい。即ち、栄養バランスよく食べ、適度な運動を行い、ストレスの少ない生活を送っていれば、そう簡単に健康ラインは破れない。健康ラインをしっかりと強固なものにしておくには、日頃から身体のメンテナンスを心掛けておくことが望ましい。日常におけるケアこそがこれからの高齢化に向かう社会の医療としてふさわしいのではないだろうか。 対処から防御へ、治療から予防へ。我々が本来備えている自然治癒力という素晴らしい力を高め、人体の機能を充分に発揮させることを目的とする「オステオパシー」は間違いなくその一翼を担うであろう。 過日アフリカで発生したエボラ出血熱の流行を危惧した世界保健機関(WHO)と各国政府は、感染者が何千、何万名になるとの予想を打ち出していた。その頃、日本でもデングウイルスの感染によるデング熱が東京のど真ん中でおよそ70年ぶりに発生した。目に見えない敵が襲ってくることに、映画の「バイオ・ハザード」よろしく、世紀末を感じた人もおられたのではないだろうか。 ウイルス自体が微生物学においてその存在を明らかにされる以前、体調を崩す人が増え、ばたばたと人々が倒れ、命が奪われていく状況を悪魔に取り憑かれたと考えられても仕方のないことであったろう。 そもそも、ウイルスとは何であろうか。ウイルスは生物かというと細胞を持たないので、生物学上は生物とされていない。細胞は持たないけれども、遺伝物質を持ち、他の生物を利用して増殖をする。そうすればウイルスが生物の特徴を持ち、なおかつ他の生物との関連性があることは確かである。 細胞は生きていく上で必要なエネルギーを作る独自の製造ラインを持っている(代謝系)。しかしウイルスは代謝系を持たず、その全てを宿主に依存しているため、宿主の細胞増殖を介してのみ自身の増殖が可能とされる。ウイルスに唯一できることは、他の生物の細胞内に侵入し、その生物の遺伝子の中に自らの遺伝子を組み込むことである。ウイルスの感染、増殖は宿主の恒常性の乱れを引き起こす。これこそが病原体として人々の健康に脅威を与える悪者としてウイルスが定義される所以である。 ウイルスによって病気に罹これからの医療「オステオパシー」 私の経営するクリニックは、カイロプラクティック療法を組織基盤とする総合治療院で、各種の有医療資格者(専門家)がスタッフとして勤務しています。また、近年の流れから介護保険法に基づく通所介護も近く併設する予定です。 総合治療院運営においては、1.共通の病態の基準の設定2.各部門との密なコミュニケーション。といったことに留意する必要がありますが、次のように多くのメリットがあります。①各専門家による診断と治療計画ができる②低料金で早く体が治り、定期的に体のメンテナンスを受けやすい③他の医療機関との連携が取れる④将来に向けて通所介護を行うことで何十年のお付き合いとなる。 具体例を元に各項目の詳細をご説明します。①治療記録管理はSOAP形式で管理をすることで統一性が取れ医療過誤を最小限にすることができる。例えば、20年に渡り定期的に来院される75歳の女性患者。主訴は、1週間前から右下肢の歩行不調で足が前に出にくい、力が入りにくい状態が続くということ。既往歴は右下肢梨状筋症候群。検査は、Kボンネット検査+。整骨・鍼灸部 門で右下肢梨状筋症候群と判断、梨状筋の過緊張を取り除く治療を2回行うが、改善がなかった。カイロプラクティックの治療へ再度、来院をする。その時にカルテを見るとclosed questionsとfocused questionsが未記載。患者に痛みの有無を尋ねると、痛みはなく、力が入らないと答えた。二頭筋反射、膝蓋腱 反射の検査は共に亢進が出たので即座に脳神経外科へMRI検査を依頼、脳腫瘍が血管を圧迫し、間歇的な神経症状があることが判明。さらに以下の履歴が分かった。4カ月前に右ヒザが抜ける現象があり、整形外科を受診、膝変形性と診断され、特に処置はなく症状が消失した。また、当日午前中に内科医院にも受診をするが 膝変形性と診断されている。午後にカイロプラクティックの治療で来院されたが、間歇的な症状の限界であり、それ以降は歩行が困難になった。現在は高齢ということもあり、大学病院で治療法を模索中。 この患者は 一人暮らしで帰宅をして歩行困難になるとパニックとなっていたため、原因がはっきりしてよかったと家族から連絡がありました。次回は②についてお話したいと思います。総合治療院の患者のメリット総合治療院の患者のメリット市 原 資 修 BHSc

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